アウディのフラッグシップSUV「Q7」が2度目のフェイスリフトを実施

改良新型アウディ「Q7」「SQ7」がデビュー「前後エクステリアを変更して最新ライトシステムを導入」

2度目のフェイスリフトを実施した、「アウディ Q7」改良新型のエクステリア。
アウディの最新エクステリアデザインを纏って登場した、プレミアムSUV「アウディ Q7」改良新型。
アウディは、フラッグシップSUV「Q7」「SQ7」の改良新型を発表した。フロントとリヤのデザインを一新したエクステリアは、SUVのパワフルなキャラクターを明確にアピール。Q7としてはは初めて「HDマトリックスLEDヘッドライト」に、ライトシグネチャーを選択可能な「デジタル・デイタイム・ランニングライト」が導入された。新型Q7のドイツにおける価格は7万9300ユーロから、日本への導入時期や価格は未定となっている。

Audi Q7 / SQ7

2020年以来2度目のフェイスリフト

2度目のフェイスリフトを実施した、「アウディ SQ7」改良新型のエクステリア。
2015年にデビューした2代目「Q7」「SQ7」が、2020年以来となる2度目のフェイスリフトを実施し、よりプレミアム感を増したエクステリアにアップデートした。

アウディ Q7は、2003年にデトロイト・ショーで公開された「パイクスピーク クワトロ コンセプト」をベースに、2005年のフランクフルトモーターショー(IAA)で初代モデルがワールドプレミア。2代目モデルは2015年に導入され、2020年に最初のフェイスリフトを実施した。今回、4年ぶり2回目のフェイスリフトを行い、エクステリアを最新アウディデザインへとアップデートしている。

エクステリアは、オクタゴン(八角形)デザインのアウディシングルフレームグリルに、縦型インレイを導入。新たに薄型ヘッドライトをグリルの輪郭に沿った高い位置に配置したことで、より印象的な表情へと進化した。また、カラーフレーム・エアインテークが力強さを演出している。

今回のフェイスリフトではよりクリアでピュアなエクステリアを目指し、トリム要素を削減。ベースモデルと「S line」がひと目で見分けられるよう、ベースモデルのフロントバンパー、ドアトリム、ディフューザーの一部には、オフロードルックの力強さを強調するコントラストカラーが採用された。

「HDマトリックスLED」テクノロジーを採用した新デザインのヘッドライトは、アウディレーザーライトを搭載。上端に配置されたデジタルデイタイムランニングライトとともに、力強い表情に仕上げられている。Q7では初めて採用された「デジタルOLEDリヤライト」と組み合わせることで、よりプレミアム感の高いエクステリアが完成した。

4種類のデイタイムランニングライト

2度目のフェイスリフトを実施した、「アウディ Q7」改良新型のエクステリア。
最上位グレードに搭載される「デジタルデイタイムランニングライト」は、4種類の表情からドライバーの好みに合わせてデイタイムランニングライトを選ぶことができる。

Q7は高輝度LEDヘッドライトが標準装備され、「HDマトリックスLEDヘッドライト」がオプションで用意。さらに、アウディレーザーライトを備えた「HDマトリクスLEDヘッドライト」も選ぶことができる。

HDマトリクスLEDヘッドライトは、24基のLEDとハイパワーレーザーダイオードで作動し、レーザーテクノロジーを象徴するブルーのアンビエントライトがヘッドライトに組み込まれた。レーザー光は70km/h以上の車速で機能し、ハイビームの照射範囲を大幅に拡大する。

最上位グレードには、新たに「デジタルデイタイムランニングライト」を採用。MMIを介して、4種類のライトシグネチャーからひとつを選択できるようになった。ヘッドライト機能を拡張しただけでなく、そのデザイン自体も刷新。デイタイム・ランニング・ライトの位置が高くなったことで、ワイドなエクステリアと、豊かな表情を手にしている。

また、Q7としては初めて、デジタル化された「OLED(有機発光ダイオード)リヤライト」もオプションで導入。こちらにも4種類のデジタルライト・シグネチャーを備えている。

パーソナライズの範囲が拡大され、新たに3種類の仕上げを導入。スポーティなエクステリアを演出するメタリック仕上げには「サヒール・ゴールド」「アスカリ・ブルー」「チリ・レッド」が追加された。ホイールは20インチから22インチまで、5種類のデザインをラインナップする。

