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LANCIA YPSILON EDIZIONE LIMITATA CASSINA
最大航続距離403kmを確保
新型イプシロンがワールドプレミアしたことを受けて、ランチアの新時代が幕を開けた。フル電動パワートレインを搭載したBEVに生まれ変わったイプシロンは、まず、イタリアの高級家具ブランド「カッシーナ」とコラボレーションした、1906台の限定仕様「イプシロン エディツィオーネ リミタータ カッシーナ」が投入される。
イプシロンはステランティス・グループが開発した最新のフル電動パワートレインを搭載し、最高出力115kW(158PS)、最大トルク260Nmを発揮。Bセグメント・プレミアムハッチバック最高の航続距離となる403km(WLTP複合サイクル)が確保された。最新の急速充電システムにより、わずか24分で20%から80%まで充電。約10分の充電により、最大100kmの走行が可能となっている。
ランチア・ブランド復活第1弾モデル
新型イプシロンの導入に合わせて、イタリアにおけるランチアのディーラー数は230から160に減らされ、そのうち100ヵ所はすでに全面改装を終了。残りの店舗はイプシロンの発売に向けて、2024年前半にも改装を終える予定だ。
また、ランチア・ブランドは待望の欧州市場への復帰も果たす。2024年前半から、ランチアは欧州の主要都市に70以上のディーラーを新たにオープン。2024年半ばにベルギーとオランダ、次いでフランスとスペイン、2025年にはドイツでの販売をスタートする。現時点で日本を含むアジア市場への投入は明らかにされていない。
カッシーナのルカ・フッソCEOと共に、新型イプシロンのワールドプレミアイベントに登場した、ランチア・ブランドのルカ・ナポリターノCEOはランチア・ブランドの復活を高らかに宣言した。
「新生イプシロンは、ランチア・ブランドの新時代を象徴する最初のモデルとして、ここイタリアから再出発します。そのデザインはブランドの輝かしい歴史をインスパイアし、現代的なプロセスで再解釈を加えました。カテゴリーをリードするテクノロジーとコネクティビティを備えながら、シンプルで直感的なランチア・スタイルでデザインされています」
「そして、イプシロンの究極系として、カッシーナとのコラボレーション『イプシロン エディツィオーネ リミタータ カッシーナ』が完成しました。カッシーナはトリノのチェントロスティーレ(ランチアのデザイン部門)とともに、居心地の良いイタリアの家庭をイメージした、リビングルームをデザインしています」
カッシーナとのコラボ仕様は限定1906台
「イプシロン エディツィオーネ リミタータ カッシーナ」は、イタリア家具の世界にインスパイアされた初のランチアとして開発された。ランチアの創業年にちなみ1906台が限定販売され、すべての車両に「1/1906」のシリアルナンバーが入れられる。
マテリアルやカラーの選択まで、スタイルの細部に至るまでカッシーナのこだわりが注がれており、デザイン、快適性、オンボードウェルビーイングの究極形が完成。ランチアの伝統を象徴するブルーを内外装に積極的に採用し、イタリアンデザインの邸宅を思わせる正真正銘の「ランチア・リビングルーム」が実現している。
「カネローニ(パスタの一種)」のテクスチャーが施された専用シートは、100%リサイクル糸を使用したソフトな触り心地を持つブルーのベルベットをチョイス。ダッシュボード、ドアパネル、ダッシュボードのインサートもブルーで統一され、エレガントにコーディネートされた室内空間を作り出している。
自動車用インテリアに初採用された、カッシーナの多機能デバイス「タボリーノ(tavolino)」は、スマートフォンの充電も可能。スマートバーチャルインターフェイス「S.A.L.A.インフォテインメントシステム」、2基の10.25インチ大型ディスプレイ、パーキングエイドシステム、エクステリアライティングシステムなどが標準で装備される。
また、イプシロンにはBセグメントハッチバックとして唯一となる、レベル2の自動運転システムが導入された。
ランチアの歴代モデルをオマージュ
新型イプシロンは、ランチアの唯一無二のデザイン言語である「Pu+Ra」デザイン(「ピュア(pure)」と「ラディカル(radical)」を組み合わせた造語)を採用した初の市販モデルとして開発。伝統と革新を融合し、連続するレイヤーを重ね合わせることで複雑なラインを作り出した。
ボディワークは「アウレリア」や「フラミニア」が持つエレガントで官能的なフォルムと、「ストラトス」や「デルタ」に代表されるモータースポーツの歴史、さらに家具やファッションなど様々な要素が組み合わされている。
ランチアの歴代モデルが受け継いできたフロントグリルを現代風にアレンジし、グリルの造形を3つのライトバーで表現。ブラックアウトされたフロントセクションは「ベータ モンテカルロ」をイメージし、2基のヘッドライトはシンボリックなLEDによって「Y」の文字が表現された。特徴的な丸型LEDテールライトは、伝説のラリーカー「ストラトス」からインスパイアされている。
また、手描き風の「Ypsilon」のレタリングに加えて、将来の全モデルに採用されることが決まっている新たな「LANCIA」レタリングが初導入された。