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TWR Supercat
プロジェクト第1弾に選ばれた「 XJS」
英国のバークシャー州ニューベリーを拠点とするTWRは、ファーガス・ウォーキンショーと、ビジネスパートナーのジョン・ケインが2020年に設立した独立ブランドだ。1980〜1990年代のモータースポーツシーンで活躍した、オリジナルのトム・ウォーキンショー・レーシングからは完全に独立した事業体となるが、モータースポーツにおける高い技術力とDNAを共有するという。
TWRが初めて開発したパフォーマンスレストモッドが「TWR スーパーキャット」だ。今回、2024年夏のデビューに向けて、エクステリアデザインの公開と事前予約が開始された。TWR スーパーキャットは、伝説的なスポーツクーペ「ジャガー XJS」をベースに開発。6.0リッターV型12気筒スーパーチャージャーを搭載し、最高出力は600PSを超える。
TWRが、その第1章としてジャガーを選んだことは、その歴史を紐解けば当然とも言えるだろう。トム・ウォーキンショー・レーシングは、スパ24時間やバサースト1000kmを含む過酷なモータースポーツイベントにジャガー XJSを投入し、勝利を飾ってきたからだ。TWR スーパーキャットは、トム・ウォーキンショーがデザインした「ジャガー XJR-9」の1988年ル・マン24時間優勝を記念し、88台が限定生産される。
TWRが手がけたジャガーへのリスペクト
TWR スーパーキャットの開発にあたり、TWRはトム・ウォーキンショーが手がけたジャガー製レーシングカー「XJR-9」や「XJR-15」、さらに「XJ220」に至るまで、過去の傑作モデルからインスピレーションを得ることになった。
プロジェクトは2年前にスタートし、現在の生産可能な状態に至るまでに、のべ数十万時間が費やされてきた。また、開発においては、世界最高レベルのCFDテストや風洞施設を活用し、シミュレーションと実走行テストを実施。TWR スーパーキャットのデザイン、エンジニアリング、開発プログラムは、今後のTWRの全製品と生産台数の基準となるという。
強烈なインパクトを持つエクステリアデザインを手がけたのは、様々なメーカーやプロジェクトで活躍してきたカイジル・サリームとマグナス・ウォーカー。ジャガー XJSの象徴的なシルエット、フライングバットレス、フロントグラフィックが、より筋肉質なスタイリングへと生まれ変わった。XJ220、XJR-9、XJR-15といったアイコニックなモデル参考に、ジャガーらしさを残しつつ、よりアグレッシブな美学が追求されている。
TWRの創設者でありディレクターを務めるファーガス・ウォーキンショーは、TWR スーパーキャットの完成に喜びを隠さない。
「2年以上ものデザイン、エンジニアリング、開発作業を経て、TWRによる最初のプロジェクトを発表できることを誇りに思います。その成果がアイコニックなジャガー XJSをベースに製作された、真のドライバーズスーパーGTである『TWR スーパーキャット』です」
「トム・ウォーキンショー・レーシングが50周年を迎えるにあたり、そのレガシーに相応しいモデルを作ることが、私たちの使命でした。TWR スーパーキャットは、サーキットでも公道でも、クルマとのつながりを求める人たちのために開発されています」