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AGTZ Twin Tail
新時代に求められる過去への回帰
ヤクブ・ピエトラザックにより、ポーランドのカトヴィツェに設立されたスーパースポーツ専門ディラー「ラ・スクアドラ」。ラ・スクアドラとザガートは共同で、1960年代のプロトタイプレーシングカーをオマージュし、伝統とテクノロジーを融合したグランツーリスモ「AGTZ ツインテール」を発表した。
AGTZ ツインテールのモチーフになったのは、1960年代後半のル・マン24時間レースに参戦した「アルピーヌ A220」。当初、ロングテールボディを採用していたA220だったが、ル・マン24時間での敗北を受けて、アルピーヌはボディのリヤセクションを300mmも短縮。A220はスプリントレースやラリーに活躍の場を移し、様々なイベントで好成績を残している。
「AGTZ ツインテール」は、現行のアルピーヌ A110をベースに、A220のコンセプトを現代に甦らせた。カロッツェリア・ザガートを率いるアンドレア・ザガートは、AGTZ ツインテールのプロジェクトを立ち上げた理由を次のように説明した。
「急激な電動化など、自動車の世界に新たな時代が訪れると、人々は過去の壮大な時代を思い起こしたくなるものです。歴史上のアイコニックな名車のストーリーは、これからも語り継がなければなりません。新しい世代に自分たちの物語を創り出す意欲を与えるには、これは極めて重要な課題です。過去を知らずして、未来を創造することはできないのです」
ボディのリヤセクションが取り外し可能に
今回、モータースポーツでの成功をあきらめなかったアルピーヌ A220をリスペクトし、ザガードはコーチビルド手法を用いいて、現代に甦らせた。シャシーやメカニズムは、高い信頼性を持つ現行のアルピーヌ A110をベースとし、A220をイメージしたドラマチックなエクステリアを作り上げた。さらに、AGTZ ツインテールは、ロングテールとショートテールボディを持つ、A220のストーリーも継承している。
AGTZ ツインテールはリヤのボディワークが取り外し可能となっており、スポーティな俊敏性を持つショートテールと、エレガントなロングテールの両方を楽しむことができる。価格は65万ユーロから、ザガートによって19台が限定製造され、発表時点ですでに全車ソールドアウトした。また、実際の販売やアフターセールスは、ラ・スクアドラが担当する。
2024年2月23~24日にスイスのサンモリッツで開催される「I.C.E.サンモリッツ」には、オリジナルのアルピーヌ A220 ロングテールとショートテールを展示予定。AGTZ ツインテールは、2024年10月からのデリバリーに先立って、2024年5月にコモ湖畔で一般公開も計画されている。