目次
2024 PEUGEOT 9X8
イタリアをデビュー戦に選んだプジョー
2024年型「プジョー 9X8」は、2023年12月初旬にシェイクダウンを行い、約8000kmにおよぶサーキットテストを実施。4月19〜21日に開催される2024年シーズンWEC第2戦イモラ6時間において、デビューすることが決まった。イモラがデビューの場に選ばれたのは、WECのイタリア・ラウンドがプジョーの耐久チームにとって特別な場所だからだという。
2022年夏、プジョーのWEC復帰となったのが、イタリア・ラウンドのモンツァ6時間だった。その1年後の2023年シーズンWEC第5戦モンツァ6時間では、待望の表彰台を獲得。モンツァからイモラへと場所を移したものの、イタリアはプジョーにとってゲンの良い場所なのである。
プジョー・スポールのテクニカルディレクターを務めるオリビエ・ジャンソニーは、2024年型のデビューに向けて、次のように意気込みを語った。
「この1年、ニューマシンの開発と、実戦への参加を並行してきたことを、あらためて誇りに思います。2024年型プジョー 9X8を開発しながら、2023年型のプログラムを遂行するため、我々の開発チームと実戦チームは驚異的な量の仕事をこなしました。特に信頼性とエアロダイナミクスに関して学んだこと、そして2023年半ばから開発用マシンで続けてきたタイヤに関するアップデートは、9X8を大きく進化させることになりました」
「イモラはこれまでWECで使われたことのないサーキットであり、私たちにとっても、あまり経験のない場所です。ただ、あまり心配はしていません。カタールがそうだったように、経験のないサーキットでも私たちは速く走ることができますからね」
悔しい結果に終わった開幕戦カタール
4月21日に決勝レースが行われるイモラ6時間において、プジョー 9X8 93号車をミケル・イェンセン、ニコ・ミュラー、ジャン-エリック・ベルニュがドライブ。94号車はポール・ディ・レスタ、ロイック・デュバル、ストフェル・バンドーンがステアリングを握る。
前戦カタールでは、93号車が2位表彰台まであと一歩に迫りながら、残り2周の段階で突然スローダウン。スティントを担当していたベルニュは「ノーパワー……」と無線を入れ、1週遅れの7位でレースを終えた。2024年型プジョー 9X8の投入で、プジョーはシーズン初の表彰台、そして9X8での初優勝を狙う。
「2023型プジョー 9X8はセットアップを改善し、マシンの能力を最大限に引き出すレベルに到達しています。ただ、2024年型9X8では、まだ学ぶことが少なくありません。現時点でBoPが確定していないので、正確なイメージをつかむのが難しいのですが、このクルマが本質的に速いことは分かっています。ライバルに対して、どのような位置にいるのか、最初のレースが終われば分かるでしょう」と、ジャンソニーは付け加えた。
また、イモラからはプジョーを象徴する「ライオンヘッド」をベースにデザインされた新カラーリングも導入。エクステリアは市販車とのつながりを強化し、ブラック、グレー、ホワイト、クリプトナイトのライオンが各部に散りばめられている。