サーキット専用オープントップ「ウアイラ R エボ」がデビュー

最高出力912PSのサーキット専用オープントップハイパーカー「パガーニ ウアイラ R エボ」デビュー【動画】

サーキット専用オープントップ「パガーニ ウアイラ R エボ」のエクステリア。
1960年代から1970年代にかけて耐久レースで活躍したプロトタイプレーシングカーをイメージした、サーキット専用オープントップ「パガーニ ウアイラ R エボ」。
パガーニ・アウトモビリは、サーキット専用オープントップ「ウアイラ R エボ」を発表した。インディカーやル・マン24時間レースからインスピレーションを得たウアイラ R エボは、最高出力912PSを発揮する6.0リッターV型12気筒ツインターボエンジンを搭載する。

Pagani Huayra R Evo

サーキット専用のオープントップハイパーカー

サーキット専用オープントップ「パガーニ ウアイラ R エボ」のエクステリア。
パガーニは、トラックカー専用プログラム「アルテ・イン・ピスタ」に参加するオーナーからの要望を受けて、ウアイラ Rのオープントップ仕様「ウアイラ R エボ」を完成させた。

パガーニ・アウトモビリは、トラックカー専用プログラム「アルテ・イン・ピスタ(Arte in Pista)」に参加するオーナーのドライビング体験をさらに向上させるべく、新型オープントップ「ウアイラ R エボ」を公開した。

今回、パガーニの開発チームは、サーキット専用ハイパーカーを所有するオーナーのみが参加できる特別なプログラムに焦点を当て、ウアイラ R エボに新たなエクステリアとテクノロジーを導入。ウアイラ Rから大幅にアップデートを果たした、スリリングな1台が完成している。

パガーニ・アウトモビリの創業者兼チーフデザイナーのオラチオ・パガーニは、ウアイラ R エボについて次のようにコメントした。

「ウアイラ Rと『アルテ・イン・ピスタ』プログラムは、パガーニのお客様のドライブ体験を想像以上に拡大しました。そして、ゾンダ R、ゾンダ レボリューションのお客様にも新たな機会を与えることになったのです。このプログラムには、世界中からアドレナリンを求める人々が集まり、共通の情熱を分かち合っています」

「アルテ・イン・ピスタに集められた多くの要望が、ウアイラ Rのアップデートを思いつくひとつのきっかけとなりました。パフォーマンスとエモーションの限界をさらに押し広げた、ウアイラ R エボを皆さんと共有できることを嬉しく思います。まずはルーフを取り外し、そこから始めましょう!」

オープンプロトタイプをオマージュ

パガーニ ウアイラ Rと、ルーフパネルを外したオープントップ仕様を導入した「ウアイラ R エボ」。
パガーニ ウアイラ R(写真奥)とウアイラ R エボ(写真手前)。ウアイラ R エボのデザインは1960~70年代にかけて耐久レースにおいて活躍してきたオープントップ・プロトタイプレーシングカーをオマージュしている。

オラチオ・パガーニと開発チームは、サーキットにおけるドライビング・エクスペリエンスさらに向上させるべく、ウアイラ Rのオープントップ仕様の開発を決定。多くの勇敢なドライバーがオープントッププロトタイプレーシングカーのステイアリングを握り、風雨に耐えていた時代からインスピレーションを得て、ウアイラ R エボのスタイリングを完成させた。

自由への渇望を満たすために設計されながらも、安全性には細心の注意が払われた。また、妥協のないパフォーマンスは、成熟したドライバーをさらに奮い立たせることを目的としている。最高出力、ブレーキ性能、エアロダイナミクス、ダウンフォースレベルを大幅に向上。ウアイラ R エボのパフォーマンスは、現行のル・マン・プロトタイプにも匹敵するという。

オラチオ・パガーニは、ウアイラ R エボ開発スタートのきっかけを次のように明かした。

「エアロスクリーンを装着したシングルシーターレーシングカーを観察していると、ウアイラ Rのルーフパネルを取り外し、エアフローを浴びながら魅惑的なエンジンサウンドにどっぷりと浸かることができるトラックカーという、アイデアが浮かんだのです」

「私たちはまた、1960年代から1970年代にかけてサーキットを彩ってきたプロトタイプレーシングカーのエレガンスからもインスピレーションを得ました。この魅力的なプロジェクトには、チーム全体が約2年間の開発期間を費やし、大規模なテストが行われています」

「コーダルンガ」コンセプトを導入

サーキット専用オープントップ「パガーニ ウアイラ R エボ」のエクステリア。
ウアイラ R エボは、イタリア語でロングテールを意味する「コーダルンガ」コンセプトを導入。専用の大型リヤウイングも装着された。

