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Porsche Cayenne
2030年以降も3種類のパワートレインを展開
第4世代のポルシェ カイエンは、フル電動モデルとして2025年にデビューを飾る。今回、ポルシェが初公開したプロトタイプは厳重なカモフラージュが施された状態で厳しいテストプログラムを実施。ポルシェは同時に、パワフルなハイブリッドモデルと内燃エンジンモデルの開発も行っており、2030年以降もカイエンは3種類のパワートレインが展開される予定だ。
カイエンは20年以上にわたり、ポルシェらしい走行性能、日常域における快適性、オフロードでの走破性など、幅広い能力で高い評価を受けてきた。今後もカイエンはこのサクセスストーリーを継承し、モデルに装備されてきた機能をすべて引き継いでいくという。ポルシェAGのオリバー・ブルーメCEOは次期カイエンについて、次のようにコメントした。
「2025年頃にはカイエンが第4世代へと進化します。このフル電動SUVが、このセグメントのスタンダードになるでしょう。同時に2030年代には、パワフルで効率的な内燃エンジンモデルとハイブリッドモデルを幅広くラインナップする予定です」
現行型カイエンも継続販売を予定
2024年、フルモデルチェンジに近いアップデートが施された現行型カイエンは、今後もさらなる改良が施され、第4世代のフル電動モデルと並行販売される予定だ。
ポルシェ史上最大規模の改良が施された3代目カイエンは、今後も多額の技術投資によってさらに開発が進められる。改良はパワートレインが中心となり、ツッフェンハウゼンのエンジン工場で製造するV型8気筒ツインターボエンジンの効率向上を中心に行われる。改良のメニューには、将来的な法規制にも対応できるよう、広範な技術的対策が施されるようだ。
現行型を販売しつつ、完全な新規開発モデルとして投入される4代目カイエンは、ポルシェにおける電動モデルのラインナップ拡大に大きく寄与することを目的としている。「私たちが掲げる製品戦略は、カスタマーの需要や世界の各地域における電動モデルの普及に応じてですが、2030年には新車の80%以上をフル電動化することが可能となるでしょう」と、ブルーメは付け加えた。
公道での実走テストを開始した電動カイエン
フル電動化される次期カイエンは、800Vアーキテクチャを採用した「プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)」をベース。アウディと共同開発したPPEは、フル電動モデルに生まれ変わった新型マカンで初採用された。
次期カイエンの開発目標として、ポルシェらしい走行キャラクターに加え、大容量で安定した充電性能、高い効率性、そして高いレベルの快適性が掲げられている。ポルシェAGの研究開発担当役員、ミヒャエル・シュタイナーは現状を次のように説明する。
「PPEアーキテクチャの柔軟性により、高電圧システム、パワートレイン、シャシーの各分野において最新技術を統合することができるようになりました。私達は電動化の可能性を活用し、カイエンをさまざまな面、例えば走行性能に関してはまったく新たなレベルへと引き上げる予定です」
デジタル開発、ヴァイザッハ開発センターのテストコースでの初期テスト走行を経て、カモフラージュを施された次期カイエン初のプロトタイプがファクトリーを後にした。プロトタイプは気候や地形のきわめて厳しい条件のもと、世界中で数百万kmのテスト走行を行う予定。カイエン生産ライン担当副社長のミヒャエル・シェッツレは、実走テストについて次のようにコメントした。
「実走行テストが始まりました。これは開発プロセスにおける最も重要なマイルストーンのひとつです。このようにして、私達の高い品質基準に従って、ハードウェア、ソフトウェア、そして車両のすべての機能の耐久性と信頼性を確保することになります」