専用チューンが施された「BMW M4 CS」を2024年5月下旬から受注開始

軽量バージョン「BMW M4 CS」がデビュー「M4 コンペティションから20kg軽量化」【動画】

専用チューンが施された「BMW M4 CS」の走行シーン。
様々な専用装備や専用チューンが施された「M4」の特別仕様車「M4 CS」が登場した。
BMW M社(BMW M GmbH)は、ハイパフォーマンスクーペ「M4」の特別仕様車「M4 CS」を発表した。専用のシャシーチューンが施され、3.0リッター直列6気筒ガソリンエンジンの最高出力は550PSに向上。エクステリアにはカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製コンポーネントが導入された。M4 CSの受注は2024年5月下旬からスタートし、7月からドイツ・ディンゴルフィングで生産される。

BMW M4 CS

ノルドシュライフェで7分21秒989を記録

専用チューンが施された「BMW M4 CS」の走行シーン。
M4 コンペティションと限定モデルのM4 CSLの間を埋めるモデルとして開発された「M4 CS」。エンジン、シャシーに専用チューンが施され、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおいて7分21秒989をマークした。

BMW M社は「M4 コンペティション」と、1000台が限定製造されるスペシャルエディション「M4 CSL」の中間に位置する「M4 CS」を投入。M4 CSは、4シーター仕様として日常的な使い勝手を確保しつつ、サーキットではMモデルらしいピュアなパフォーマンスを発揮する。

M4 CSは専用チューンが施された3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンに、8速ステップトロニック・トランスミッション(AT)とインテリジェント4WDシステム「M xDrive」が組み合わせられた。タイムラグのないパワーデリバリー、最適化されたトラクション性能により、0-100 km/h加速は3.4秒を実現している。

シフト操作は、センターコンソールのM専用ギヤセレクターレバーか、ステアリングホイールのカーボンファイバー製シフトパドルで行う。セレクターレバーに内蔵されたドライブロジック・ボタンを使うことで、ドライバーはトランスミッションのシフト特性を任意に変更することも可能だ。

レッドあるいはブラックにペイントされた専用キャリパーを備えた「Mコンパウンドブレーキ」を標準装備。オプションの「Mカーボンセラミックブレーキキャリパー」は、レッドあるいはマットゴールドのペイント仕上げが用意される。足元には専用V字スポークデザインの鍛造M軽量アロイホイールを標準装着、カラーはマットゴールドブロンズかマットブラックからチョイスすることができる。

エンジン特性、車両コンセプト、重量配分に合わせて、足まわりやシャシーは専用チューニングが施された。この結果、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで行われたパフォーマンステストでは、20.832kmのフルラップにおいて7分21秒989という公式タイムを記録している(下記公式YouTubeチャンネル参照)。なお、このタイムはCSLの7分20秒207に肉薄するタイムである。

専用チューンが施された3.0リッター直6ツインターボ

専用チューンが施された「BMW M4 CS」のエクステリア。
3.0リッター直列6気筒Mツインパワーターボエンジンは、独自の改良が施され、最高出力550PS、最大トルク650Nmを発揮。0-100km/h加速はわずか3.4秒、最高速は電子リミッターで302km/hに制限されている。

3.0リッター直列6気筒Mツインパワーターボエンジンは、M4 コンペティションよりも20PS(15kW)向上し、最高出力550PS、最大トルク650Nmを発揮。このエンジンはサーキットで最高のパフォーマンスを発揮することを目的に開発されており、レーシングカー「M4 GT3」用エンジンのベースにもなった。M4 GT3は2022年シーズンのドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)で王座を獲得し、2023年にはスパ・フランコルシャン24時間レースとドバイ24時間レースで総合優勝を飾っている。

パワーユニット開発には、BMW M社が積み上げてきたノウハウと、それを支える長年のレース経験を積極的に投入。鍛造軽量クランクシャフトは優れたねじれ抵抗も発揮し、抜群のパワーデリバリーを実現した。軽量化されたシリンダーボアにはワイヤーアーク溶射によるコーティングが施され、フリクションロスを低減。シリンダーヘッドには3Dプリントコア製法が導入され、従来の金属鋳造法では不可能だった、冷却水ダクトの最適なレイアウトが可能になった。

