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Jeep Wagoneer S Launch Edition
2024年に「ローンチ エディション」を販売
ジープ・ブランドは、グローバルマーケットに向けた初のバッテリー駆動電気自動車(BEV)「ジープ ワゴニア S」をワールドプレミアした。2024年秋から米国とカナダに先行投入され、その後、ヨーロッパやアジアなど世界市場での販売を開始する予定だ。米国においては、専用装備を搭載した「ローンチ エデイション(Launch Edition)」も導入される。
ジープ ワゴニア Sは、航続距離300マイル(約480km)を超えるEV専用モデルとして開発。最高システム出力608PS、最大トルク800Nm、0-60mph加速3.4秒というパフォーマンスを発揮する。先進のフル電動パワートレインと、ジープが独自開発したトラクションマネージメントシステム「セレックテレイン(Selec-Terrain)」を組み合わせたことで、あらゆる天候や路面状況に対応するフル電動クロスカントリー4WDが完成した。
ジープ・ブランドのアントニオ・フィロサCEOは、ワゴニア Sについて次のようにコメントした。
「フル電動モデルとして開発されたワゴニア S の発売は、ジープ・ブランドの歴史に新たな1ページを刻む存在となります。ジープ初のグローバルEVとして開発され、1世紀近くにわたる革新の歴史をベースに、まったく新しい世代のオーナーへと向けて開発されました」
「ジープらしさを備えつつも、100%フル電動モデルとしてのドライビング体験を提供します。EVからV型8気筒エンジンまで、幅広いパワートレインのラインナップを敷いたことで、お客様はかつてないほど自由に愛車を選択できるようになりました」
「STLAラージ」をベースに開発
ジープ ワゴニア Sは、ステランティスグループが開発した、Dセグメント/Eセグメント用EVプラットフォーム「STLAラージ(STLA Large)」をベースに開発。ジープの開発チームは、様々なサイズに対応が可能な「STLAラージ」の特徴を活かし、ボディサイズ、サスペンション、パワートレイン構成を調整し、ワゴニア S専用の開発を行った。
駆動方式はフル電動4WDとなり、多くのカスタマーがメインで使用するオンロードだけでなく、ジープに求められるタフな路面コンディションにおいても、落ち着いたドライビングダイナミクスを実現。ステランティスが独自設計した電動駆動モジュール(EDM)が前後輪を独立して駆動する。また、ジープが独自開発したセレックテレインにより、路面状況に合わせて「オート」「スポーツ」「エコ」「スノー」「サンド」という、5つのドライブモードから選択することができる。
ワゴニア Sに導入された「3-in-1 EDM」は、電気モーター、ギヤリング、パワーエレクトロニクスが、ひとつのコンパクトなユニットにまとめられた電動駆動モジュール。フロントEDMにはホイールディスコネクトが装備されており、巡航時にフロントへの駆動を切ることで、エネルギー消費を抑え、航続距離を伸ばすことが可能になった。
今回、騒音・振動レベルを低減し、快適なキャビンと滑らかな乗り心地を提供するため、ボディのねじれ剛性を従来の中型セグメントモデルから35%も向上。さらに優れた乗り心地とハンドリング、ドライバーの入力に対する俊敏なレスポンスを実現した。
効率的な400V/100kWバッテリーパックを搭載。DC急速充電器を使用することで、バッテリー残量20%から80%まで約23分で充電することができる。
SUVらしさと空力を両立したエクステリア
エクステリアデザインは、ジープが持つ伝統や革新性、洗練性を備えながらも、SUVらしいフォルムを実現。調和の取れたプロポーションや、効率性をもたらす高度なエアロダイナミクスをインテリジェントに組み合わせた、最新のジープ・スタイルが完成した。
フロントフェイシアは、新たにデザインされた「7スロットグリル」を中心に配置。エアフローと冷却用にあえて残されたグリルは、ライティングシステムが導入された。この「アンビエント・キャスト・ライティング」は、近代建築からインスピレーションを得ており、数百メートル先の道路からでも識別が可能だという。
滑らかなボンネットとウインドシールドの傾斜は空力を意識。傾斜したルーフラインは、肩持ち式のリヤスポイラーへと効率的にエアフローを流す効果を持つ。さらにフラッシュポケット・ドアハンドルや一体型フィンの導入ににより、Cd値は0.29を達成。これはジープ製モデルとしては過去最小レベルのCd値であり、平均的なSUVより約15%も優れた空力性能が確保されている。
米国市場において、 2024年モデルに設定される「ワゴニア S ローンチ エディション」は、エクステリアに専用のダークアクセントを装着。足元には20インチ・グロスブラックホイール、エクステリアの各部にはグロスブラックとダークニュートラルグレーのエクステリアエレメントが多数配置された。
今回、デザインチームはより環境に配慮した素材を採り入れるため、クロームメッキパーツを廃止。サテンペイントを施したアクセントトリムと、デュアルパネル式パノラミックサンルーフが、エクステリアのディテールを引き締めている。
テクノロジーと伝統が融合したインテリア
高級SUVに相応しい精緻なディテールやエレガントなトリム類などにより、テクノロジーと伝統が融合したインテリアを実現。パッセンジャーシート用スクリーンが導入され、トータルで45インチを超えるクラス最高のスクリーンスペースが確保された。
完全にデジタル化されたコクピットは、現代的なコントロールとインターフェイスを確保。視覚的に連続したディスプレイを備えたフロントキャビンは、ワインレッドのアクセントステッチにメタル・デコラティブトリムが組み合わせられた。また、12.3インチセンターディスプレイには、グレージング仕上げのクロスメタル・トリムが施されている。
フラットボトム形状のツインスポーク・ステアリングホイールには、ワインレッドのコントラストステッチ入り。新開発のカーボビニール抗菌加工が施されたことで、車内をより清潔に保つことが可能となっている。スタートボタンは、細かいテクスチャーパターンが施された亜鉛ダイキャストメタル製。今回、ジープ初採用となった電子ドアリリースは親指で軽く触れるだけで、簡単に作動させることができる。
ワゴニア S ローンチ エディションには、カスタマイズ可能なLEDアンビエントライトを標準装備。昼間・夜間の設定に加えて、最大64色まで好みのカラーでインテリアを彩ることができる。また、「アクティブ・ドライビング・アシスト」「交差点衝突防止アシスト」「居眠り運転検知機能」「交通標識認識機能」「サラウンドビューカメラ」など、充実のドライバーアシスタントシステムが標準搭載される。