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希望ナンバー制とは?
そもそも希望ナンバーとは、4輪車の普通車が1999年(一部地域は1998年)、軽自動車は2005年から導入されたもので、ナンバープレートに自分の希望する番号を付けることができる制度だ。
希望する番号といっても、選べるのは大きく表示されている下4ケタまでのアラビア数字についてのみ。いわゆる「一連指定番号」と呼ばれる部分だ。
例えば、「2525(ニコニコ)」や「1122(いい夫婦)」といったごろ合わせや、同じ番号を連続させる連番なども選択が可能だ。
ただし、「1111」や「3333」「7777」とか「8888」といった特に人気が高い番号は、抽選対象希望番号となっており、抽選に当たらないと選ぶことができない。
なお、希望ナンバー制度を利用できるのは、新車または中古車を購入して新規登録を行う場合、管轄変更を伴う名義変更または住所変更を行う場合、ナンバープレートが破損または汚損した場合のいずれかとなる。
なぜバイクには導入されてこなかったのか?
一方、現在、バイクには前述の通り希望ナンバー制はない。これは、おそらく、バイクのナンバーは、クルマとは付け方が異なることが関係しているようだ。
クルマのナンバーは、上段の左から「地名」「分類番号(3ケタ)」、下側が「区別番号(ひらがななどで表示)」「一連指定番号(最大4ケタ)」で表示されている。
一方、バイクでは、排気量によって表記が異なる。
251cc以上のバイクでは、上段が左から「地名」「区別番号(平仮名などで表示)」、下段が「一連指定番号(最大4ケタ)」といった表示だ。なお、プレートは、周囲に緑の縁が付いた白地だ。
125ccを超え250cc以下のバイクの場合は、上段が左から「分類番号(1または2の1ケタ)」「地名」「区別番号(平仮名などで表示)」、下段が「一連指定番号(最大4ケタ)」といった表記。プレートの色は白だ。
さらに、125cc以下の原付では、上段が「地名(管轄する自治体名)」、下段が「区別番号(平仮名などで表示)」「一連指定番号(最大4ケタ)」で表記する。なお、原付一種(50cc以下)は地色が白、原付二種は黄色(51cc〜90cc)かピンク(91cc〜125cc)のいずれかのプレートとなる。
こうしてみてみると、バイクとクルマのナンバープレートでは、例えば分類番号の有無や数が異なる。クルマでは、分類番号は3ケタだが、125ccを超え250cc以下のバイクは1ケタ。251cc以上のバイクや125cc以下の原付には基本的にない(分類番号ではないが、最近は「地名」のあとに「C」などの英文字を入れるケースもある)。
つまり、バイクのナンバーは、クルマに比べると組み合わせできる番号や文字などが少ないのだ。そのため、希望ナンバー制度を導入すると、人気ナンバーはすぐに無くなってしまうため、導入されていないといった説もある。
バイクのナンバーは足りなくなってきている
実際に、国交省は、バイクのナンバープレートを見直しすべき理由について、「現行の2輪車のナンバープレートに記載される番号や平仮名などの組合せは、一部の地域で底を突くおそれがある」といっている。現状の様式では、前述した番号や文字の組み合わせの数が足りなくなってきているのだ。
さらに、国交省は、「(検討中である)様式の見直しに伴い、番号や平仮名などの組合せが大幅に増える見込みであることから、2輪車ユーザーなどから要望のある希望ナンバー制の導入も検討する」と発表している。
つまり、より多くの組み合わせができる様式に変更することで、希望ナンバー制の導入も可能になるというのだ。
原付バイクが対象外の理由
ただし、見直しを検討しているのは、「総排気量が125ccを超える2輪車」について。原付一種や原付二種のバイクは対象から外れている。
その理由について、国交省は、「総排気量125cc以下の2輪車(原動機付自転車)のナンバープレートの表示については、各市町村で所管されている」ためだという。つまり、原付一種や原付二種のバイクは、国土交通省の管轄外なので、そもそも変更すること自体を決められないということのようだ。
国交省では、今回の見直しに関し「二輪車のナンバープレートの様式の見直しおよび希望ナンバー制導入に係るワーキンググループ」を設置し、第1回の検討会を2023年6月27日に実施。その後も検討を重ねていくようだ。
具体的な変更内容や導入時期などはまだこれからだが、バイクのナンバーが、果たしてどのように変わるのかや、実際に希望ナンバーが導入されるのかなど、今後の動向に注目したいところだ。