昨年(2022年)の交通事故発生件数は30万1193件、そのうち死亡者数は2610名となっている。道路事情や交通法規の変化、車両の安全技術の向上もあって、最も死者数の多かった1970年と比べると6分の1以下に減少しているが、それでも年間これだけの命が失われている。交通事故死者数の16.7%の435名が二輪車の乗車中によるもので、この割合はこの10数年ほぼ変わっていない。今年の上半期のデータによれば、交通事故による死者数は6月までで1182人、そのうち二輪車の乗車中による死者は17.9%の212名となっている。年齢別による割合は10代が8.0%、20代は17.9%、30代が5.2%、40代は15.6%、50代が23.1%となっており、免許取得からまもない20代と、リターンライダーの多い50代に多いという結果になっている。事故に遭うのは運転技術によるものではないが、いくつかのポイントを覚えておけば事故に巻き込まれずに済むはず。そんな事故を避けるための知識や技術を身につけるために書籍が発行されている。それが「事故やトラブルを避けるための知識と技術 命を守るバイク術」だ。
本書にはバイクをスムーズに操作するヒントなど、初心者だけでなく、ベテランでも忘れてしまっているポイントなどを詳しく解説。さらに交差点の右折時、左折時、アンダーパス、高速走行などシチュエーション別に安全に走行するポイントを解説している。ちなみに、今年上半期のデータによると、二輪車の死亡事故の36.6%が右直事故(交差点で右折車と直進車の衝突)によるもの。そのうち2輪車が直進だった事故が90%で、右直事故による死亡率が高いことがわかる。また、26.4%が出会い頭によるもので、6割以上が交差点などで起きているのがわかる。二輪車の場合、どんなにこちらの過失割合が低くても、死亡や重大な受傷に繋がってしまうため、安全運転はもちろんのこと、それにプラスして事故に遭わないテクニックが必要となってくる。
そのほかにもバイクライフを送る上で役に立つ情報やテクニックも数多く掲載されているので、まだまだバイクに慣れていないライダーはもちろん、リターンライダーもぜひ一読してもらいたい。
- タイトル
- 「事故やトラブルを避けるための知識と技術 命を守るバイク術」
- 著者:近田茂、後藤秀之
- 発行:スタジオタッククリエイティブ
- 176ページ
- ISBN:978-488393-988-6
- 価格:¥1,800+税
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