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FORMULA E
予選でウェーレインが7位、コスタが9位になったポルシェ
3月30日に開催された「フォーミュラE世界選手権」第5戦Tokyo E-Prix。日本でフォーミュラEの大会が開催されるのは初めてで、また日本では初となる公道でのフォーミュラレースということで、一般メディアでも大きく取り上げられた。コースは東京・有明の東京ビッグサイトとその周囲を中心とした全長2.585kmの特設コース。距離は短いがコーナーが全部で18もあり、幅も狭いというテクニカルなコースだ。
前日の嵐から一転、朝から晴天に恵まれた30日は、午前中に予選が行われた。フォーミュラEの予選はまず全体をAグループとBグループの2グループに分けて行い、それぞれの上位4台が対決方式となるデュエル予選を行う。それを勝ち上がった4台が再び対決方式の予選準決勝を行い、その勝者同士が予選ファイナルを戦って決勝のグリッドを決めるという方式で行われる。
パスカル・ウェーレインとアントニオ・フェリックス・ダ・コスタの2台が出場したタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム(以下ポルシェ)は、予選Bグループ出場のウェーレインが上位4台に入ったが、デュエル予選ではマセラティMSGレーシングのマキシミリアン・ギュンターに0.308秒届かず、惜しくも予選準決勝に進ことができなかった。その結果ポルシェはウェーレインが予選7位、コスタが予選9位で午後の決勝に臨むこととなった。ポールポジションは日産フォーミュラEチームのオリバー・ローランドが獲得。地元開催ということで大勢の応援も力となったのかもしれない。予選2位にはデュエル予選でウェーレインを下したギュンターが食い込んだ。
接触でフロントノーズを破損して5位に
午後に行われた決勝には岸田文雄首相や小池百合子都知事も駆けつけ、ファンのボルテージも最高潮の中で決勝はスタート。1コーナーへはローランド、予選3番手のエドアルド・モルタラ(マヒンドラ・レーシング)の順で飛び込み、ギュンターは3番手に後退する。ポルシェのウェーレインとコスタは4〜6番手を走行し、着実にラップを重ねる。しかし3番手争いの最中にウェーレインは接触でフロントノーズを破損。順位を下げてしまう中、コスタはアンドレッティ・フォーミュラEのジェイク・デニスとのバトルを制して3位に上昇する。その後、路面に散らばった部品を回収するためのセーフティカー導入の後、さらにコスタは2位を狙ってローランドと並びかけるが、ローランドも必死の走りでそれを許さず、そして逆にコスタはその隙にデニスにかわされて4位まで順位を下げてしまった。
レースはローランドがトップを走行し、ギュンターが肉薄する展開。そしてローランドはバッテリーを温存するためにギュンターに一旦トップを譲り、最後にトップを奪う作戦に出たが、ギュンターを抜くことはできず、そのままギュンターがトップでチェッカーフラッグを受けた。2位にはローランド、3位にはデニスが入った。
ドライバーズランキングでトップに浮上
ポルシェはコスタが4位、ウェーレインが5位となった。表彰台に上がれなかったのは残念だが、コスタの素晴らしいチャレンジと、マシンにダメージを負いながら着実な走りを見せたウェーレインのふたりは最高のパフォーマンスを見せてくれたと言えるだろう。
これでウェーレインはドライバーズランキングでトップに浮上、チャンピオンを目指して期待がさらに膨らむこととなった。次戦は4月13日にイタリア・ミサノで開催される。