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Ford F-150 Lightning SuperTruck EV
予選においてオープンクラス新記録も樹立
第102回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにおいて、フォード・パフォーマンスは昨年の「スーパーバン 4.2」に続き、フル電動プロトタイプ「F-150 ライトニング スーパートラック EV」を投入。61台が参加した2024年のパイクスにおいて、ドライバーのロマン・デュマが8分53秒553を記録し、総合優勝を飾った。
デュマは、予選において2023年にスーパーバン 4.2が記録した3分39秒939を7秒以上も縮める、3分32秒831というオープンクラスの予選新記録を樹立。フォードのフル電動パワートレインの圧倒的なパフォーマンスをアピールすることになった。
最高の成績で2024年のパイクスを終え、フォード・パフォーマンスのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルークは次のように喜びを語った。
「フォードの電気自動車が最も過酷なレースに挑戦し、無事に走り切ったことは、私たちのチームがこのプログラムに懸命に取り組み、献身的に取り組んできたことの証と言えるでしょう。昨年のパイクスピークでは、スーパーバン 4.2から多くのことを学び、その知識を今年の走行に生かすことができました。ここから先も前進あるのみです」
臨機応変にトラブルを乗り越えたデュマ
ドライバーを務めたロマン・デュマは、ファイナルのヒルクライムセクションにおいてテクニカルトラブルに見舞われ、コース上で完全にストップ。このトラブルにより、予選タイムから約26秒ものタイムロスを強いられてしまう。しかし、デュマは素早い判断でこの問題を最小限に抑え、最高出力1600PSオーバーを誇るモンスターEVのシステムをリセットし、リスタートに成功した。
「フォード・パフォーマンスと共に、2024年のパイクスピークで優勝できたことを心から光栄に感じています。このイベントは他のレースとは異なり、一度しかチャンスがありません。すべての瞬間が挑戦となります。今回、レース序盤でトラブルに直面しましたが、残りの走行で失ったタイムを取り戻そうと、頑張ることができました」と、デュマはレースを振り返った。
F-150 ライトニング スーパートラック EVは、フル電動ピックアップ「F-150 ライトニング」からインスピレーションを得て、フォード・パフォーマンスとスタートアップ企業の「スタード(STARD)」社が共同で開発。前後に配置された大型エアロパーツは最高速240km/hでの走行時に6000ポンド(2721kg)ものダウンフォースを発揮する。コクピットにはスパルコ製レーシングハーネスと安全装備、足元には専用のピレリ P-Zeroタイヤを装着している。