マリン自動車博物館所蔵のブガッティをオークションに出品

「落札金額10億円超」マリン自動車博物館の「ブガッティ タイプ 57C アラヴィス」が記録更新

マリン・コレクション・オークションにおいて、10億円を超える落札額を記録した1938年製「ブガッティ タイプ 57C アラヴィス スペシャルカブリオレ」。
マリン・コレクション・オークションにおいて、10億円を超える落札額を記録した1938年製「ブガッティ タイプ 57C アラヴィス スペシャルカブリオレ」。
グッディング&カンパニー(Gooding & Company)が主催した「マリン・コレクション・オークション(Mullin Collection Auction)」に、ブガッティの貴重なヒストリックモデルが数多く出品され、予想落札価格を上まわる価格で落札された。中でもブガッティ タイプ 57C アラヴィス スペシャルカブリオレは、10億円を超える金額で落札されている。

1938 Bugatti Type 57C Aravis Special Cabriole

世界最高レベルのブガッティ・コレクション

大富豪のピーター・マリンの私設コレクションが展示されていた「マリン自動車博物館」。彼の死去によって閉館され、所蔵していた貴重なブガッティがオークションに出品されることになった。
大富豪のピーター・マリンの私設コレクションが展示されていた「マリン自動車博物館」。彼の死去によって閉館され、所蔵していた貴重なブガッティがオークションに出品されることになった。

今回、米国・カリフォルニア州オックスナードにある「マリン自動車博物館(Mullin Automotive Museum)」の所蔵する貴重な車両が、オークションにかけられることになった。マリン自動車博物館は、フレンチ・クラシックとアール・デコをテーマとする世界最大の私設自動車コレクションだが、創設者のピーター・マリン氏の死去に伴い、2023年9月に閉館となった。

マリン自動車博物館は、カルロ・ブガッティによる75点以上の貴重な家具、レンブラントの彫刻、そしてエットーレ・ブガッティとジャン・ブガッティが手がけた作品群を展示。世界最大級のブガッティ・コレクションを所蔵する私設ミュージアムとして名を馳せてきた。

ブガッティのクリストフ・ピション会長は、盛況を極めた今回のオークションについて、次のように振り返った。

「ブガッティは、これまでも自動車コレクターにとって、最も尊敬されるブランドのひとつでした。どのモデルも歴史を持ち、美しさと革新性を備えています。グッディング&カンパニーによって行われた今回のオークション結果は、ヒストリック・ブガッティの人気が、これまで以上に高まっていることを明らかにしました」

「ブガッティの歴史の一部を所有したいと願う、熱狂的な顧客たちによる激しい入札合戦は、予想をはるかに上まわる価値を実現したのです。それは、すべてのブガッティが時代を超越した魅力を備えているからこそでしょう。そのデザインと純粋さにおいて、ブガッティは他の追随を許しません」

予想を大きく超える価格で落札

今回のマリン・コレクション・オークションの目玉となった、1938年製「ブガッティ タイプ 57C アラヴィス スペシャルカブリオレ」。予想を大きく超える価格で落札されることになった。
マリン・コレクション・オークションの目玉となった、1938年製「ブガッティ タイプ 57C アラヴィス スペシャルカブリオレ(写真中央)」。今回、予想を大きく超える価格で落札されることになった。

グッディング&カンパニーが主催した、今回のマリン・コレクション・オークションには、貴重なコレクションが数多く出品された。オークションの目玉となったのが、1938年製「ブガッティ タイプ 57C アラヴィス スペシャルカブリオレ」。この美しいオープンカーは、250万ドル(約3億8000万円)の予想価格を大きく超える660万5000ドル(約10億1700万円)で落札され、タイプ57C の世界最高価格を更新することになった。

このスーパーチャージャー付きタイプ 57Cは、現存する3台のガングロフ製ボディを持つアラヴィスのうちの1台。ブガッティ・ワークスのレーシングドライバー、モーリス・トランティニアンのために、アヴィニョンの代理店グラナ&フィルズが新車でブガッティにオーダーした個体となる。

アイボリーのボディにダークブルーのフェンダーとトリムが特徴的なシャシーナンバー「57768」は、1939年のコミング・グランプリにトランティニアンのドライブで参戦。2002年からマリン・コレクションに加わり、2005年にはサージェント・メタル・ワークスによって広範囲なレストアが実施されている。

大きく価値を上げたクラシック・ブガッティ

近年、ヒストリックカー市場は活性化しており、「ブガッティ タイプ46 セミプロフィーレ クーペ」は、約1億7000万円で落札された。
近年、ヒストリックカー市場は活性化しており、写真の「ブガッティ タイプ46 セミプロフィーレ クーペ」は、約1億7000万円で落札された。

「ブガッティ タイプ46 セミプロフィーレ クーペ」もまた、タイプ46の世界最高価格を打ち破り、予想価格65万ドル(約1億円)に対し、110万5000ドル(約1億7000万円)で落札された。

セミプロフィーレ・スタイルのコーチワークが施された希少なタイプ46は、プラハのブガッティ代理店であるウラジミール・グートによって新車でオーダーされ、チェコの著名なオーナーのガレージでその生涯の大半を過ごした。その後、さまざまなオーナーを経て、2000年代初頭にレストアが実施されている。

今回、高値で取引されたのはレストアされた車両だけではなかった。1927年式「タイプ40 ブレーク ド シャス」をはじめ、オリジナル度が高く、修復されていないブガッティが何台も予想落札額を大きく上回る価格で取引された。

例えば「タイプ40 ブレーク ド シャス」は、1927年12月2日にフェルナン・ハックによってオーダー。1930年代から1940年代にかけて、タイプ40は現在のような特徴的な木製の「シューティングブレーク」ボディに改造された1台。予想落札価格10万ドル(約1540万円)のところ、44万5000ドル(約6800万円)で落札された。

ジョルジェット・ジウジアーロが「時代を大きく先取りしていた存在」と語る、ブガッティ EB112の美しいフォルム。

時代を先取りし過ぎた?「ブガッティ EB112」はカーボンモノコック+アルミボディの4ドアサルーン

世界的自動車デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロの85歳の誕生日となる2023年8月7日、ブガッティ・オトモビルは彼がデザインを手がけた流麗な芸術作品「EB112」に関する特集記事を公開した。1993年に発表されたブガッティ EB112は、当時世界で最も先進的で洗練された4ドアサルーンとして、今も高い人気を誇っている。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…