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Hyundai IONIQ 5 N
カリフォルニアでのテストも実施
2023年7月、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて公開された「アイオニック 5 N」は、フル電動クロスオーバー「アイオニック 5」のハイパフォーマンス仕様。前後アクスルにパワフルな専用電動モーターを搭載し、ブースト時の最高出力は649PS、最大トルクは770Nmと強大なパワーを誇る。
今回、ヒョンデは、アイオニック 5 Nのパフォーマンスを実証すべく、世界屈指の過酷さを誇るパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムへと持ち込むことを決定した。2024年4月5日には、カリフォルニア州のカリフォルニアシティにおいて、ロビン・シュートによるテストも実施されている。
パイクスピーク挑戦について、Nブランド・モータースポーツ責任者を務めるティル・ヴァーテンベルグは次のように説明した。
「私たちはアイオニック 5 Nというクラスをリードするフル電動SUVと共に、パイクスピーク参戦を決めました。ヒョンデには1992年からパイクスピークで新技術や新製品を実証してきた歴史があります。アイオニック 5 Nは、そのコンセプトをハイパフォーマンスEVへと採り入れました。今回のパイクスピークでは、市販仕様のアイオニック 5 Nが、お客様が期待するパフォーマンスを発揮してくれるはずです」
ベテランとインフルエンサーのコンビ
電動プロダクションSUV/クロスオーバークラスにおいて、記録更新を狙うアイオニック 5 Nをドライバーするのは、ポール・ダレンバックとロン・ザラス。ダレンバックはパイクスピークにおいて11回もの優勝経験を持ち、1993年には総合優勝も手にしているベテランドライバーだ。
一方のザラスは今回がパイクスピーク初挑戦。ザラスはメディアアクティビストとして、SNS中心に高い人気を集めており、故ケン・ブロック率いるフーニガンの元幹部でもある。今回、モータースポーツファンが、パイクスピークに挑戦するという壮大なストーリーの主人公として、このビッグプロジェクトに抜擢された。ザラスは次のように意気込みを語っている。
「ラリーの熱狂的なファンとして、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、映画『クライムダンス』を初めて観たときから、いつかは絶対に参加したいと考えていました」
「優秀なヒョンデチームのサポートのもと、アイオニック 5 Nで初めてパイクスピークに出場できることは、あらためて本当に光栄なことです。若いファンとして、初めての競技者になるまでの道のりを、その道のりが困難なものであったとしても、共有できることにワクワクしています」
ニュルブルクリンク24時間にテスト参戦を計画
パイクス参戦に先立って、ヒョンデは、5月30日に開催されるニュルブルクリンク24時間レースに、パイクスピーク仕様のアイオニック 5 Nをテスト参戦させることを発表。2台のアイオニック 5 Nは、WRCドライバーのダニ・ソルドと、パイクスピークでの経験豊富なレーシングドライバーのロビン・シュートがステアリングを握る。
パイクスピーク仕様のアイオニック 5 Nは、パワーユニットやドライブトレーンは市販仕様のまま、レギュレーションで定められた安全装備を装着。ドライバーズシートはレカロ製「プロレーサーSPA」HANS対応シートに変更。シートベルトはサベルト製の6点式HANS対応。リヤシートは撤去され、ロールケージと自動消火システムが装着されている。
また、カラーリングに関しては、WRC参戦車両と同じ「ヒョンデ N」仕様のリバリーを採用し、パイクスピークに登場する予定だ。