モトグッツィV85シリーズが大改良で3つのバージョンが誕生！　EICMA2023でデビュー。

11月7日よりイタリア・ミラノで開催されているEICMA2023（モーターサイクル国際博覧会）に於いて、モトグッツィは新しいV85シリーズを発表した。

2019年にミドルクラスのアドベンチャーモデルとして誕生したV85TT。クラシカルなスタイルと、現代のトラベルエンデューロとしての機能性を持ったアドベンチャーバイクとしてヨーロッパを中心に人気となったモデルだ。

2024年モデルは全面的に刷新が行われている。ひと目でモトグッチV85だとわかるアイコニックなスタイリングは現代的な解釈で進化し、タンク、サイドパネル、フロントマッドガードのラインなど、初期モデルのディティールを改良しながら洗練したデザインに昇華。もちろん90°V型エンジンもそのデザインを構成する一つとなる。

フロント周りは特徴的なデュアルヘッドライトを備え、ヘッドライトとインストルメントパネルのサポートはこれまでのスチールチューブトレリスから、アルミダイキャストフレームに変更して、さらにスポーティでダイナミックな存在感を与えている。リヤグラブハンドルにもアルミ素材を採用している。V85シリーズの特徴的な存在であるフューエルタンクは、エンジンシリンダーの真上に凹みがあり、2気筒エンジンの延長のように見えるデザインになっており、エンジンユニットの技術的なアップグレードを強調している。

V85のパワーユニットは２バルブの空冷横置き90°Vツイン853cc。ローラータペットとアルミ製ロッカーアーム、チタン製の42.5mm吸気バルブなどを備え、新しい排出ガス規制「ユーロ５+」に対応。低回転域でのパワーアップとスロットルレスポンス、トルクの向上を実現している。これはエンジンの回転数に応じてバルブリフトを最適化する可変バルブタイミングの対応により、3000rpmからトルクが増加して3500rpmでは最大トルクの90%を発揮。5100rpmで83Nmに相当する。これによりライディングの楽しさがさらに増し、スロットルレスポンスの向上、低回転域と高速域での柔軟性が向上。最高出力も先代の76hp/7500rpmから80hp/7750rpmに向上している。また、ノックセンサーを搭載することで点火時期をより精密かつ正確に調整できるようになっている。エンジンの潤滑には2つの同軸ポンプを備えたセミドライサンプを採用。1つはオイルの送出、もう一つは回収を担当するため、優れた潤滑によってオイルクーラーの必要性がなくなり全体の重量を軽減。クランクドライブとオイルの相互作用によって、摩擦によるパワー損失が少なく、オイルが到達する最高温度が低い、さらに車体が大きくリーン、またはピッチした際にもポンプが潤滑を続けられるため、エンジンオイル量を少なく設定できる。オイルサンプのサイズを小さくして最低地上高を高めている。インジェクションはシングルの52mmスロットルボディを採用。マルチマップ・ライドバイワイヤー・スロットルコントロールにより、スロットルバルブの開度を正確に制御して全体的な効率を最適化。スムーズな供給を実現するだけでなく、燃費消費量も削減する。

サテン仕上げの新しいフレームに装着されたヘッドライトの上には、形状を一新したフロントスクリーンを装備。高さを５段階に調整でき、あらゆる状況でライダーを保護。ライダーへの空気抵抗は37%減少する。また、インストルメントパネルは新たに5インチのTFTカラー液晶を採用。全ての走行パラメーターを適切に視覚化。ハンドルバースイッチも一新してクルーズコントロールを含めて全ての機能を直感的に操作することができる。

V85ストラーダ

軽さ、実用性、シンプルさというV85のコアバリューを継承し、より完璧な「実用マシン」となった。直立したライディングポジションにより俊敏で快適な走りと、ミニマムでエレガントなスタイルが特徴。新しくアルミ製のキャストホイールを採用し、V85TTバージョンより4kgも軽くなっている。

V85TT

V85のオリジナルスピリットを体現するオールテレーンモデル。1980年代の雰囲気を思い起こさせる刺激的なスタイリングと、日常の移動から冒険的なロングライドまでこなせる。フロント19、リヤ17インチのスポークホイールはチューブレスを採用し、アルミ製スキッドプレートやハンドガードなどを装備。リアショックはプリロード調整も簡単だ。

V85TTトラベル

V85TTをベースに、多くの荷物とパッセンジャーを乗せて一年中、無限の旅をするための完璧な装備を追加し、全ての旅を冒険に変えるバイク。空力学的な形状を備えたフロントスクリーンは高さを増加して、標準モデルに比べて22%表面積を増加。さらに新しいサイドディフレクターにより保護力を強化。高速走行時や寒冷地でのライディングに効果を発揮。ライダーのヘルメットにかかる空気圧はV85TTに比べてさらに50%も低減。また、大容量のサイドケース（右：37リットル、左：27.5リットル）、グリップヒーター、ライダーズシートが標準で装備されている。

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