日韓ホットハッチ比較「ヒョンデ アイオニック 5 N」と「トヨタ GRヤリス」

エンジン車「トヨタ GRヤリス」とEV「ヒョンデ アイオニック 5 N」の“驚くほどサイズが違う”日韓スポーツハッチバック対決

ヒョンデ アイオニック 5 Nとトヨタ GRヤリス
ヒョンデ アイオニック 5 Nとトヨタ GRヤリス
ヒョンデの誇るハイパフォーマンスEV「アイオニック 5 N」が日本上陸を果たした。前例のないモデルだけに比較対象が悩ましいところであるが、今回はあえてWRCで「ヒョンデ i20 N」(日本未導入)と熾烈な争いを演じる「トヨタ GRヤリス」をスペック面で比較してみることにした。

TOYOTA GR YARIS
X
HYUDAI IONIQ 5 N

決して“コンパクト”ではないアイオニック 5 N

写真ではコンパクトハッチバックのように見える「アイオニック 5 N」であるが、そのディメンションを見ると大型のSUVに匹敵する堂々たるボディサイズであることがわかる。特に、BEVであることを活かしたロングホイールベース(なんと3000mm)はアイオニック 5 Nの特徴であり、これは「メルセデス・ベンツ Eクラス」(2960mm)をもしのぐ数値となっている。

一方の「GRヤリス」はBセグメント車であり、まさにコンパクトハッチバックそのものと言えるディメンションだ。なかでも車両重量についてはアイオニック 5 Nよりも900kg以上も軽く、両車の違いを示す大きな要素となっていることがうかがえる。

ヒョンデ アイオニック 5 N

ボディサイズ=全長4715mm×全幅1940mm×全高1625mm
ホイールベース=3000mm
車両重量=2210kg
タイヤサイズ=275/35ZR21

トヨタ GRヤリス RZ ハイパフォーマンス

ボディサイズ=全長3995mm×全幅1805mm×全高1455mm
ホイールベース=2560mm
車両重量=1300kg
タイヤサイズ=225/40ZR18

最高出力と最大トルクはアイオニック 5 Nが圧倒的

両車のパワートレインは根本から大きく異なるが、それを承知でスペックを比べてみると、システム最高出力650PSを誇るアイオニック 5 Nに対してGRヤリスは304PSと半分以下の数値となっている。また、アイオニック 5 Nは電気モーターの特性を活かし、発進時から強大なトルクを発生することも大きな特徴だ。

ただ、前述のとおり、両車の車両重量には900kg以上の差があることを考えると、このスペックの差がそのままパフォーマンスの差となることはないだろう。

ヒョンデ アイオニック 5 N

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=57.8kW(前)101kW(後)
システム最高出力=650PS[238PS(前)412PS(後)]
最大トルク=770Nm[370Nm(前)400Nm(後)]
トランスミッション=1速AT
駆動方式=AWD

トヨタ GRヤリス RZ ハイパフォーマンス

エンジン形式=直列3気筒インタークーラー付きターボ
排気量=1618cc
最高出力=304PS/6500rpm
最大トルク=400Nm/3250-4600rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

どちらもコストパフォーマンスは高い

どちらも量産車をベースモデルとしているだけに、スペックに対するコストパフォーマンスはかなり優れている。そのうえで両車の価格差を生み出しているのは、ボディサイズの違いやパワートレインの違いにあると言えそうだ。なお、アイオニック 5 Nは地域によって補助金を活用することができるため、両車の実質的な差はさらに小さくなる。

車両本体価格

ヒョンデ アイオニック 5 N 858万円
トヨタ GRヤリス RZ ハイパフォーマンス 533万円

500台のみという、ただでさえレアなGRMNヤリスだが、中でも50台限定の「マットスティールグレー」3台が千葉までツーリングするというので広報車の赤いGRヤリスで追っかけた。

GRMNヤリスとGRヤリスを比較試乗「911だったらGT2 RSとターボSくらい違う!」

クルマ好きならちょっと気になる「トヨタ GRヤリス」だが、それをベースに仕上げられた「GRMNヤリス」はもっと気になるだろう。メーカー製チューンドカーとはいかなる世界か? わずか50台限定の「マットスティールグレー」を試乗して体感した。

ヒョンデが展開するスポーツブランド「N」初のハイパフォーマンスEV「アイオニック5N」に試乗した。

「車内外にエキゾーストサウンドが轟く?」フル電動ハッチバック「ヒョンデ アイオニック 5 N」に試乗

昨年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、ヒョンデが発表したアイオニック5Nが日本に上陸した。ヒョンデが展開するスポーツブランド「N」初のハイパフォーマンスEVに試乗した。(GENROQ 2024年7月号より転載・再構成)

キーワードで検索する

著者プロフィール

ピーコックブルー 近影

ピーコックブルー

クルマやバイクの分野では日本最大級の記事配信数を誇るコンテンツ・プロダクション。ビギナー向けのやわ…