目次
KOVE 450RALLY(コーベ・450ラリー)……国内予定価格:128万円(税込)
KOVEは中国で「300cc以上の大型モデル販売数」が第4位の新進メーカー
中国の新興バイクメーカー「KOVE MOTO(コーベモト)/以下KOVE」は2017年、中国の重慶市にて設立された新進気鋭のバイクメーカー。IAFT16949品質システムに基づき、開発、設計、製造、生産、販売を一貫して推進している。同社は大排気量車を中心に、パフォーマンスを重視したラインナップで急成長。2021年には年間生産台数2万台を突破し、300cc以上の大型モデル販売数は中国4位となっている。
KOVEは2023年のダカールラリーに「450ラリー」で初参戦。出走した全3台は、すべて完走を果たした(成績は46位、67位、77位)。
EICMA2023において、KOVEはダカールラリーに出場したレース仕様車をベースにした公道仕様車を出展。レース仕様車は、ラリータワー・レーシングエキゾーストシステム(触媒無し)・各部チタンボルト・アンダーガード内の水タンクの採用に加え、保安部品なし程度。公道仕様車は上記以外、レース仕様車とほぼ同じという超本格的なつくりとなっている。
排気系の変更で、公道仕様車の最高出力は2kWダウンするものの(レース仕様車:40kW/54.4ps、公道仕様車:38kW/51.7ps)、サスペンション、エンジン、フレーム、タンク、外装パーツなど基本性能に関わる部分は、レース仕様と変わりなし。
450ラリーはユーロ5認証取得の遅れにより、国内仕様のサンプル到着が2023年末~2024年初旬頃。日本発売は2024年春頃となる見込み。
スリムな水冷4ストローク単気筒DOHC 4バルブ449ccエンジンは51.7馬力を発揮。車体は145kgまで軽量化
ダカールラリーのようなロングディスタンスラリーを走破するために設計された450ラリーは、奇をてらうことなく、現代のラリーマシンや公道市販車に必要な要素を確実に抑え、質実剛健な設計を推進しているのがポイント。
軽量かつ高性能な水冷4ストローク単気筒DOHC 4バルブ449ccエンジンを採用。ボア×ストロークは94.5mm×64mmという、レースマシンならではのスポーティな超ショートストローク型。145kgというライトな車体に、前後で合計31Lというラリーマシンならではのビッグタンクを装備しているのも特徴だ。
特徴的なフロントカウルは、ライダーへの走行風による疲労を軽減。最高出力51.7馬力のエンジンは、最高速度170km/hをマーク。レースで重要となる高回転域はもちろん、低中回転域でのオフロード走行にも適した粘りのある特性も両立。
公道仕様車は「スタンダード(シート高960mm)」と「ローダウン(サスペンションストローク変更でシート高910mm)」の2種類をラインナップ。
KOVE 450ラリー、7つのポイント
1:エンジンはKOVEキャバレロなどで採用実績のあるZongshen製。450ラリーではシリンダーヘッドをDOHC化し、30%のパワーアップを実現(51.7馬力)。
2:エンジンオイルは1.8Lの大容量。交換頻度の少なさや、油温の安定が期待できる(オイルクーラー標準装備)。
3:ラジエーターは両側にファン、またリザーバータンクを導入。街中・渋滞・夏季の高温といった走行も予想される公道走行も安心。
4:エアクリーナーはKTM RALLYと同様のトップインテークとし、耐砂塵性能も良好(通常位置のエアクリーナーボックスでは後輪が巻き上げた砂塵を吸いやすい)。工具無しで脱着可能な、シートを外すだけでエアクリーナーの交換が可能。
5:サスペンションは前後ともフルアジャスタブル式。フレームはスタンダードなツインスパータイプ。
6:ステップは大型踏面でスタンディングしやすいのが特徴。サイドスタンドは砂に対応した大型の接地面。
7:ユーロ5(2023年11月現在申請中)対応で、キャタライザー(触媒)付きマフラー、キャニスター(蒸発ガス吸着装置)、ABSも装備。