ピレリが「ポルシェ 911 GT3 RS」用セミスリックタイヤ「P Zero Trofeo RS」を導入「F1やWRCの経験を還元」

ピレリは、ポルシェと共同で「911 GT3 RS」と「911 GT3」向けに4種類のスポーツタイヤを専用開発した。

ピレリは、ポルシェ 911向けに 4種類のスポーツタイヤを開発した。今回導入されるのは、ポルシェ 911 GT3 RS用の「P Zero Trofeo RS」と「P Zero Corsa」、911 GT3用の「P Zero Trofeo R」と「P Zero Corsa」。どのタイヤも公道とサーキットにおいて、安全で快適なドライブ体験を提供するために専用設計された。

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Pirelli P Zero Trofeo RS

公道とサーキットで最高の性能を発揮

公道における快適性を維持しつつ、サーキットではレーシングカーのようなパフォーマンスを発揮すべく、ピレリは「ポルシェ 911 GT3 RS」専用の「P Zero Trofeo RS」を開発した。

ポルシェ 911 GT3 RS用に導入された「P Zero Trofeo RS」は、ピレリの製品ラインナップにおいて最もパフォーマンスを重視のタイヤとして開発。ドイツの『Auto Bild Sportscars』誌が、911 GT3 RSでいくつかのタイヤを比較した際には、サーキット走行においてベストな公道走行可能セミスリックタイヤと評価されている。

タイヤ開発において、ポルシェ 911 GT3 RSはいくつかの技術的な課題をピレリに突きつけることになった。公道において快適性維持しながら、同時にサーキットでは空力特性と軽量性能を活かし、レーシングカーに近いパフォーマンスを発揮しなければならなかったのだ。

これらのまったく相反する要求は、フロント「275/35R20」、リヤ「335/30R21」という専用開発されたタイヤによって実現。セミスリックタイヤの「P Zero Trofeo RS」は、サーキットで高いパフォーマンスを発揮するように設計されており、「P Zero Corsa」はより公道走行指向のタイヤとなる。911 GT3 RS用の「P Zero Trofeo RS」は、911 GT3 用の「P Zero Trofeo R」よりも作動範囲が広く、F1などピレリのモータースポーツにおける様々な経験やデータがフィードバックされている。

これらの新タイヤは、素早いウォームアップ能力によりグリップがすぐに得られるため、ドライバーはサーキットにおいて、最初の数ラップから限界近くまでプッシュすることが可能。また、摩耗率が低いため、過酷な走行が求められるドライビングセッションが続いても、高い耐ストレス性が提供される。

これらの性能は、ダウンフォースがタイヤに掛かる状況でもサポートを保持する強化型内部構造、仮想シミュレーションによって最適化されたトレッドデザイン、ターマック用ラリーコンパウンドから派生した専用素材の採用によって実現した。また、「P Zero Trofeo RS」はドライ路面での優れたパフォーマンスに加え、ウエット路面でも高い安全性が確保されている。

「P Zero Trofeo RS」のベースとなった、911 GT3用の「P Zero Trofeo R」にもモータースポーツで磨かれたテクノロジーを導入。「P Zero Trofeo RS」は継続的な進化を遂げており、ポルシェ専用の最新バージョンでは、これまでの開発における最高峰レベルに到達したとピレリは胸を張る。「P Zero Trofeo R」と「P Zero Corsa」は、どちらも「255/35R20」と「315/30R21」の2サイズが展開される。