0-100km/h加速は3.4秒、0-200km/h加速は11.1秒。80-120km/hの中速域のスプリントは、4速で2.6秒、5速で3.3秒となる。「Mドライバーズ・パッケージ」が標準装備され、最高速度は電子リミッターにより302km/hに制限されている。

内外装に軽量高剛性のCFRPパーツを導入

専用チューンが施された「BMW M4 CS」のコクピット。
M3 CSは内外装に軽量化を目的にカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製コンポーネントが数多く導入された。

M4 CSのエクステリアデザインは、軽量化を目的に大幅なアップデートが施され、カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製コンポーネントを積極的に導入した。ボンネット、フロントスプリッター、フロントエアインテーク、エクステリアミラーキャップ、リヤディフューザー、ガーニースタイルのリヤスポイラーが、CFRP製となる。また、専用装備のカーボンファイバー製ルーフは軽量化だけでなく、車両の低重心を実現し、俊敏性とコーナリング時のダイナミクスが大幅に向上した。

インテリアは、センターコンソール、ステアリングホイールのシフトパドル、インテリアトリムエレメントをCFRP製を採用。また、Mカーボンバケットシートも標準装備されており、シートクッションとバックレストの構造要素、サイドボルスターとヘッドレストのカットアウトもCFRP製が導入された。

メリノレザー製のMカーボン・バケットシートは、ブラック/レッドのカラースキームとコントラストステッチを組み合わせた専用デザインとなり、バイカラー仕上げはリヤシートにも導入される。フロントのドアパネルとリヤのサイドパネルは、ブラックレザーの縁取りが入る。センターコンソールには「CS」のロゴがレッドで入れられ、アンスラサイトのヘッドライナー、カーボンファイバー仕上げのインテリアトリムストリップ、「M4 CS」の文字が刻まれたドアシルプレートなど、数多くの専用装備が奢られる。

オプションとして軽量化を目的に開発された「Mフロントエンド・ストラットブレース」の装着も可能。ストラットタワーとフロントセクションをつなぐ鋳造アルミニウム製エレメントは、軽量化に最適化されたジオメトリーを導入し、コーナリング時にハンドリングを向上させることができる。

さらにチタン製リヤサイレンサーの採用により、エキゾーストシステム全体で4kg以上軽量化を実現。軽量化設計を徹底したことで、M4 コンペティションと比較して約20kgの軽量化を達成した。

GT3レーシングカーを思わせるエクステリア

専用チューンが施された「BMW M4 CS」のエクステリア。
軽量化を目的に導入されたカーボンファイバー製コンポーネントをはじめ、専用デザインが奢られたキドニーグリルなどは、GT3レーシングカーをイメージしている。

エクステリアは個性的な専用デザインにより、そのシャープなキャラクターをアピール。BMWインディビジュアル・ペイント仕上げの「リビエラブルー」と「フローズン・マン・グリーン・メタリック(写真)」は、M4 CS専用カラーとなる。ルーフとボンネットに刻まれたくぼみはカーボンファイバーが露出し、その他のCFRP製エレメントと共に鮮やかなボディカラーと美しいコントラストを生み出している。

フロントセクションは、GT3レーシングカーを思わせる軽量化されたフレームレスBMWキドニーグリルを採用。専用デザインされたキドニーグリルは、赤い縁取りが入れられ、2本の水平グリルバーの上部に「M4 CS」バッジが配置された。フロントとトランクリッドの「M4 CS」バッジは、ブラックのサーフェイスにレッドの縁取りが入れられた。

ヘッドライトは、ウェルカム・ライト・アニメーション、ロービーム/ハイビームの点灯中に、ホワイトではなくイエローに点灯。これもGT3レーシングカーをイメージした仕様となる。テールライトは、ライトユニット内に複雑な光ファイバーバンドルが配置された「フリーフローティング」を導入。この3D効果が際立つテクノロジーはM4 CSLで初採用され、M4 CSにも採用されることになった。

「BMW M4 CS」を動画でチェック!

貴重な限定車「BMW M4 CSL」の富士スピードウェイ全開アタック実録ドキュメンタリー

BMW M社の創立50周年を記念して発売されたM4 CSL。クーペ・スポーツ・ライトウエイトの頭文字を車名に掲げる1000台限定モデルの実力を富士スピードウェイで試した。

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ゲンロクWeb編集部

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