ウアイラ R エボのフロントセクションは、ブレーキディスク、キャリパー、ウォーターラジエーターに必要なフレッシュエアをエアダクトシステム供給するため、コンパクトで効率的な新開発のエアダクトシステムを導入。このエアダクトシステムは、前方に101mm延長された専用スプリッターにってサポートされている。

ボンネットに設けられた2基のフリックは、コーナー進入時に最大限のコントロール性能を得るため、フロントアクスルに必要なダウンフォースを供給する。

ボンネットからしなやかなベルトラインへと流れるサイドシルは、サーキットにに必要なエアフローを生み出す効果を持つ。ここは複雑な形状とサーフェイスが組み合わされており、フロントホイールアーチに蓄積されたエアと熱の放出を可能にし、同時にリヤのエンジンコンパートメントへと効率的にフレッシュエアを送り込む。

リヤセクションは、イタリア語で「ロングテール」を意味する「コーダルンガ(codalunga)」コンセプトを導入。リヤオーバハングは190mm延長され、伸びやかで優美なリヤフードには、センタースタビライジング・フィンとメタル製サイドフラップを備えた大型リヤウイングが装着される。

ボディ全体に、ウトピアのために開発された最先端のクラスAカーボンファイバーを採用。このカーボンファイバーは見た目の美しさだけでなく、構造性能も強化されており、同じ重量で剛性レベルは38%も向上した。

最高出力912PSを発揮する4.0リッターV12ツインターボ

サーキット専用オープントップ「パガーニ ウアイラ R エボ」に搭載される6.0リッターV型12気筒エンジン。
リヤミッドに搭載されるのは、HWA AGとパガーニが共同開発した、6.0リッターV型12気筒「V12-R Evo」ツインターボ。最高出力は912PSを発揮する。

パワーユニットはメルセデスAMGのレーシングカー開発を行う「HWA AG」とパガーニが共同開発した、6.0リッターV型12気筒「V12-R Evo」ツインターボを搭載。モータースポーツ由来の最新のテクノロジーを導入した最新仕様のエンジンは、最高出力912PS(662kW)、最大トルク770Nmを発揮する。

今回、HWA AGとパガーニのエンジニアは、新型のインテークマニホールド導入。インテークマニホールドは、新形状のトランペットデザインとカムシャフトにより最適化され、吸気効率を大幅に向上させている。エキゾーストシステムも再設計されており、パフォーマンスアップに加えて、特徴的なサウンド体験も強化された。

HWA AGとのパガーニが共同開発した6速シーケンシャルギヤボックスは、サーキット走行に特化した仕様となり、95%の摩擦効率を保証。重量はわずか80kgで、最高レベルのシフト精度と極めて短い変速時間を実現した。トランスミッションシステムは、専用の取り付けポイントを介してサスペンションユニット全体と一体化構造となっており、シャシー全体の剛性アップに貢献している。

エレガントなタッチを採用したコクピット

サーキット専用オープントップ「パガーニ ウアイラ R エボ」のエクステリア。
ウアイラ R エボは、スパルタンなサーキット専用モデルでありながら、コクピットにパガーニらしいエレガントなタッチが加えられている。

ウアイラ R エボは左ハンドル/右ハンドルの両方に対応。改良が加えられたコクピットは、クリアな前方視界が確保され、室内はトラックカーとしては珍しいエレガントなタッチを導入。シートに座り視線を上げると、しなやかなラインがルーフ構造とシームレスに一体化した、美しいインテリアを楽しむことができる。

6点式ハーネスが標準装備され、バケットシートは耐火素材でカバー。特殊な「エナコア EC50」フォームパッドは、ドライバーとパッセンジャーの体型に完璧にフィットし、最適なドライビングポジションが確保される。

パガーニ ウアイラ R エボを動画をチェック!

撮影車はピンクゴールドとカーボンのカラーマッチングが美しいホイールを履きこなしていた。タイヤはピレリ・トロフェオRSを装着する。

最新の「パガーニ ウトピア」東京試乗で痛感した「これぞ稀代のイタリアンスーパースポーツ」

世界99台限定の知る人ぞ知るハイパーカー、パガーニ・ウトピアが上陸を果たした。メルセデスAMG謹製のV12を搭載する稀代のイタリアンスーパースポーツは東京の町並みでも異彩を放っていた。オラチオ・パガーニの傑作にして最新作、ウトピアの詳細を見ていこう。(GENROQ 2024年3月号より転載・再構成)

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…