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Porsche 963
レース前半でまさかのアクシデント
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが投入した2台の「ポルシェ 963」は、サンパウロ6時間レースを2位と3位でフィニッシュした。この結果により、ポルシェは、マニュファクチャラーズ選手権で首位をキープ。2位に入った6号車のエストレ、ロッテラー、ヴァントールは、ドライバーズ選手権におけるリードを拡大している。
グランプリサーキットのインテルラゴスで開催された第5戦は、レースウイーク前半の肌寒さから一転、暖かい日差しと25℃という比較的過ごしやすいいコンディションのもと行われた。7万3205人の大観衆が見守る中、10年ぶりにブラジルでのWEC開催を実現したサンパウロ6時間レースは、多くのオーバーテイクを含む最高のショーが繰り広げられることになった。
予選3番手からスタートした、5号車963のフレデリック・マコヴィッキィは序盤3番手をキープ。チームメイトの6号車を駆ったヴァントールはスタートで遅れをとったものの、すぐに5番手まで順位を挽回する。ところが、その後4番手を争っていたハーツ・チーム・ジョタのポルシェ 963と接触。その結果、パンクにも見舞われ、早めのピットインを余儀なくされた。
素晴らしい追い上げで2位を獲得
2時間のスティントを終えた6号車のヴァントールは、7番手でロッテラーへとバトンタッチ。3度のル・マン総合優勝を誇るロッテラーが素晴らしい追い上げを披露する。最終スティントを担当したエレトレは「トヨタ GR010 ハイブリッド」8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)に続く2位でフィニッシュを果たした。
「選手権争いを考えると、完璧な結果になりました。正直、2位は予想もしていませんでしたし、本当に嬉しいです。レース序盤、残念なことにハーツ・チーム・ジョタのマシンと不必要な接触がありました。それでも、僕たちは追い上げて、世界選手権でのリードを広げることができたのです。これ以上の結果はありません」と、ヴァントールは笑顔を見せた。
また、3位で走り切った5号車のクリステンセンは、「何事もなくラップを重ねるつもりでしたが、GTカーから接触されたり、様々な出来事に見舞われました。また、上位を争う全車が異なるタイヤ戦略を採っていたことが、レース中の順位変動につながりましたね。ただ、今日はトヨタが強かったですね。2位と3位が可能な限りベストを尽くした結果だと思っています」と、冷静にレースを振り返った。