【ヤマハ・MT-125試乗記】ヤマハらしい自在なハンドリングが楽しめる、これぞ街の遊撃手だ

2023年の10月から12月にかけて、ヤマハからプラットフォームを共有する原付二種および軽二輪のMTスポーツモデル4機種がリリースされた。すでに東京モーターサイクルショーやジャパンモビリティショーなどで一般公開されていたもので、首を長くして待っていたファンも多いはず。今回は4台を一堂に揃えて一般公道を試乗したので、まずは最も安価な設定のMT-125から試乗インプレッションをお届けしよう。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
124cc水冷SOHC4バルブ単気筒エンジンは、φ52.0×58.7mmというロングストローク設定となっている。バルブ径は吸気側φ20.5mm、排気側φ17mmで、7,400rpmを境に吸気側のカムをローとハイに切り替えるVVAや、アシスト&スリッパークラッチ、オン/オフ可能なトラクションコントロールなどを採用する。
コンパクトなショートスタイルの3段膨張マフラーを採用。ワイズギアではアクラポヴィッチ製のフルエキゾーストマフラーを17万8750円で用意する。
φ37mm倒立式フロントフォークを採用。ホイール径は前後とも17インチで、標準装着タイヤはIRC・ロードウィナーRX-01。指定空気圧は1名/2名乗車時ともフロント250kPa、リヤ250kPaとなっている。フロントのブレーキディスク径はφ282mmで、キャリパーは前後ともバイブレ製だ。
リンク式モノクロスサスペンションを採用する。ショックユニットは前後とも調整機構はなし。
ワイドなバーハンドルを支持するのはアルミキャスト製のクラウンだ。クラッチはワイヤー式で、左右ともレバーの開き角を調整するアジャスターはなし。メインスイッチはトップブリッジではなく燃料タンク前方にあり、盗難抑止のためのシャッターあり。右ミラーの固定はヤマハ車に共通する逆ネジ式だ。
ネガティブ表示のLCDディスプレイ。タコメーターと燃料計はバーグラフ式で、エンジン回転数が7,400rpm付近を過ぎるとハイカムに切り替わったことを示すVVAアイコンが出現する。燃料計は残量が約1.9ℓを下回ると最後のセグメントが点滅。電源オン時に出現する“Hi Buddy”というメッセージの“Buddy”の部分は任意に変更できる。また、シフトタイミングインジケーターは9,000~13,000rpmの間で250rpm刻みで設定可能だ。
中央にある丸いLEDプロジェクターがヘッドライトで、その上部にある二つはLEDポジションランプだ。前後のウインカーとナンバー灯はフィラメント球。ワイズギアではスポーツスクリーンを1万7600円で用意している。
前後一体式のシートはキーロックを解除することで取り外し可能。メットホルダーはシートレールの左右に設けられている。シートベースには書類入れを留めるためのゴムバンドあり。サービスツール(車載工具)はシートレール右側の隅に収められている。

MT-125 ABS 主要諸元

認定型式/原動機打刻型式 8BJ-RE45J/E34LE
全長/全幅/全高 2,000mm/800mm/1,070mm
シート高 810mm
軸間距離 1,325mm
最低地上高 170mm
車両重量 138kg
燃料消費率 国土交通省届出値 
定地燃費値 58.6km/L(60km/h)2名乗車時
WMTCモード値 49.4km/L(クラス1)1名乗車時
原動機種類 水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列 単気筒
総排気量 124cm3
内径×行程 52.0mm×58.7mm
圧縮比 11.2:1
最高出力 11kW(15ps)/10,000rpm
最大トルク 12N・m(1.2kgf・m)/8,000rpm
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 1.05L
燃料タンク容量 10L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V、5.0Ah(10HR)/YTZ6V
1次減速比/2次減速比 3.041(73/24)/3.714(52/14)
クラッチ形式 湿式、多板
変速装置/変速方式 常時噛合式6速/リターン式
変速比 1速:2.833 2速:1.875 3速:1.363 4速:1.142 5速:0.956 6速:0.840
フレーム形式 ダイヤモンド
キャスター/トレール 25°30′/88mm
タイヤサイズ(前/後) 100/80-17M/C 52P(チューブレス)/140/70-17M/C 66S(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/スイングアーム
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ LED
乗車定員 2名

製造国 インドネシア

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…