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Ferrari 499P
多くのティフォシが集結するイモラ
エンツォ・フェラーリの名前を冠した「アウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ」。このサーキットでWECが開催されるのは今回が初となる。フェラーリにとってホームイベントとなるWEC第2戦「イモラ6時間レース」に、フェラーリAFコルセは、今回も50号車と51号車の499Pをエントリーした。
50号車は、アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセンがドライブ。地元イタリア出身のフオコはイモラ6時間に向けて次のようにコメントした。
「イモラはフェラーリにとっても、僕のようなイタリア人ドライバーにとっても、本当に重要なサーキットです。グランドスタンドが、たくさんのティフォシで埋め尽くされるのを見たいですし、WEC初開催は特別な雰囲気になると確信しています」
「簡単なレースにはならないと考えています。多くのマシンが出走するため、ハイパーカーとLMGT3の間の性能差によるオーバーテイクが頻発することになります。特徴的なコーナーも多いですし、クラシックコースだけにランオフエリアの狭い高速コーナーには注意が必要です。ミスを避けながらマシンのポテンシャルを引き出し、完璧なドライビングが求められています」
チームメイトのモリーナは「イモラ6時間はチームにとっても、ドライバーにとっても、特別なレースになるでしょう。目標は多くのファンに興奮を届け、成功を分かち合うこと。厳しい戦いになったカタールから数週間、私たちはイモラに向けて準備に励んできました」とコメントした。
予選におけるポジションが重要に
51号車はアレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィの3人が499Pのステアリングを握る。この3人は昨年のル・マン24時間レースを制しており、フェラーリの地元イモラでは、その再現が期待されている。
イタリア出身のグイディは、イタリア人ファンにとってイモラが特別なサーキットであることを強調した。
「イモラでWECが開催されるのは今回が初めてです。2023年は優勝したル・マンの直後に、モンツァ6時間に挑みましたが、前回のように真夏ではなく、比較的気候の良い4月開催が実現しました。スタンドには多くのフェラーリファンが詰めかけると思いますし、彼らの期待に応えられるよう、素晴らしい結果を持ち帰りたいです」
「イモラは高速コーナーと超低速コーナーが交互に繰り返される、世界的にも高い難易度を誇るドライビングサーキット。コーナーの変化に加えてアップダウンもあり、ドライバーとしても飽きることがありません。コース上には速度の異なる多くのマシンが走ることになりますし、予選の出来が重要になるでしょう」
ポルトガルとフランスでテストを実施
フェラーリの耐久レーシングカー部門の責任者、フェルディナンド・カンニッツォは、イモラに向けた取り組みを次のように説明した。
「開幕戦カタールでは、トップから遠く離れたポジションで戦うなど、困難な戦いになりました。我々はそこから挽回し、イモラでは表彰台争いに戻りたいと考えています。イモラのレイアウトとキャラクターは、特にサスペンションやブレーキに関して厳しい要求が突きつけられます。当然、専用のセットアップが必要になりました」
「イモラに向けては、通常のドライビングシミュレーターセッションに加えて、ポルティマオとポール・リカールで2回のテストを実施しました。エンジニア、メカニック、ドライバーたちがシミュレーションで提案された、最適なセットアップを試すことができたのは大きいです。良いレースができると確信していますし、フィニッシュ後にポディウムの下で、フェラーリの赤いフラッグが打ち振られることを楽しみにしています」