【04】スーパーカブ50のタイヤ交換、自分で上手にできるかな?|カブで雪道を走る|

ホンダ・スーパーカブ50(12V/キャブレター)のリアタイヤを取り外しているところ。カブシリーズは、チェーンを外さなくてもリアホイールが取り外せるのがポイント。
真冬にバイクに乗る。これはバイク通勤やバイク通学する人にとっては当たり前。ただしバイクで“積雪の道路”を走る人は、極めて少ないはず。しかし驚くなかれ! スーパーカブ50用の17インチタイヤには、雪道での走行を想定した“スノータイヤ”が存在する。ここではスーパーカブ50のタイヤをスタンダードからスノータイヤに交換。「雪道走行でどのような走りを発揮するのか?」を試してみた。第1回(全4回)はタイヤの交換作業をレポート。作業は通常のタイヤ交換と同じなので、「そろそろタイヤの溝が無くなってきた」「予算を抑えるため自分で交換したい」という人も参考にしてみて欲しい。
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki) / 山田俊輔(YAMADA Shunsuke) / 増田 満(MASUDA Mitsuru)

雪道走行用の“スノータイヤ”とは?

市販の四輪車用タイヤは大きく分けて、夏用タイヤと冬用タイヤの2種類がある。夏用タイヤは雪道や凍結した道以外ならば、一年中使用できる標準的なタイプ。一方、冬用タイヤは雪道や凍結した道に適応したタイプ。

冬用タイヤには「スノータイヤ(スタッドレスタイヤという名称が定番)」、また「スパイクタイヤ(※詳しくは下記ページ参照)」があり、雪道や凍結した道でも、走る・曲がる・止まるという、車両の基本要素をキープしやすい特性を発揮。

夏用タイヤに比べ、スノータイヤ(スタッドレスタイヤ)は路面との設置部分が低温でも硬くなりにくいゴムを採用。また夏用タイヤよりも溝が深く、雪を噛むようにして掻き出し、滑りやすくなった路面でもグリップしやすいのがポイント。ただし夏用タイヤよりも硬化が早く、全般的に寿命が短いという傾向がある。

バイクに“スパイクタイヤ”を履いてもいいの?

ベース車:ホンダ スーパーカブ50/エンジン:12V/吸気系:キャブレター

今回タイヤを交換した車両は、ホンダ・スーパーカブ50。エンジンは12V型で吸気系はキャブレター。カスタム個所のない完全ノーマル車。すでにスノータイヤを履いている状態です。

フロントタイヤ(フロントホイール)を取り外す方法

まずは「ブレーキロッドアジャスティングナット」を反時計回りに回転させて取り外す。
「ブレーキロッドアジャスティングナット」と「アームジョイントホールヘッド」は工具無しで簡単に取り外せる。
「ブレーキロッドアジャスティングナット」と「アームジョイントホールヘッド」が外れたら、ブレーキパネルからロッドを引き抜く。
プラスドライバーを使い、スピードメーターケーブルを取り外す。プラスネジを緩めれば、スピードメーターケーブルを引き抜くことができる。
12mmと17mmのメガネレンチ。またはボックスレンチやラチェットハンドル等を使い……
ホイールハブを固定しているアクスルシャフトを緩める。もしもアクスルナットが固くて回らない場合は、アクスルナット全体にに潤滑油をたっぷりと吹き付け、馴染むまでしばらく放置。
アクスルシャフトを手で引き抜く。抜けにくい場合はプラスチックハンマーを使い、ねじ山側を軽く叩いてシャフトの先端を引き出す。
車体下などにリジッドラックをかけ、フロントフォークが落ちないように注意してタイヤを抜く。そのままフロントタイヤを外してしまうと、フロントフォークが落ちてきて地面と激突する場合あり。フロントフォークが落ちてこないようエンジン下に支えを置き、固定してやると作業しやすい。

リアタイヤ(リアホイール)を取り外す方法

リアブレーキロッドを外す。フロントブレーキと同様、リアブレーキアームを手で操作すると「ブレーキロッドアジャスティングナット」が露出してくる。そのまま「ブレーキロッドアジャスティングナット」を手で回せば、工具なしで取り外し可能。「ブレーキロッドアジャスティングナット」を取り外したら、フロントと同様に、リヤブレーキロッドを引き抜く。
ナットでチェーンの弛みを調整する「チェーン引き」を緩めているところ。ちなみにカブシリーズは、チェーン引きを緩めなくてもそのままでタイヤ交換ができるように設計されている。
「ブレーキロッドアジャスティングナット」と「アームジョイントホールヘッド」を取り外したところ。
リヤブレーキのトルクロッドを取り外すため、割りピンをラジオペンチなどで起こし、真っ直ぐにして引き抜く。
メガネレンチを使い、リヤブレーキのトルクロッド固定用ナットを取り外す。
14mmと19mmのメガネレンチ。またはボックスレンチやラチェットハンドル等を使い……
アクスルシャフトを緩める。もしも固くて回らない場合は、CRC(潤滑油)をたっぷりと吹き付け、馴染むまでしばらく放置。
再度取り付ける時は、左右の向きを間違えないように注意すること。
アクスルシャフトを手で引き抜く。抜けにくい場合はプラスチックハンマーを使い、ねじ山側を軽く叩いてシャフトの先端を引き出す。
カブシリーズは、チェーンを外さなくてもリアホイールが取り外せる構造。今回は作業者がアクスルシャフトを引き抜いた後、補助者(写真右)にリア部分を持ち上げてもらいながら、後方に向かってタイヤを取り外した。
取り外したスーパーカブ50のフロントタイヤ(ホイール)とリアタイヤ(ホイール)。

●第2回に続く 【第2回/全4回/タイヤ交換・タイヤ(ホイール)装着編】

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