【東京・奥多摩ツーリング/第二十一回 五日市の自然と風景に触れる旅】 村上菜つみのバイクでカフェめぐり

奥多摩を走るなら、まずはここから。JRの終着駅・五日市の町へ【東京・奥多摩ツーリング/第二十一回 五日市 岩走神社 都立小峰公園 粉粉マフィン】

東京の多摩地域西部にある「あきる野市」。秋川市と五日市町が合併してできました。北は青梅市、西は奥多摩に隣接しています。今回の舞台は都心から50キロメートル圏内にも関わらず、歴史と伝統が息づくまち、あきる野市五日市地区。秋の深まりとともに木の葉が赤や黄色に色づき、美しく彩られていきます。

REPORT●村上 菜つみ(MURAKAMI Natsumi)
PHOTO●高橋 克也(TAKAHASHI Katsuya)

JR五日市線の終着駅である武蔵五日市駅周辺。登山客で賑わうこの場所には、歴史あるスポットや自然いっぱいの魅力あふれる場所が点在しています。今回は鮮やかなコーラル色のベスパLX125i-GETに乗って、そんな五日市エリアを旅してきました。

ツーリングのはじまりは武蔵五日市駅前から

武蔵五日市駅
武蔵五日市駅前ロータリーの噴水広場には、印象的な山形のモニュメントが。

旅のはじまりは武蔵五日市駅前。都心では見ることのない筆字の駅名に、遠くへ来たなと実感がわきます。今日の相棒、ベスパLX125i-GETも心なしか嬉しそう。のんびりとことこ、スクーターでのカフェ巡りを楽しんできます。

武蔵五日市駅
ちょっと駅前をぶらり。知らない町の駅って、なんだかどきどきしちゃいます。
武蔵五日市駅
重厚感漂う武蔵五日市駅。終着駅にふさわしい、堂々たる風格です。
武蔵五日市駅
レトロシックなデザインが素敵な武蔵五日市駅。バリアフリーもしっかり完備されていました。
武蔵五日市駅
上皇后・美智子さまが奥多摩視察の際に詠まれた歌を青梅市出身の元防衛庁長官・石川要三氏の筆でしたためた歌碑が駅前にありました。
武蔵五日市駅
よく見るとモニュメントの説明が書かれていました。五山流水というそうです。

駅の中には周辺の観光案内やお土産物が豊富に揃う売店など、観光駅らしい賑やかな空気が漂います。これだけでももう充分に旅気分を満喫できそうですね。そして一歩、駅を出て振り返ると、駅そのものの重厚な雰囲気に驚きます。

武蔵五日市駅
駅中の売店には、奥多摩でしか買えないたくさんのお土産物が。
武蔵五日市駅
駅前の西東京バス営業所前にはバスの絵が描かれた自動販売機がありました。運転しているのは西東京バスのゆるキャラ「にしちゅん」。可愛いスズメの男の子です。
武蔵五日市駅
秋川渓谷のインフォメーションはウッディなデザイン。植物の解説などたくさんのパネルが展示されています。
武蔵五日市駅
トウキョウサンショウウオの兄妹をモチーフにしたあきる野市のゆるキャラ「森っこサンちゃん」の顔はめパネルがありました。
武蔵五日市駅
さて、どこから行こうかな? 出発の支度をしながら考えを巡らせます。

由緒正しい岩走神社で安全祈願を

岩走神社
広い境内に手入れの行き届いた本殿。由緒ある神社だとひと目で感じとれます。

雰囲気のある神社を見つけたので立ち寄ってみました。伊那の鎮守である「正一位岩走神社」です。平安時代末期である仁平2年(1152)、信濃国伊那郡の住人12名が当地に移り住んで一村を開き、故郷の戸隠大明神より御分霊を勧請したことに始まると伝えられます。その後12名の一人である宮沢左近進藤原季周が神主となり、その子孫の方々が社家として奉仕しているそうです。

