新型「フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント」が欧州で販売開始

新型「フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント」が販売開始「ワゴンに一本化」「PHEV仕様の最大航続距離900km」【動画】

ラインナップからセダンが外れ、ステーションワゴンの「ヴァリアント」に一本化した新型「フォルクスワーゲン パサート」が、欧州での販売をスタートした。
ラインナップからセダンが外れ、ステーションワゴンの「ヴァリアント」に一本化した新型「フォルクスワーゲン パサート」が、欧州での販売をスタートした。
フォルクスワーゲンは、新型「パサート ヴァリアント」の販売を欧州においてスタートした。9代目パサートはボディタイプをヴァリアントに一本化。プラグインハイブリッドモデルはEVモードで100kmの走行が可能となっており、そこ航続距離は900kmを実現。ラゲッジルーム容量は通常で690L、最大1920Lの総積載量が確保されている。

Volkswagen Passat Variant

50mmも延長されたホイールベース

新型「フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント」のエクステリア。
伸びやかなフォルムが特徴となる新型パサート ヴァリアント。ホイールベースは先代モデルから50mm拡大され、リヤシートの居住性やラゲッジスペースの容量が拡大することになった。

フォルクスワーゲン パサートは1973年の初代デビュー以来、世界的なベストセラーモデルとして、現在までに3400万台以上を販売。デビューから50年を経た現在でも、ゴルフ、ティグアン、ポロと並んで、フォルクスワーゲンのベストセラーモデルのひとつに数えられている。

ヨーロッパではステーションワゴンのヴァリアントが安定した人気を集めており、ドイツにおいては、2023年に4万5494台を販売し、ミッドサイズクラスワゴンのランキングトップに立った。これを受けて、フォルクスワーゲンはパサートのラインナップからセダンを外し、ワゴンボディの「ヴァリアント」に一本化。

新型パサート ヴァリアントは昨年9月にワールドプレミアされ、2024年からヨーロッパにおける販売が開始された。価格は3万9995ユーロから。現時点で日本市場への導入は未定となっている。フォルクスワーゲンの開発担当役員を務めるカイ・グリューニッツは、新型パサートについて次のようにコメントした。

「新型パサート ヴァリアントは、高い効率性を誇る駆動システム、先進のアシストシステムによるドライバーへのサポート、バランスの取れたハンドリング、心地よいフィーリングを持った操作性、高いレベルの快適性を備えています。そして、最も大きな美点が、その広大なスペースです。新型パサートはミッドサイズセグメントだけでなく、さらに上のセグメントを求めるお客様にも印象的な選択肢となるはずです」

シャープさを増したクールなエクステリア

新型「フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント」の走行シーン。
先代モデルの雰囲気を残しながらも、最新フォルクスワーゲン・デザインが採り入れられた新型パサートのエクステリア。装備ラインに合わせて、前後エクステリアのデザインに個性が加えられている。

パサートらしいDNAを維持しながらも、シャープさを増したエクステリアデザインは、様々な最新テクノロジーを視覚的にパッケージング。今回、エクステリアを演出する4つの装備ライン、エントリーレベルの「パサート」、カンパニーカー(社用車)向けの「ビジネスライン」、ラグジュアリーな「エレガンス」、そしてスポーティな「Rライン」が用意された。

ひと目でパサートと分かるシンプルなデザインはそのままに、全長4917mm、全幅1849mm、全高1497mmというディメンションによる、ワゴンらしい伸びやかなフォルムを実現。先代モデルからホイールベースが50mm延長されたことで、後部座席の居住性やラゲッジスペースが拡大を果たした。

フロントセクションは、新開発LEDヘッドライトに、大型エアインテークを持つスポーティなバンパーを配置。「ビジネスライン」と「エレガンスで」はワイドでエレガントなクロムトリム、「Rライン」では横方向に空力パーツを備えたスポーティなダイヤモンドグリルがチョイスされる。

サイドセクションには、ドアハンドルの高さにシャープなアンダーカットが入り、ステーションワゴンらしい伸びやかなウィンドウグラフィックを実現。力強いホイールハウジングにより、スタイリッシュなフォルムを手にした。リヤセクションは「Rライン」にレッドが印象的なダイヤモンドパターンのハイグロスブラックトリムを装着。「エレガンス」は美しいクロムルックの水平ストリップが配置される。

