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Ferrari 499P
499P 51号車が中盤までレースをリード
約9万人の大観衆が集まった、WEC第3戦スパ・フランコルシャン6時間。アグレッシブな戦略、完璧なタイヤマネージメントとピットストップを披露し、フェラーリ・AFコルセの2台がレースをリード。71周目からはジョビナッツィがスティントを担当した「499P」51号車がトップに立つ。
ジョビナッツィからバトンを受けた51号車のグイディがリードを固め、50号車のフオコも86周目に2番手に浮上。さらに、AFコルセの83号車(ロバート・クビサ/ロバート・シュワルツマン/イェ・イーフェイ)も、3番手に僅差の4番手につけていた。
ところが、フェラーリがワンツー体制を築くなか、チェッカーまで残り1時間47分の段階でハイパーカーとLMGT3のアクシデントが発生。これにより赤旗が提示され、コースサイドの保護ウォール修復のため、レースは2時間以上の中断を余儀なくされた。
再開後のピットインによるポジションダウン
午後6時55分、オーガナイザーはレース再開を発表。ただし、当初のフィニッシュ予定時刻である19時までの残り5分ではなく、1時間44分の中断分を含んでの再開となった。
リスタート後、まず51号車は最終のピットストップを行い、その後50号車も続く。3番手でコースに復帰した50号車は素晴らしいラップタイムを刻んだものの、トップを走行する「ポルシェ 963」12号車と2番手の6号車を捕らえることはできなかった。2台のポルシェはレース中断直前に4回目のピットストップを終えていたのだ。
50号車は1分14秒020差の3位でフィニッシュ、中断前にレースをリードしていた51号車も1分17秒710差の4位でレースを走り切った。83号車は総合8位でプライベーターチームで争われる「FIA ワールドカップ」で3位表彰台を獲得している。波乱のレース展開の中で、3位表彰台を持ち帰った50号車のモリーナは、悔しさを露わにした。
「私たちのチームは、スパ・フランコルシャンでそのポテンシャルをフルに発揮したと思います。 チームメイトの51号車も、今回のレースを忘れることはできないでしょう。スタート4時間の段階でフェラーリは1位と2位を走行していました。これがこの困難なコースでの正しい順位だったと、私は思っています」
赤旗前はトップを走りながら、4位に終わったカラドは、レース延長を決定した主催者への不満を口にしている。
「チームメイトとチーム全体を祝福したいと思います。最初のスティントでは、アントニオ(ジョビナッツィ)が素晴らしい走りで順位を上げ、私がレースをリードすることができました。その時点で、2台のフェラーリがトップを争っていたのです。レースは6時間の時点で終了すべきでしたし、その後の1時間44分の“スプリントレース”はすべきではなかったと考えています」