目次
Easter Jeep Safari
2万人のジープ・ファンがユタ州に集結
ジープ・ブランドとジープ・パフォーマンス・パーツ(JPP)は、2024年のイースター・ジープ・サファリにおいて4台のコンセプトカーを公開した。これらの個性的なコンセプトカーは、実績のあるパワートレインを搭載し、すべてが走行可能なモデルとして製作されている。
「ジープ ラングラー ローダウン コンセプト」は、2009年に発表されたローワー 40 コンセプトをオマージュし、 6.4リッターV型8気筒392エンジンを搭載。「ジープ ウィリス ディスパッチャー コンセプト」は、先進の「4xe」プラグインハイブリッド・パワートレインと、戦後初期の民間用ジープSUVを称えたスローバックなデザインを融合させた。
今回はジープ・パフォーマンス・パーツ(JPP)からの2台のコンセプトが持ち込まれた。ジープ グラディエーター ルビコンをベースとする「ハイトップ コンセプト」と、ジープ グランドワゴニアがベースの「ヴァケイショニア コンセプト」も発表されている。
ステランティス・グループの上級副社長兼北米ジープ・ブランド責任者を務めるビル・ペッファーは、今回のコンセプトカーについて次のようにコメントした。
「ユタ州モアブで開催されるイースター・ジープ・サファリは、毎年2万人以上のジープ・ファンが集まる特別なイベントです。ジープの新しいコンセプトカーを披露する場として、これ以上に完璧なイベントはないでしょう。今回の4台に搭載されている、電動パワートレインの『4xe』や『ルビコン392』など、ジープ・ブランドの幅広いパワートレインは、多くの人々にその魅力をアピールしてきました」
伝説の「ローワー 40」をオマージュ
15年前、ジープのデザインチームは第43回イースター・ジープ・サファリにおいて、過激に改造された「ジープ ラングラー ローワー 40」を発表。ローダウン化された2ドア ラングラーは、40インチの巨大なマッドテレインタイヤを装着し、5.7リッターV型8気筒エンジンによる驚異的なパワーが与えられていた。ローワー 40は10年半経った今でも多くのファンを魅了し、ジープ製コンセプトカーの中でも屈指の人気を誇っている。
「ジープ ラングラー ローダウン コンセプト」は、このローワー 40のオマージュとして開発。カーボンファイバー製フェンダーフレアの下には、20インチビードロックホイールに取り付けられたBFグッドリッチ製42インチ「Krawler」マッドテレインタイヤが奢られた。タイヤ直径と前後バンパーをショート化したことで、重心は低いまま、最低地上高やアプローチアングル、デパーチャーアングルが劇的に向上している。
深みのあるポイズンアップル・レッド(Poison Apple Red)でペイントされたボディは、リヤドアハンドルを取り外し、シースルーパワードーム付きのカスタムカーボンボンネットを採用。インテリアはクロスインサート付きのカスタムブラック・レザーシート、カスタムラジオデリート・インストゥルメントパネルを装着した。
民生用ジープをイメージした「ディスパッチャー」
「ジープ ウィリス ディスパッチャー コンセプト」は、ラングラー 4xeをベースとしたコンセプトカー。第2次世界大戦の戦後初期に活躍した民生用ジープをイメージし、無骨で実用的なエクステリアと、先進的な電動駆動システム「4xe」を組み合わせた。
エクステリアのテーマにレトロを掲げ、クラシカルなカスタムフロントバンパーには、ウォーン・エピック・シリーズ・ウィンチフックとDリングを備えたウォーン製ウィンチが装着された。往年のフラットフェンダー・ジープのように、ボンネットのサイドには「WILLYS」の文字がエンボス加工されている。ウインドシールドヘッダーはグロスブラックでペイントされ、エクステリアカラーにはエレメント115グリーンがチョイスされた。
インテリアは、サドルレザーとハウンドトゥースクロスを組み合わせたカスタムリトリムを採用。フロントとリヤのヘッドレストは取り外され、ヴィンテージ感を醸し出すローバックシートが装着された。JPP製ビキニトップを装着し、水や泥などからパッセンジャーを守るため、フロアには頑丈なJPP製ビニールが奢られている。
パワーユニットは2.0リッター直列4気筒エンジンをベースとする、プラグインハイブリッド「4xe」システムを搭載。最高出力380PS、最大トルク470Nmを発揮し、8速ATを介して4輪を駆動する。
悪路走行後を高めた「ハイトップ コンセプト」
「ジープ グラディエーター ルビコン ハイトップ コンセプト」は、ジープ・パフォーマンス・パーツ(JPP)のデザインチームとエンジニアリングチームが、ユタ州モアブでのトレッキング走行を想定し、ジープ グラディエーターのオフロード走破性能を大幅に引き上げた仕様となる。
エクステリアカラーは大胆なジンジャースナップメタリックをメインに、レトロな雰囲気の2トーングラフィックがチョイスされた。JPP製フラットフェンダーフレアをボディ四隅に配し、オフロードでのライドクリアランスを確保。3.6リッターV型6気筒エンジンは、オフロード走行に不可欠な低速トルクを中心に、幅広いトルクバンドを発揮する。
ウォーン製ウィンチの直上には、カスタム仕様のプロテクティブフープを装備。ロック・スライド・エンジニアリング製ロックレールパワーステップは、足まわりを保護するだけでなく、キャビンへの出入りを容易にする。デッキ付き荷台収納システムは、デュアルスライド式の引き出しを備えており、収納力をさらに向上させた。
インテリアはタン&ブラックのアレアレザーに、キルティングとパンチング加工を施したカスタムシートを装備。ヘッドレストには「JPP」のエンボスロゴがあしらわれた。頭上にはJPP製サンボンネットが装備され、JPP製ペダルキット、全天候型フロアマット、ドアシルガードも装着されている。
スカイロフトを備えた「ヴァケイショニア コンセプト」
「ジープ グランドワゴニア ヴァケイショニア コンセプト」はジープ・ブランドの伝統に敬意を払いながら、現代的な機能を融合させたプレミアムSUVとして開発。JPPのデザインチームは、1960年代後半から1990年代前半にかけて人気を集めた「ワゴニア」や「グランドワゴニア」を彷彿とさせるボディサイドの木目調グラフィックを導入した。
BFグッドリッチ製35インチマッドテレインタイヤに、18インチビードグリップ「701」メソッドレーシングホイールを組み合わせたことで、自然なリフトアップを実現。フロントとリヤに装着されたスキッドプレートがボディ下部を保護し、フロントに取り付けられたウォーン製ウィンチがオフロード感を高めている。
ホワイトのライン入りルーフには、3基の11インチLEDライトを装備。専用開発されたカーボンファイバー製「レッド・テイル・オーバーランド」スカイロフトは、上方にポップアップし、ルーフに広々としたスペースを実現した。スカイロフトを組み込むため、2列目と3列目の純正シートは取り外され、専用のパススルーエントランスにより、室内フロアからスカイロフトへと簡単にアクセスすることができる。
今回、ジープは著名なファッションデザイナーであり、ワゴニアのオーナーでもあるキール・ジェイムス・パトリック(Kiel James Patrick)に、レザーシートのデザインを依頼。キールは独特のニューイングランド風の柄の中に、ジープのクラシックモデルをあしらった専用ファブリックを作り上げた。