ベントレーが新型開発用シミュレーターを導入「何千kmもの実走行テストを削減」

ベントレーが開発用新型シミュレーターを開発拠点に設置「初のフル電動モデル開発で重要な役割も」

ベントレーがクルーの本社工場に導入した、VIグレード社製新型ドライビングシミュレーター。
ベントレーがクルーの本社工場に導入した、VIグレード社製新型ドライビングシミュレーター。
ベントレーモーターズは、英国・クルーの本社ファクトリーに設置される、コンパクトなフルスペク・ドライビングシミュレーターを公開した。イタリアのVIグレード社製高性能ドライビングシミュレーターの導入により、ベントレーの新車開発スピードと、環境負荷が劇的に改善されることになる。

1台あたり350日ものテストが削減可能に

高性能ダイナミック・ドライビングシミュレーターの導入により、車両開発において実走行テストが、1台あたり350日も削減できるようになるという。
高性能ダイナミック・ドライビングシミュレーターの導入により、車両開発において実走行テストが、1台あたり350日も削減できるようになるという。

今回、クルーの本社工場に導入された新型ドライビングシミュレーターは、車両の快適性能を向上させるための物理的なテストに代わって使用される。実際にプロトタイプ車両を使ったテストでの走行距離を大幅に縮小することが可能になり、CO2排出量を含めた環境面、そして社内のマンパワーの面でも、ベントレーに大きなメリットをもたらすことになるという。

ファクトリー内に設置された最新ドライビングシミュレーターは、車両プロトタイプ1台あたり約85tのCO2と、最大350日にもおよぶ実走行テストを削減。世界的なシミュレーターのスペシャリスト、イタリア企業の「VIグレード(VI-grade)」社が開発したコンパクトなシステムは、ベントレー初のフル電動モデルの開発において重要な役割を果たすことになる。

新車開発能力のスピードアップが可能に

ベントレーがクルーの本社工場に導入した、VIグレード社製新型ドライビングシミュレーター。
本格的なドライビングシミュレーターの導入により、ベントレーの新車開発スピードが劇的に早くなる見込みだ。

ベントレーモーターズの開発担当取締役のマティアス・レーベ博士は、新型ドライビングシミュレーターの導入について以下のようにコメントした。

「今回、クルー工場に導入したドライビングシミュレーターは、その高い能力だけでなく、物理的なプロトタイプや大規模な実走行テストの必要性を減らすこことができます。持続可能性の観点でも、ベントレーに大きなメリットをもたらすことになります」

ベントレーモーターズのヴァーチャル・ビジュアル・エンジニアのチャリー・スミスは、次のように説明を付け加えた。

「ベントレー初のドライビングシミュレーターの導入は、私たちにとって大きなマイルストーンとなるでしょう。この最先端のシステムは、ベントレーのヴァーチャル開発能力を大きく前進させることになります。仮想空間において、ベントレーの中核となるキャラクターや性能を磨き上げることができるようになったのです」

「この最新シミュレーターは、これまでにない高い精度を備えています。これにより、ベントレー製品にお客様の求める、ライバルを圧倒するラグジュアリー性とパフォーマンスをお届けできるようになるのです。物理的なプロトタイプへの依存を最小限に抑ええることで、製品開発スピードを加速させ、シミュレーション能力を強化する戦略的な一歩となります」

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…