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Maserati MCXtrema
アウトドローモ・ヴァラーノ・デ・メレガリを走行
マセラティ MCエクストレーマは、62台が生産されるノンホモロゲーション・トラックカー。2023年のモントレー・カーウィーク内で開催されたクエイル・モータースポーツ・ギャザリングにおいてワールドプレミアされた。エクステリアはFIA GT規定から離れ、独自のエアロダイナミクスを採用。最高出力740PSを発揮する、マセラティ製3.0リッターV型6気筒ネットゥーノ・ツインターボエンジンをリヤミッドに搭載する。
カスタマーへのデリバリーに向けて、最終調整に必要なデータを収集を目的とする基礎試験を終了。2024年2月、イタリア・パルマの「アウトドローモ・ヴァラーノ・デ・メレガリ」で初の公式走行を行った。テストを担当したのは、マセラティのチーフテストドライバー、アンドレア・ベルトリーニ。ベルトリーニは、かつてマセラティ MC12で、世界タイトルの獲得経験を持ち、開発初期段階からダイナミックシミュレーターで開発に取り組んできた。
入念なシミュレーションを経てテストを実施
現在、2月のシェイクダウンに続き、MCエクストレーマは様々な場面を想定したテストにおいて、性能向上に向けた走行マイレージを稼いでいる段階にある。今回、パワーユニットを含めた各コンポーネントは、高精度のシミュレーションを経て、テストに投入された。
マセラティはダイナミックシミュレータで約200時間、様々なタイプのシミュレーションシステムで1000時間のバーチャル解析を実施。サーキットからのフィードバックとの比較、MC20とそれに続く4年間のエンジン開発との組み合わせたことで、テスト初期段階から最高レベルのサーキットパフォーマンスを発揮した。
テストではシミュレーションにおける性能をすでにクリアしており、今後さらに走行を進めることで、ファインチューニングを進めていくという。MCエクストレーマのテストドライブを担当するアンドレア・ベルトリーニは、次のように現在の状況を説明した。
「ニューマシンをサーキットに持ち込むと、常に特別でユニークな感覚を味わうことができます。MCエクストレーマはアスファルトを貪り、コーナーを駆け抜けるために開発された素晴らしい創造物です。構造力学とエアロダイナミクスを追求した、まさに宝石のような存在だと言えるでしょう」
「マシンバランスとハンドリングは完璧です。私たちは、高度な技術を持つ情熱的なチームと数ヵ月にわたって共同作業を行い、洗練されたシミュレーションでバーチャルな作業を実施しました。私自身、完成したMCエクストレーマを現実世界へと持ち込むことをずっと待ち望んでいました。このクルマを素晴らしい存在にしているのは、卓越したチームワークです。その結果、未来のスーパースポーツが誕生しました」
「MCエクストレーマは、常にマセラティのお客様のニーズを念頭に置きながら、開発レベルをこれまで以上に引き上げています。インテリアはドライバーを中心にデザインされており、戦闘機とF1シングルシーターを掛け合わせたようなコクピットを実現しています。ステアリングを握れば、他のどんなクルマとも違う、最高のスリルを味わうことができるでしょう」