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Lamborghini Huracan Super Trofeo EVO2
抜群のピット戦略を見せたヴァン・ダー・ドリフト
8月17日朝に行われた予選でポールポジションを獲得したのは、アブソルート・レーシングから参戦するクリス・ヴァン・ダー・ドリフト。プロアマクラスのタイトルを狙うプロモーション・レーシングの元嶋佑弥/河野駿佑、DWイベンツGTのダン・ウェルス/エミリエン・カーデを上まわって見せた。17日午後に行われたレース1決勝レースは、激しく降る雨の中スタート。ウェルスと元嶋が先行し、一歩出遅れたヴァン・ダー・ドリフトが続く。
レースが進むと、ヴァン・ダー・ドリフトが反撃に転じ、前を走行する元嶋との差を一気に詰めると、その後はサイドバイサイドの激しいバトルが展開される。ピットウィンドウがオープンとなる直前、ヴァン・ダー・ドリフトが元鳩をパスし、2番手に浮上。さらに前を走るウェルスに迫ってみせる。後方ではアロウズ・レーシングのジェイズマン・ジャファーが、SQDAグリッド・モータースポーツのブライアン・リー・チャングーを抜き、4番手に順位を上げた。
ランボルギーニ・スーパートロフェオではレース中に1回以上のピットストップが課されているが、首位のウェルスは許されるギリギリまでコースに留まった。しかし、アブソルート・レーシングのピット戦略が完璧にハマり、ウェルスからバトンを受けたカーデは、シングルドライバーとして参戦するヴァン・ダー・ドリフトの後方でコースに復帰することになった。
ヴァン・ダー・ドリフトが着実に2番手以下との差を広げた一方、素晴らしい勢いを見せたのが、アロウズ・レーシングから参戦するギャビン・ハング/ジョナサン・チェコットのコンビ。ハングは前半のスティントで素晴らしい走りを見せて、12番手から8番手までジャンプアップ。チェコットへとスイッチすると、勢いに乗って4番手までポジションを上げてみせる。さらに、元嶋から交代した河野をオーバーテイクして3番手に浮上、2番手を走行するカーデをも射程圏内に捕らえる。
ヴァン・ダー・ドリフトは後半もペースを緩めることなく、トップフィニッシュ。第3戦インジェ・スピーディウムから続く連勝記録を3に伸ばした。チェコットはフィニッシュ直前でカーデをパスし、ハング/チェコット組が2位。3位にウェルス/カーデ組、4位に元嶋/河野組が入った。
波乱の展開でウェルス/カーデ組が勝利
前日から一転、真夏の太陽が降り注ぐなか、18日午後にスタートしたレース2決勝レース。ポールポジションからスタートしたヴァン・ダー・ドリフトは、またもスタートの混乱に巻き込まれてしまう。抜群の蹴り出しを見せたチェコットと河野に詰め寄られ、3台が並んで1コーナーへと進入。この接戦を抜け出したチェコットがヴァン・ダー・ドリフトを従えてトップに立つと、河野を引き離しにかかる。 SJMアイアン・リンクス・セオドアレーシングの小山美姫(チャールズ・レオンとコンビ)が4番手で続く。
河野をパスした小山が3番手に順位を上げると、前を走るチェコットとヴァン・ダー・ドリフトを追う。首位を走るチェコットは順調にレースをリードしていたが、ヴァン・ダー・ドリフトが猛追。すると、その直後にチェコットのウラカン スーパートロフェオ EVO2がボールベアリングトラブルでスローダウン。ヴァン・ダー・ドリフトが労せずして首位に立った。
首位のヴァン・ダー・ドリフトは、ピットウィンドウがオープンになると、いち早くピットイン。2番手をキープした小山はチャールズ・レオンへとステアリングを託した。その後方では、着実にポジションを上げたDWイベンツGTのウェルスが3番手に浮上している。
順調に首位を走行していたヴァン・ダー・ドリフトだったが、ピットレーンの速度違反によりドライブスルーペナルティを受けてしまう。これで2番手につけていたレオンが首位に立つ。しかし、残り5分の段階でウェルスがレオンをパスし、トップに立つと、そのままフィニッシュ。ウェルス/カーデ組が勝利を飾った。2位に小山/レオン組、レース終盤、目を見張るような追い上げを見せたヴァン・ダー・ドリフトが3位表彰台を手にしている。