SQ7は最高出力507PSを発揮する4.0リッターV8を搭載

2度目のフェイスリフトを実施した、「アウディ SQ7」改良新型のパワーユニット。
Q7のパワーユニットは、2種類のディーゼルと1種類のガソリンをラインナップ。すべてのエンジンに48Vマイルドハイブリッド・システムが組み合わせられる。SQ7(写真)は、最高出力507PSを発揮する4.0リッターV型8気筒ガソリンツインターボを搭載。

パワーユニットは、48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたディーゼルとガソリンをラインナップ。「45 TDI quattro」は、最高出力170kW(231PS)、最大トルク500Nmを発揮する3.0リッターV型6気筒ディーゼルターボを搭載し、0-100km/h加速7.1秒、最高速度226km/hという走行性能が確保された。

よりパワフルな「50 TDI quattro」は、最高出力210kW(286PS)、最大トルク600Nmのトルクの3.0リッターV型6気筒ディーゼルターボを搭載し、0-100km/h加速は6.1秒、最高速度が241km/h。「55 TFSI」は、最高出力250kW(340PS)、最大トルク500Nmの3.0リッターV型6気筒直噴ガソリンターボを搭載し、0-100km/h加速は5.6秒、最高速度は電子リミッターにより250km/hに制限される。

ハイパフォーマンス仕様の「SQ7 TFSI」には、最高出力373kW(507PS)、最大トルク770Nmの4.0リッターV型8気筒ガソリン・ツインターボを搭載。0-100km/h加速はわずか4.1秒、こちらも最高速度は電子リミッターにより250km/hに制限される。

すべてのエンジンに、8速AT(ティプトロニック・トランスミッション)、「quattro」4輪駆動システム、48Vマイルドハイブリッドシステム、リチウムイオンバッテリーを採用。100kmあたり最大0.5Lの燃費改善を実現した。また、55~160km/hの速度域でドライバーがアクセルから足を離すと、最大40秒間のコースト(惰性)走行が可能となっている。すべてのQ7/SQ7は最大3.5tの牽引能力が与えられており、一般的なキャンピングカーやホーストレーラーなどを牽引することができる。

様々な警告をHDディスプレイに鮮明表示

2度目のフェイスリフトを実施した、「アウディ Q7」改良新型のインテリア。
コクピットはドライバーアシスタンスシステムがアップデート。フルHD画質で様々な警告類がディスプレイに表示されるようになった。

今回のフェイスリフトに合わせて、ドライバーアシスタンスシステムをアップデート。「アウディバーチャルコクピット」は、車線変更警告、他の道路利用者(トラック/自動車/バイク)警告、車間距離警告、交差点アシスト、信号機情報などがフルHD画質で表示される。また、今回のアップデートに合わせて、室内でSpotifyやAmazon musicなどが直接利用できるようになった。

5人乗り仕様と7人乗り仕様をラインナップし、どの座席もゆったりとしたヘッドルーム、レッグルームを確保。フラッグシップSUVらしい広々とした室内空間が提供される。5人乗り仕様のラゲッジルームは通常で867L、2列目シートを畳むことで最大1993Lまで容量が拡大する。標準で電動式オートテールゲートが搭載され、オプションでフットジェスチャーによる開閉も可能だ。

ヨーロッパにおける、Q7/SQ7の発売時期は、2024年第1四半期を予定。「45 TDI quattro」の価格は7万9300ユーロ、「50 TDI quattro」は8万2300ユーロ、「55 TFSI quattro」は8万2500ユーロ。ハイパフォーマンス仕様の「SQ7 TFSI」は11万2000ユーロからとなっている。

電動化を加速させるアウディ。2026年以降発売するクルマをすべてEVとし、2033年には内燃機関の生産を停止すると宣言している。

非公開: アウディの最新フル電動SUV「Q8 e-tron」に試乗して2026年に完全電動化を目指すアウディのスタンダードを理解する

アウディのEV専用モデルとして先陣を切った、その名もアウディe-tron(イートロン)がマイナーチェンジ。新たに「Q8」のシリーズ名を冠して登場した。「名は体を表す」とはよく言うものの、今回の名称変更には果たしてどのような意図があるのだろうか?(GENROQ 2024年1月号より転載・再構成)

キーワードで検索する

著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…