改良新型「ロールス・ロイス カリナン シリーズ Ⅱ」が登場

スーパーラグジュアリーSUV「ロールス・ロイス カリナン」がシリーズ Ⅱにアップデート【動画】

「ロールス・ロイス カリナン シリーズ Ⅱ」のエクステリア。
ロールス・ロイスは、スーパーラグジュアリー SUV「カリナン」に大幅なアップデートを実施、「カリナン シリーズ Ⅱ」へと進化を果たした。
ロールス・ロイスは、スーパーラグジュアリー SUV「カリナン」に大幅な改良を施した「カリナン シリーズ Ⅱ」を発表した。エクステリアがブラッシュアップされた他、インテリアには220万ものステッチと最長11マイルもの糸を使用した「デュアリティ・ツイル(二重綾織り)」シートが導入されている。

Rolls-Royce Cullinan Series II

ロールス・ロイスに変化をもたらしたカリナン

「ロールス・ロイス カリナン シリーズ Ⅱ」のエクステリア。
カリナンの登場まで、ロールス・ロイスの顧客の多くがショーファードリブンカーとして使用していたが、カリナンのカスタマーの多くが自身でドライブしていることが明らかになっている。

2018年、「ロールス・ロイス カリナン」は世界初のスーパーラグジュアリーSUVとしてデビューした。以来、堅牢かつ上品、勢いと落ち着きを兼ね備え、どのような場所でもエフォートレスな走行を提供する究極1台として、世界中で高い人気を集めることになった。

カリナンが世界全域のカスタマーから非常に高い評価を得ていることを踏まえ、ロールス・ロイスは細心の注意を払いながら改良新型を開発。5年間にわたる様々なフィードバック、世界中のプライベートオフィスを含む独自の情報を集め、多くの新技術を駆使しながらカリナンを進化させた。ロールス・ロイスは「史上最も大規模な変更を受けたシリーズ II」と胸を張る。

近年、ロールス・ロイスのカスタマーは、世界の大都市から新興急成長都市に至るまで、都市部に集中する傾向が強まっている。これを受けて、カリナン シリーズ Ⅱはオフロード性能を備えながらも、スーパーラグジュアリーモデルとしての需要をより高めることになった。

また、カリナンのオーナーの多くが、自身でステアリングを握ってドライブすることも大きな変化のひとつ。カリナンのデビュー時点ではロールス・ロイスのカスタマーの70%が自身で運転をしていなかった。しかし、カリナンのオーナーで運転手を利用しているのは10%以下という。また、カリナンはロールス・ロイスの顧客平均年齢を、2010年の56歳から現在の43歳へと引き下げることにも貢献した。

フィードバックを活かしたアップデート

「ロールス・ロイス カリナン シリーズ Ⅱ」のエクステリア。
「ロールス・ロイス カリナン シリーズ Ⅱ」のエクステリア。

ロールス・ロイス・モーター・カーズの最高経営責任者、クリス・ブラウンリッジはカリナンがもたらした変化について次のように説明する。

「2018年に発表されたカリナンは、スーパーラグジュアリーカーに新風を呼び、走行環境を問わず、世界のあらゆる場所でお客様にロールス・ロイスの象徴であるマジックカーペットライドを提供してきました。その後6年間にわたり、カリナンはロールス・ロイスにまったく新しい顧客層をもたらし、ロールス・ロイスに対する認識を大きく変えたのです」

「カリナン シリーズ IIは、その成功をさらに発展させるために誕生しました。新しい技術、新たな素材、細部まで考え抜かれたデザインのアップデート、そして幅広いビスポークなど、これまでお客様から高い評価を得てきた要素をすべて維持しながら、これからも魅力的な自動車であり続けることをお約束します」

垂直をテーマに再構築されたエクステリア

「ロールス・ロイス カリナン シリーズ Ⅱ」のエクステリア。
都会的な夜のビル群をイメージしたデイタイムランニングライトなど、エクステリア全体に垂直・水平の要素が組み込まれている。