EVモードでの航続距離は100kmを確保

ドイツやヨーロッパ諸国において、日々の移動のほとんどが100km以内という調査があり、パサート ヴァリアント eハイブリッドは、ほとんどの使用環境をEVモードでカバーできてしまう。
新型パサートのプラグインハイブリッド・パワートレイン。ドイツやヨーロッパ諸国において、日々の移動のほとんどが100km以内という調査があり、パサート ヴァリアント eハイブリッドは、ほとんどの使用環境をEVモードでカバーできてしまう。

プラグインハイブリッド・システム(eハイブリッド)を搭載する「パサート ヴァリアント eハイブリッド」は、1.5リッター直列4気筒「TSI evo2」ガソリンターボエンジンに電気モーターを組み合わせ、EVモードで100kmの航続距離を確保。モーターと内燃機関を組み合わせることで、その最大航続距離は900kmを実現している。

パサート ヴァリアント eハイブリッドは、坂道や急加速などパワーが必要な時や、長距離移動時にのみガソリンエンジンが作動。ドイツ運輸省の調査によると、ドイツ国内において乗用車による移動の95%が50km未満、99%が100km未満とされており、パサートのEVモード(航続距離100km)で、ほぼすべての場面がカバーできてしまうという。

パサート ヴァリアント eハイブリッドには、2種類の出力仕様(204PS/272PS)をラインナップ。どちらのモデルも、常に電動のEVモードで発進し、速度が140km/hを超えるとハイブリッドモードへと自動的に切り替わる。ドライバーは「エコ」「コンフォート」「スポーツ」「インディビジュアル」という4つのドライブモードから選択することが可能だ。

48Vマイルドハイブリッドシステム「eTSI」搭載モデルは、最高出力150PS(110kW)を発揮。このモデルは、エンジンを停止した状態でのコースティング走行が可能になった。2.0リッター直列4気筒ガソリンターボは最高出力204PS(150kW)と265PS(195kW)の2種類。2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボは最高出力122PS(90kW)、150PS(110 kW)、193PS(142kW)の3種類から選ぶことができる。

ギヤボックスは全車にDSGを採用。ガソリンとディーゼルのトップグレードは全輪駆動システム「4MOTION」が搭載され、その他のモデルはすべて前輪駆動となる。

12.9インチタッチスクリーンを標準装備

新型「フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント」のインテリア。
エントリーモデルには、12.9インチ・タッチスクリーンを標準装備。写真は、オプションとして用意されている15インチ・ディスプレイを備えた「ディスカバー・プロ・マックス・ナビゲーション・システム」。

直感的な操作を行うことができるコックピットは、フォルクスワーゲンらしい明快なデザインを採用。水平基調のレイアウトに、ステッチやイルミネーションアクセントなどの繊細なディテールを加えることで、ミッドサイズセグメントながらも、ひとつ上のクラスの質感を備えている。

車内のコネクティビティはフォルクスワーゲンの最新システム「MIB4」(モジュラー・インフォテイメント・マトリックス4)を搭載。システムの処理能力が大幅に向上しており、様々な操作をストレスとなく行うことができる。

エントリーグレードには12.9インチタッチスクリーンを備えた「デジタルコックピット・プロ」を標準装備。15インチディスプレイを備えた「ディスカバー・プロ・マックス・ナビゲーション・システム」もオプションで装着することが可能となっている。

ゴルフ改良新型に続き、AI(人工知能)を備えた「ChatGPT」が統合された「IDA」ボイスアシスタントを導入。システムはオンラインを介して日々アップデートされ、パッセンジャーは自然な言葉を使って、クルマと対話し、走行中に様々な内容を音声で読ませることができる。

新型フォルクスワーゲン パサートを動画でチェック!

8代目へと進化を果たした「フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント」のエクステリア。

9代目「フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント」は新開発PHEVを含むパワートレイン8種類も【動画】

フォルクスワーゲンは新型「パサート ヴァリアント」を発表した。9世代目へと進化を果たしたミドルサイズワゴンは、2023年9月5〜10日、ドイツ・ミュンヘンで開催される「IAAモビリティ 2023(IAA MOBILITY 2023)」においてワールドプレミアされる。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…