「オニツカタイガー」が初のドライビングシューズを開発

日本発のファッションブランド「オニツカタイガー」が初のドライビングシューズを開発

日本発のファッションブランド、オニツカタイガーが初のドライビングシューズを開発したという。オニツカタイガーの魅力と新開発のドライビングシューズの詳細と実力を、今月から3回連続でお伝えしていこう。
日本発のファッションブランド、オニツカタイガーが初のドライビングシューズを開発したという。オニツカタイガーの魅力と新開発のドライビングシューズの詳細と実力を、今月から3回連続でお伝えしていこう。
日本発のファッションブランド、オニツカタイガーが初のドライビングシューズを開発したという。オニツカタイガーの魅力と新開発のドライビングシューズの詳細と実力を、今月から3回連続でお伝えしていこう。(GENROQ 2024年10月号より転載・再構成)

The story of Onitsuka Tiger

グローバルに展開するファッションブランドとして

オニツカタイガーと聞いて、どんな靴をイメージするだろうか。子供の頃に履いていたバスケットボールシューズかマラソンシューズか、はたまた女優のユマ・サーマンが映画『キル・ビル』の劇中で履いていたイエローのシューズか。もしそうならば、少しばかり情報をアップデートした方がいいかもしれない。いまやオニツカタイガーは単なるシューズブランドではない。国内のみならずフランス・パリ、イギリス・ロンドンなどをはじめ、グローバルに展開する、ファッションブランドへと変容している。

オニツカタイガーは戦後まもない1949年に、青少年の育成のためにとスポーツシューズづくりを決意した鬼塚喜八郎によって創業された。強さと敏捷さを併せもった、アジア最強の動物である“タイガー”と命名したという。早くも1960年代には海外進出を果たす。あのナイキは1960年代にオニツカタイガーの米国輸入販売代理店として創業し、同社からシューズづくりのノウハウを学んだというのは有名な話だ。

ユマ・サーマンが『キル・ビル』で着用

1966年には、1968年のメキシコ大会に向けて開発された「リンバー」が登場し、メキシコライン(現オニツカタイガーストライプ)が誕生する。そして1977年にオニツカとスポーツウエアを手がけるジィティオ、ニットウェアを手がけるジェレンクの3社が対等合併し、総合スポーツ用品メーカーのアシックスを設立。オニツカタイガーブランドは一時休止してしまう。

しかしレトロブームを追い風に2002年、オニツカタイガーブランドはファッションブランドとして復刻を遂げ、不朽の名作「メキシコ 66」をリリースする。翌年には先出の『キル・ビル』でユマ・サーマンがヴィヴィッドなイエローのシューズ「タイチ」を着用し大きな話題をよんだ。この頃から、競技用スポーツブランドのアシックスとはまったく別ブランドとして棲み分けが行われ、オニツカタイガーはファッションブランドとして世界的に認知を高めていくことになる。

ミラノコレクションでランウェイショー

ブランドとしての第2章をスタートさせるやいなや快進撃が始まる。東京・代官山に直営店第一号となる「オニツカタイガー東京」をオープン。その後シドニー、パリ、ロンドン、アムステルダム、ベルリンと海外で一気に直営店を展開。オニツカタイガーの成功などもあり2005年には同社の海外売上比率が50%を超え国内売上高を上回った。

2008年には日本のものづくりの素晴らしさを発信すべく、素材、染めや製法など細部にまで日本製にこだわった「ニッポンメイド」シリーズを発表。2012年にはイタリア人デザイナー、アンドレア・ポンピリオとの協業を開始。翌年にはアパレルやアクセサリーなどへと商品展開を拡大する。これがのちにモードなデザインを特徴とし、ミラノコレクションでランウェイショーを行う新ライン「イエローコレクション」へと発展していく。

ありそうでなかった新作が発表

現在オニツカタイガーはこのイエローをはじめ、ブランドを代表するモデル、メキシコ 66などヘリテージスタイルを展開する「レッドコレクション」、エレガントで新しいフェミニンスタイルを提案​する「OTIGER」、クラシックなレザーシューズの上品さとスニーカーの快適性を巧みに融合したドレスラインの「ジ・オニツカ」の4つのラインで展開している。2020年にはイタリア・ミラノに、翌年には世界最大のフラッグシップストア「オニツカタイガー リージェントストリート ロンドンフラッグシップ」をオープン。

そして創業75周年を迎える今年、(奇しくもポルシェとは1年違い)これまでありそうでなかった新作が発表される。ドライビングシューズだ。競技用のレーシングシューズはこれまでにもあったが、オニツカタイガーの手にかかるとどのようなものになるのか。次回はその開発秘話に迫ってみたいと思う。

REPORT/藤野太一(Taichi FUJINO)
PHOTO/藤井元輔(Motosuke FUJII)
MAGAZINE/GENROQ 2024年10月号

【公式オンラインストア】
https://www.onitsukatiger.com/jp/ja-jp/

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藤野太一 近影

藤野太一