カリナン シリーズ IIのエクステリアのメインテーマとなったが垂直性だ。これは大都市のライトアップされた高層ビル群をイメージしており、高めに配置されたデイタイムランニングライトのグラフィックは、昼夜を問わず、進化版の「シリーズ II」であることを明確にアピールする。

フロントセクションは、シンプルで特徴あるラインとシャープなエッジで構成。クリーンでモノリシックなサーフェイスが際立つことで、ゆったりとしたプロポーションと存在感が増幅している。バンパーラインはデイタイムランニングライトのボトムラインから車両中心に向かって浅いV字を描く。これは最新のスポーツヨットの船首にみられる鋭いラインをイメージした。

サイドセクションはフロントフェンダーが垂直なラインをキープし、同時にテールライトからリヤホイールのフローティング「RR」センターキャップへと流れる、控えめで正確なラインが加えられた。これが微妙なテーパーと動きのある印象をもたらし、リヤへと持ち上がった新形状のサイドスカートによって強調されている。

リヤセクションは新形状のエキゾーストトリートメントが力強さを表現。それぞれのサラウンドは鏡面仕上げのステンレス製で、ボディと同一平面上にすっきりと収められた。また、エキゾースト間を走るブラッシュ仕上げのステンレス製保護プレートも新たに導入されている。

スタイルに若々しさと豊かな表情を加えたのが、カリナンでは初採用となる23インチホイール。アルミニウム鋼片から削り出された立体的な7スポークデザインは、部分仕上げまたは全面ポリッシュ仕上げから選択することが可能だ。

スペクターに続き「SPIRIT」を導入

「ロールス・ロイス カリナン シリーズ Ⅱ」のインテリア。
コクピットには、スペクターで初めて導入されたロールス・ロイスの最新デジタルインターフェイス「SPIRIT」が、V12搭載モデルとして初採用された。

より大胆な自己表現を求めるカスタマーからの要望を反映し、斬新なトリムとディテールがキャビン全域に施された。インテリアにおける最大の変更点は、ダッシュボード上部のピラーを横断するガラスパネル製のイルミネーテッド・フェイシアパネル。エレガントで多機能なこのデザイン要素はデジタルディスプレイとクラフトマンシップを美しく融合させている。

ドライバーシート正面のインストゥルメントクラスターパネルと、フェイシア中央に配され、常時表示される新型セントラルインフォメーションディスプレイは再設計され、最新の「SPIRIT(スピリット)」オペレーティングシステムが導入された。

このデジタルインターフェイスは、フル電動クーペ「スペクター」で初採用され、V12エンジン搭載車としては、カリナン シリーズ IIが「SPIRIT」を初めて搭載するモデルとなった。この部分もインストゥルメントダイヤルなど、カスタマーの好みに合わせて自由に素材やカラーを組み合わせることができる。

リヤシートのコネクティビティ機能も大幅に進化し、リヤスクリーンには最大2台のストリーミングデバイスの接続が可能。このスクリーンには、車両管理機能やマッサージ、ヒーター/クーラーなどのシート機能を操作するためのビスポークインターフェイスも搭載されている。

Wi-Fiホットスポットへの接続が可能になったことで、各スクリーンの個別視聴も可能になった。カリナンでは初めて、あらゆるタイプのBluetoothヘッドホンが、リヤシート用インフォテインメントシステムとペアリングできる他、最新の18チャンネル1400Wアンプを搭載した、18スピーカービスポークオーディオシステムを楽しむことができる。

イルミネーテッド・フェイシアを採用

「ロールス・ロイス カリナン シリーズ Ⅱ」のインテリア。
パッセンジャーの正面には、レーザーで7000ものドットがエッチングされた「イルミネーテッド・フェイシアパネル」が配置される。

パッセンジャーシート正面には「イルミネーテッド・フェイシアパネル」を配置。現代的な工芸技術を駆使したフェイシアは「ゴースト」でデビュー後、スペクターにも採用され、シリーズIIからカリナンでも提供される。

