「マクラーレン アルトゥーラ トロフィー EVO」2025年シーズンから登場

マクラーレンのワンメイクレースカー「アルトゥーラ トロフィー EVO」を発表「最高出力が620PSに向上」

最高出力が620PSに引き上げられ、新形状の前後フェンダーを採用したワンメイクレーシングカー「マクラーレン アルトゥーラ トロフィー EVO」が発表された。
最高出力が620PSに引き上げられ、新形状の前後フェンダーを採用したワンメイクレーシングカー「マクラーレン アルトゥーラ トロフィー EVO」が発表された。
マクラーレン・モータースポーツは、2025年シーズンから投入される新型ワンメイクレーシングカー「アルトゥーラ トロフィー EVO」を発表した。3.0リッターV型6気筒ツインターボがパワーアップ、ワイドタイヤとサスペンションのアップデートにより、パフォーマンスレベルの大幅な向上を実現している。

McLaren Artura Trophy EVO

「プッシュ・トゥ・パス」を導入

3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンの最高出力が585PSから620PSにパワーアップ。この増加分は、レース中に「プッシュ・トゥ・パス」ボタンによって発揮される。これにより、オーバーテイクが増加することになりそうだ。
3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンの最高出力が585PSから620PSにパワーアップ。この増加分は、レース中に「プッシュ・トゥ・パス」ボタンによって発揮される。これにより、オーバーテイクが増加することになりそうだ。

パワーとグリップレベルが向上した新型「マクラーレン アルトゥーラ トロフィー EVO」は、2025年シーズンから、ワンメイクレースシリーズ「マクラーレン・トロフィー・ヨーロッパ」と「マクラーレン・トロフィー・アメリカ」に導入される。

アルトゥーラ トロフィー EVOは、3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンの最高出力が585PSから620PSにパワーアップ。この最高出力は、一時的に出力を向上させ、オーバーテイクをしやすくする「プッシュ・トゥ・パス」ボタンにより発揮される。レース中のどのタイミングでプッシュ・トゥ・パスを使用するのか、レース戦略がより複雑化することになりそうだ。

この向上したパワーに合わせたワイドタイヤを収めるため、フェンダー形状を変更。ブレーキとエンジンの冷却性能を向上させるべく、フロントバンパーとボンネットのアウトレットにも改良が施され、主にフロントセクションのエアロダイナミクスがアップデートされた。

ワイド化されたホイールアーチには、フロントに285、リヤに315のワイドタイヤを装着。フロントアーチにはフロントリフトレベルを低減する大型ルーバーが組み込まれた。足まわりには2ウェイ・アジャスタブルダンパーと、よりハードなアンチロールバーを導入。バットレススクープが追加されたことでリヤブレーキの冷却性能も改善し、新型ビレット・アップライトによりブレーキフィールが向上した。

アルトゥーラ トロフィー EVOは、生産モデルをベースに製造。すでに販売されたアルトゥーラ GT4、アルトゥーラ トロフィーも「EVO」仕様へとアップデートすることができる。

プロドライバー向け新クラスを導入

マクラーレン・トロフィーは、ジェントルマンドライバーだけでなく、よりレベルの高いGTレース参戦を目指すプロドライバー向けの新カテゴリー「プロ・クラス」が、2025年シーズンから導入されることになった。
マクラーレン・トロフィーは、ジェントルマンドライバーだけでなく、よりレベルの高いGTレース参戦を目指すプロドライバー向けの新カテゴリー「プロクラス」が、2025年シーズンから導入されることになった。

大幅なパフォーマンスアップを果たしたアルトゥーラ トロフィー EVOの投入に合わせて、2025年シーズンのマクラーレン・トロフィー・ヨーロッパとマクラーレン・トロフィー・アメリカには、シルバークラスドライバーへと門戸を開く「プロクラス」が導入される。

この新カテゴリーは、GTシリーズでのキャリアを目指すプロフェッショナルドライバーの育成を目的としている。また、26歳以下のマクラーレン・トロフィー・シルバークラスドライバーは、マクラーレン・トロフィー・アカデミーへと自動的に登録されることになった。

マクラーレン・トロフィー・アカデミーは、将来のチャンピオンドライバーを発掘・育成することを目的とした育成プログラムで、レースウィークにワークショップを開催。ワークショップでは、ドライビングスキル、モータースポーツエンジニアリング、メディアトレーニングなどをテーマに、マクラーレン・モータースポーツスタッフによるレクチャーが行われる。

マクラーレン・オートモーティブ、MSO/モータースポーツ担当ディレクターを務めるミック・マクドナーは、2025年シーズンに向けたシリーズのアップデートについて次のように説明を加えた。

「2025年からヨーロッパに続き、マクラーレン・トロフィー・アメリカがスタートします。合わせて、マクラーレン・モータースポーツは、チームやドライバーからのフィードバックをベースに、新型アルトゥーラ トロフィー EVOを開発しました。さらにプロクラスとマクラーレン・トロフィー・アカデミーの導入により、選手権はさらにスリリングでエキサイティングな展開を見せてくれるでしょう」

アルトゥーラ スパイダーはオープンになるだけでなくパワートレイン系の進化を実現した。

20‌PSアップで最高出力700PSとなった「マクラーレン アルトゥーラ」のスパイダー版

環境性能を両立した新時代のスーパースポーツとして人気の「マクラーレン アルトゥーラ」に新たにスパイダーが加わった。ただオープンボディになるというだけでなく、もはやマイナーチェンジと言っても良いくらいの進化を実現しているのだ。(GENROQ 2024年5月号より転載・再構成)

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ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…