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VOLKSWAGEN PASSAT
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BMW 3 SERIES TOURING
メーカーのアイデンティティがそのまま具現
両車の立ち位置の違いは明白だ。「フォルクスワーゲン パサート」は日常での使い勝手を最大限に意識したモデルで、「BMW 3シリーズ ツーリング」はステーションワゴンにおいてもスポーティさを重視したモデルだ。これはブランドアイデンティティの差でもある。
ボディサイズを比べてみると、パサートのほうが3シリーズより195mmも長い。ルーフが長く、優雅なスタイリングが特徴となるステーションワゴンだが、ゆえにリヤ部分のデザインは重要。パサートはリヤ部分を長く取り、エレガントなスタイリングに仕立てている。
3シリーズ ツーリングは、リヤ部分のボリュームを絞ってスポーティに見せており、3シリーズのスポーティなイメージをそのままステーションワゴンに落とし込んでいるといえよう。
VW パサート eTSI Elegance Basic
ボディサイズ=全長4915mm×全幅1850mm×全高1500mm
ホイールベース=2840mm
車両重量=1570kg
タイヤサイズ=215/55R17
BMW 318i ツーリング Mスポーツ
ボディサイズ=全長4720mm×全幅1825mm×全高1450mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1610kg
タイヤサイズ=225/45R18
パワートレインにもアプローチの違いが
エンジンはパサートが1.5リッター直列4気筒ターボ、318iツーリングが2.0リッター直列4気筒ターボとなる。だがパサートはターボに可変ジオメトリー式を採用、318iツーリングの2.0リッターターボにほとんど遜色のないパワーとトルクを実現している。さらにパサートはエンジンにモーターを組み合わせるマイルドハイブリッドであり、発進の際にはモーターの力強いアシストが働く。動力性能の面では318iツーリングといい勝負をするだろう。
その一方でトランスミッションと駆動方式は大きく異なる。パサートは7速DCT、318iツーリングはオーソドックスなトルコン式8速ATとなっている。もはやダイレクト感や変速時のショックに大きな違いはないかもしれないが、1速多いギアは高速走行時の燃費などに影響を及ぼすかもしれない。駆動方式はパサートが前輪駆動(FWD)、318iツーリングは後輪駆動(RWD)となる。
VW パサート eTSI Elegance Basic
エンジン形式=直列4気筒DOHCターボ
排気量=1498cc
最高出力=150PS/5000〜6000rpm
最大トルク=250Nm/1500〜3500rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=FWD
BMW 318i ツーリング Mスポーツ
エンジン形式=直列4気筒DOHCターボ
排気量=1998cc
最高出力=156PS/4500rpm
最大トルク=250Nm/1300〜4300rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD
両車の価格差は妥当なもの
普及ブランドであるフォルクスワーゲンのパサートが500万円以上というのは割高に思えるが、昨今の物価上昇や円安を考えると致し方のないところかもしれない。
一方の318iツーリングの価格は650万円を超えてくる。ただBMWはプレミアムブランドなので、このあたりの価格設定が妥当なのだろう。そこにはスペックには表れない走りのよさや、高級装備の数々が含まれてくるからだ。