このフェイシアには、光で浮き上がる「Cullinan」の文字と、大都市の夜空に浮かぶ高層ビル群からインスピレーションを得た、シティスケープグラフィックがあしらわれる。特別に開発された技法により、ダークに着色した強化防犯ガラスの背面にレーザーで7000ものドットがエッチングされており、それぞれが微妙に異なる角度と寸法で配置され、奥行き感を演出する。

標準のシティスケープグラフィックに加えて、ロールス・ロイスのビスポークデザイナーと相談しながら、カスタマー専用のイルミネーテッド・フェイシアのモチーフを作ることも可能だ。

助手席側のセントラル・インフォメーション・ディスプレイに並ぶのは、新形状の「スピリット・オブ・エクスタシー・クロック・キャビネット」。はめ込み式ケースにはアナログ式時計と、ライトで浮かび上がるステンレス製スピリット・オブ・エクスタシー像が配された。

竹林をイメージした「デュアリティ・ツイル」

「ロールス・ロイス カリナン シリーズ Ⅱ」のインテリア。
カリナン シリーズ IIから、コート・ダジュールの「地中海の庭園」に生息する竹林をイメージした、「デュアリティ・ツイル(二重綾織り)」を導入。繊細な刺繍は最大220万のステッチと11マイルもの糸が使用される。

今回、多くのカスタマーからの要望を受けて、インテリアに植物からインスピレーションを得たパレットが導入された。繊細な輝きを放つ美しい木目の天然オープンポア材「グレーステンド・アッシュ」を採用。この樹種は1本ずつ厳選され、ベニヤシートを手作業で染色し、微細な金属粒子を加えることで、独特の効果が生み出される。この工程の開発には、実に4年以上の歳月が費やされたという。

テキスタイルのラインナップには、竹から作られた新しいレーヨン生地「デュアリティ・ツイル」を追加。この素材は、ヘンリー・ロイス卿がかつて冬季を過ごしたヴィラ・ミモザに隣接する、コート・ダジュールの「地中海の庭園(Le Jardin des Méditerranées)」に生息する、広大な竹林からインスピレーションを得た仕様となる。

ツイル織りのテキスタイルには、アーティスティックなデュアリティ(二重綾織り)」のグラフィックが刺繍。このデザインは、創業者のイニシャルである「R」の二重文字を抽象的に解釈し、セーリングヨットのロープが織り成すラインをイメージしている。

複雑な刺繍を施したこのテキスタイルの開発には1年以上を要し、グッドウッドのホーム・オブ・ロールス・ロイスで行われるこの複雑な製造工程を監督するため、常勤として加わった織物職人とのコラボレーションによって実現。インテリアの全域に施されたデュアリティ・ツイルには、最大220万のステッチと11マイルもの糸を使用し、20時間もの工程を経て完成する。ベースとなるツイルテキスタイルは、ライラック、チョコレート、ブラックの3色で展開され、カスタマーは51色の糸から選択することができる。

カリナン シリーズ IIには、レザーに施された小さな穴によってアート作品を制作する「プレースド・パーフォレーション」も初採用された。プレースド・パーフォレーションは、グッドウッドの変化する雲の形と影からインスピレーションを得てデザイン。この模様は0.8mmと1.2mmのパーフォレーションで構成され、その数は最大10万7000個にものぼる。

ロールス・ロイス カリナン シリーズ IIを動画でチェック!

「ロールス・ロイス ブラックバッジ カリナン シリーズII」のエクステリア。

「ロールス・ロイス ブラックバッジ カリナン シリーズII」がデビュー「迫力を増したエクステリア」【動画】

ロールス・ロイスは、ハイパフォーマンス仕様「ブラックバッジ カリナン」のエクステリアとインテリアをアップデート。大幅な進化を果たした「ブラックバッジ カリナン シリーズII」がデビューを飾った。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…