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Porsche 911 Turbo
50年前のパリでお披露目された911 ターボ
毎年、「レトロクラシック」には、世界中からヒストリックカーやスポーツカーの愛好家がシュトゥットガルトに集結する。ポルシェにとっては単なるホームイベントではなく、毎年特別な企画を披露する場ともなってきた。2024年は4月25日から28日までの3日間、ポルシェは「911 ターボ」のデビュー50周年を祝う企画展示『Beyond Performance – 50 Years of Porsche Turbo』を行う。
ポルシェのヘリテージ&ミュージアム担当ディレクターを務めるアキム・シュテイスカルは、今年のレトロクラシックについて次のようにコメントした。
「今年のレトロクラシックでは、『Beyond Performance – 50 Years of Porsche Turbo』という形で、ポルシェのターボ誕生50周年を祝います。ターボほど、ポルシェの革新的な意欲を反映したモデルは他にありません」
ルイーゼ・ピエヒの911 ターボを展示
1974年、ポルシェはパリ・モーターショーにおいて、911 ターボをワールドプレミア。ターボチャージャーは、モータースポーツから量産車へと導入された、当時最先端の技術だった。
ホール1のスタンド「A74」には、ポルシェが新時代を切り開いた初代911 ターボを公開する。展示されるモデルは、 1974年夏にルイーゼ・ピエヒが70歳の誕生日に受け取った「ポルシェ 911 ターボ “No.1“」という非常に珍しい1台だ。
1975年春以降、メーカーが販売した911 ターボとは異なり、ルイーゼへと贈られた911 ターボは、911 カレラのナローボディが採用されていた。最高出力240PSを誇るのスポーツカーのエンジンフードには「Turbo」ロゴの代わりに「Carrera」のロゴが入れられている。
絵のように美しいオーストリアの山々の風景を楽しむため、ルイーゼはフロントウインドウにカラーガラスを選ばなかった。グローブボックスのバッジには、彼女イニシャルである「LP」と、「Turbo-Porsche No.1, Stuttgart-Zuffenhausen, 29 Aug. 1974.」という文字が刻まれた。
オルテリ参加のトークセッションを実施
4月27日午後2時からは、ポルシェの911/718モデルライン担当プロジェクトマネージャーのトーマス・クリッケルベルクとカンパニーアーカイブの責任者であるフランク・ユングが、ル・マン24時間優勝経験を持つステファン・オルテリと、ターボについてのスペシャルトークセッションを行う。
トークセッション後には、オルテリのサイン会も予定。ターボに関するトークセッションだけでなく、ポルシェ・ブースへの来場者は、ターボのデビュー50年周年をテーマにしたガイドツアーにも参加できるという。
期間中は様々な世代の911 ターボが展示される他、2基のエンジン展示も行われる。1基目は1988年に発表された第2世代ターボエンジン、2基目は第7世代ターボエンジン、911 ターボの2つのモデルの間には、26年の歳月と220PSものパワー差が存在する。
ブース内の展示ケースには、1974年に描かれた初代「Turbo」ロゴ、広告、初代ターボの装備カードなど、ポルシェが保存する貴重なアーカイブも多数展示。ポルシェブースに併設されたミュージアムショップでは、ターボ50周年記念コレクションも販売される。