岩走神社
入口には小さいながらも使い心地のいい手水舎が。手と口を清めてお邪魔します。
岩走神社
静かな境内には厳かな空気が漂い、参拝する方も身が引き締まる思いです。
岩走神社
静かな空間ではなにか不思議なことが起こりそう。
岩走神社
どこか愛嬌のある表情の狛犬。このままぬいぐるみやマスコットにできそうです。
岩走神社
古くてもきちんと整えられ、人々に愛されている神社だと感じました。
岩走神社
お賽銭を納め、地元の神様に旅の無事を祈願します。
●正一位岩走神社
〒190-0142
東京都あきる野市伊奈1575
TEL:042-596-2109

自然を活かした公園で緑いっぱいのひとときを

小峰公園
小峰公園はありのままの環境を活かした自然公園です。

以前から一度来てみたかった、都立小峰公園にやってきました。ありのままの環境を活かし、身近で豊かな自然と触れ合いながら、手軽にピクニックやハイキングを楽しめる野外レクリエーションの場として整備された自然公園です。三本の尾根と二つの谷戸から成り、尾根のサクラ並木、雑木とヒノキの林や、谷戸の湿地や湧き水を利用した湿生植物園があります。今日はこちらでさまざまな野草を観察し、自然の表情を感じてみようと思います。

小峰公園
大きく深呼吸すると、緑のかおりが胸いっぱいに広がります。
小峰公園
薄ピンク色の山桜。いつ見てもため息が出るほど可憐です。
小峰公園
目が覚めるような黄色の菜の花。心が和みますね。
小峰公園
鮮やかな山吹色のモッコウバラもたくさんの花を咲かせていました。
小峰公園
小さいながらも宝石のような存在感を放つ山スミレが、足元に咲いていました。
小峰公園
雨上がりの遊歩道には、土と緑のかおりが立ち込めています。
小峰公園
頂上のベンチでほっとひと息。ヤマツツジの木が目を和ませてくれます。

都会での忙しい日々を抜け出し自然の中に足を踏み入れると、いつの間にか肩の力が抜けていることに気づきます。ツーリングのルートに自然公園、たまにはいいかもしれません。また入口のビジターセンターでは、園内の自然を紹介した展示や解説員の説明を受けながらのスライド観賞、野外で自然と触れ合う体験学習も楽しめます。より深く自然を楽しみたい方には、そちらもおすすめです。

●都立小峰公園
〒190-0152
東京都あきる野市留原284-1
TEL:042-595-0400

住宅街にひっそりとたたずむ、小さなマフィン屋さん

粉粉マフィン
味はプレーンのほか、ラムレーズン、バナナ、ブルーベリー、大納言など具入りが中心。持ち重りするほどぎっしり具材が入っているのにどれも200円前後というお得感。

住宅街の中に、小さなマフィンのお店を見つけました。国産小麦とよつ葉バター、北海道産てん菜糖を使用した手作りマフィン専門店「粉粉マフィン」。まろやかな甘さが特徴の素朴な味が評判となりクチコミでファンが増え、今では開店直後に売り切れてしまうほどの人気店だそうです。

粉粉マフィン
「こなこなマフィン」ではなく「ここマフィン」という可愛らしい響きの店名。
粉粉マフィン
窓口からのテイクアウトのみで販売。うっかり見落としそうな小さなお店です。
粉粉マフィン
ふんわりとしたやさしい甘みの決め手は、北海道産のてん菜糖。
粉粉マフィン
定番を中心に日替わりで色々な種類が変えます。この日、私が買ったのはこちら(右上から順番にバナナ、チョコチップ、プレーン、抹茶)。どれもとっても美味しいです。
粉粉マフィン
ベスパのトランクに大事にマフィンをしまって出発。いいお土産ができました。

誰もが知っている有名な銘菓をお土産に買うのもいいけれど、知る人ぞ知る小ぢんまりした名店で手づくりの美味しいものを見つけるのは、まるで宝物を見つけたようでとても素敵です。売り切れ必至のこの店でしか買えない味、プライスレス。また五日市に来たときには一番に立ち寄ろうと思います。

●粉粉マフィン
〒190-0154
東京都あきる野市高尾33-1
営業時間:11:00~17:00
定休日:日・月休
五日市

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