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Koenigsegg Jesko Absolut
ストレートスピードを磨いた「アブソリュート」
スウェーデンのオレブロ飛行場で行われた今回のタイムトライアルにおいて、ケーニグセグのテストドライバーを務めるマーカス・ルンドが「ジェスコ アブソリュート」をドライブ。「ケーニグセグ レゲーラ」が2023年に同じ場所で記録した「0-400-0km/h」の世界記録28.81秒を、1秒近く更新する27秒83で駆け抜けた。
ジェスコ アブソリュートは、ストレートスピードに特化して設計。そのボディはフロント投影面積が最小化されており、高圧エアを放出するエアベントが小型化された。また、ダウンフォースを発生させるアクティブエアロを装備しないことで、ドラッグ(抵抗)を最小限に抑えることに成功した。この結果、ジェスコ アブソリュートのCd値はわずか0.278に留められている。
今回、ジェスコ アブソリュートは1回目のトライアルにおいて、静止状態から412km/hに達し、再び静止状態に戻るまでを27秒83で完了。公道走行可能な市販車として「0-400-0km/h」に加え、「0-400km/h=18秒82」「0-250-0mph=28秒27」「0-250mph=19秒20」という4つの世界記録を樹立した。
ロールケージとスポーツシートのみを追加
ケーニグセグは6月26日水曜日にオレブロ飛行場において予備走行を実施。この日は当初想定していた気温や路面温度よりも高く、記録更新に向けてわずかだが暗雲が立ち込めている。しかし、トライアル本番の6月27日午前5時には気温も路面温度も大幅に下がり、心配されていた風もなく、絶好のコンディションが広がった。
オレブロ飛行場に持ち込まれたジェスコ アブソリュートは、ファクトリーからラインオフした状態であり、追加のパフォーマンスアップは一切施されていない市販仕様。クルマに加えられた唯一の変更点は、ドライバーの安全を確保するロールケージと、4点式シートベルトを備えたバケットシートのみ。E85燃料が使用され、タイヤは標準的なミシュラン・パイロットスポーツカップ2 Rが装着された。
データの計測は、自動車業界標準のレースロジック(Racelogic)製GPSロガーを使用。タイムトライアル後、すべてのデータが英国のレースロジック本社において詳細に検証されている。
さらなる世界速度記録挑戦も予告
ケーニグセグの創始者兼CEOを務めるクリスチャン・フォン・ケーニグセグは、今回の記録達成を受けて次のように喜びを語った。
「この記録は、ジェスコ アブソリュートの計画性能の正確さを証明していると言えるでしょう。ホモロゲーションを取得した世界最速の市販車となったことは、私たちに大きな自信を与えてくれます。今後、さらにタイヤのテストと開発を進め、承認が得られれば、いよいよ最高速記録にも挑戦することができます。さらにそれと並行して、ジェスコ アタックがサーキットアタックも行う予定です」