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Porsche 911 Dakar
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Amna Al Qubaisi
レッドブルのサポートを受ける期待の若手
2000年3月28日生まれ、現在24歳のアル・クバイシは、女性専用フォーミュラシリーズ「F1アカデミー」にMPモータースポーツから参戦し、2023年に2勝を獲得した。2024年シーズンはレッドブル・アカデミー・プログラムからのサポートを受けて、F1アカデミーに継続参戦中。男性優位のモータースポーツ界において、女性ドライバーのパイオニアとなることが期待されている。
今回、アル・クバイシは彼女の“ホーム”であるサーキットから離れた、UAE屈指の砂漠地帯へと向かうことになった。用意されたマシンはポルシェが全天候型スポーツカーとして開発した911 ダカール。専用開発されたリフトシステムは、150km/hでの走行時に191mmという驚異的な最低地上高を実現している。
911 ダカールは、GT3レーシングカーから導入された高剛性エンジンマウント、俊敏なハンドリングを実現したリヤアクスルステアリング、ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム(PDCC)など、最新デバイスを贅沢に搭載し、クロスカントリー4WDの独壇場と考えられていた、未舗装露でのスポーツドライビングを可能にしている。
砂丘地帯で最高のパフォーマンスを発揮
今回のサンドアドベンチャーは、UAEを構成する首長国のひとつアブダビからスタート。アル・クバイシを含めたスタッフは早朝に集合し、まずはハイウェイを南に220kmほど進み、アブダビ内陸の砂漠にある巨大なリワ・オアシスを目指した。リワ・オアシスまでは快適な舗装路が続いてきたが、その先に広がるタル・モリーブ砂漠で911 ダカールの真骨頂を発揮した。911 ダカールで砂漠を駆け回り、たっぷりとドライブを堪能したアル・クバイシは、次のように感想を語った。
「ハイウェイでの911 ダカールのドライビングは、とてもスムーズで速く、安定していました。ステアリングの反応もクイックでバランスも最高です。続く砂漠でのドライブも心から楽しめました。思い切り走ってもコントロールを失う心配がないんです。クルマはどんな場面でもしっかりと安定していました。これが911 ダカールの初ドライブでしたが、期待以上の体験でした」
彼女が911のステアリングを握って、リラックスできたのは当然かもしれない。アル・クバイシが初めてサーキットでレースを観戦したのは、父親がポルシェ・カレラカップに参戦していた時だったからだ。
今回、リワ・オアシスへと向かう途中、アル・クバイシは少し回り道をして、アブダビ首長の邸宅も訪問。暖かい歓待を受けた彼女は、厳しいモータースポーツ界で戦う活力を得たようだ。現在、彼女は世界中の女性たちに勇気を与える存在へと成長しており、UAEを代表するアスリートになりつつある。