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Renault 5 E-Tech electric
わずか3年の開発期間を経て市販化
ルノーのブランド再生を目指した「ルノーリューション(Renaulution)」戦略。ルノーリューションは戦略的なブランド再構築と、ラインアップの積極的な電動化を目標に掲げているが、その象徴たるフル電動コンパクトとして開発されたのが「ルノー 5 E-Tech エレクトリック」だ。
5 E-Tech エレクトリックは、これまでにない革新的な開発プログラムが導入されており、ほぼコンセプトカーの魅力を備えたままデビューを飾った。自動車の開発期間は通常4年を要するが、今回はわずか3年で開発を完了している。最新電動パワートレインと豊富なデジタル機能を導入し、かつてサンクが製造されていたフランスのドゥエ工場で生産が行われる。価格は約2万5000ユーロから、2024年9月から欧州でのデリバリーを開始する予定だ。
ルノー・グループのルカ・デメオCEOは、5 E-Tech エレクトリックの発表イベントにおいて次のようにコメントした。
「魔法のような製品が誕生しました。そこに議論の余地はありません。偉大な思い出を残したクルマを復活させる時、自動車メーカーはそこに大きな愛情を注ぎます。誰もがこのクルマを見れば、ひと目で『サンク』と認識するでしょう。お客様はサンクに注がれてきた愛情を知ることになるのです」
「AmpRスモール」プラットフォームを初採用
2021年1月に公開されたコンセプトモデルの魅力をすべて実用化するため、ルノーのデザイン部門、エンジニアリング部門、プロダクト部門は「スケッチからストリートへ」という目標を掲げ、5 E-Tech エレクトリックを開発した。
通常、自動車のデザインはベースのプラットフォームに合わせて行われる。しかし、5 E-Tech エレクトリックの場合は、逆にデザインのためのプラットフォームを開発した。5 E-Tech エレクトリックは、BセグメントEV用プラットフォーム「AmpRスモール」を導入した最初の市販モデルとなる。
コンパクトな「AmpRスモール」プラットフォームの採用は、初めてEVを選ぶカスタマーのために多くのスケールメリットをもたすことになった。ホイールベース長2540mmによる十分な広さの室内空間と、326Lのトランク容量を確保。抜群の走行安定性をもたらす低重心、大容量バッテリーを搭載しながらも1500kg以下という軽量化を実現したと謳う。
新開発の小型モーターは3種類のスペックを用意
5 E-Tech エレクトリックは、先に投入された「メガーヌ E-Tech エレクトリック」や「セニック E-Tech エレクトリック」よりも小型化された永久磁石電気モーターを搭載する。この新開発モーターはレアアースを使用せず、環境への影響を大幅に低減。最高システム出力は110kW(150PS)、90kW(122PS)、70kW(95PS)の3種類をラインナップする。
最大で52kWh容量のバッテリーを搭載し、最大航続距離は400km(WLTP)を実現。フル電動シティカーながら牽引装置が装着可能で、最大500kgのトレーラーを牽引することができる。
公式アバター「Reno」を導入したインテリア
ドライバーを優しく迎える、居心地の良いインテリアの中心に据えられたのが、様々なインターフェイスを備えた10.1インチマルチメディアタッチスクリーン。ウェルカムシークエンスのグラフィックとサウンドデザインは、Ircam音楽音響研究所と人気アーティストのジャン=ミシェル・ジャールが共同開発した。彼はまた、車内のサウンドスケープと、30km/h以下で歩行者に警告を発する車外アラームも作曲した。
Googleが開発した最新世代のオープンRリンク(OpenR Link)システムを搭載。50種類以上のアプリや、様々なサービスが提供される。今回、ドライブのお供となるインテリジェントなルノー公式アバター「Reno」を導入。より楽しく直感的な電動ドライブ体験を提供するため、ルノーが独自開発したアバターは、音声コマンド「Hey Reno」を室内で発することで、ユーザーからの問い合わせやコマンドに反応する。
内外装にはリサイクル素材を積極採用。「テクノ(Techno)」と「アイコニック サンク(Iconic Cinq)」トリムでは、シート生地に完全リサイクル素材が導入される。また、ステアリングホイールと室内断熱材にもバイオ素材が採用された。