3.0リッター直6ツインターボ搭載BMW「4シリーズクーペ」「Z4」で行くバイエルンアルプスの旅

バイエルンアルプスのワインディングで最新世代BMWの「M440i xDrive」「Z4 M40i」が真価を発揮

バイエルンアルプスのドライブツアーに参加した「M440i xDrive クーペ」のエクステリア。
アップデートを実施した4シリーズとZ4のパフォーマンスを堪能すべく、BMWはドイツ、オーストリア、イタリアをまたぐバイエルンアルプスのドライブツアーを行った。
BMWは、3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンを搭載する「M440i xDrive クーペ」「M440i xDrive コンバーチブル」「Z4 M40i」による、バイエルンアルプスの麓からオーストリアのチロル地方を経て、北イタリアのドロミテまでを辿ったロードトリップを実施した。

BMW M440i xDrive Coupe

ドイツ南部から国境を超えてドライブ

バイエルンアルプスのドライブツアーに参加した「M440i xDrive コンバーチブル」のエクステリア。
ツアーの起点となったのは、バイエルンアルプスの麓にあるテーゲルン湖。ここから国境を超えて、オーストリア、イタリアへと向かった。

2024年、BMWの「4シリーズ クーペ」「4シリーズ コンバーチブル」そして「Z4」に内外装を含めたアップデートが実施された。フレッシュなデザインと、洗練されたディテールを数多く備えたスポーツモデルは、ドライバーを新たな旅へと誘ってくれる。今回、BMWは3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンを搭載する「M440i xDrive クーペ」と「M440i xDrive コンバーチブル」そして「Z4 M40i」を、美しい山々が連なるバイエルンアルプスへと持ち込んだ。

旅の始まりはバイエルンアルプスの麓、灰色のベールに覆われたドイツ南部のテーゲルン湖。湖の南岸に沿ったルートは、時折吹き荒ぶ突風と鋭い雨に見舞われることになった。シェンゲン協定(EU域内での移動の自由を許可する協定)の導入以来30年近くが経ち、かつての国境検問所を見ることはない。3台はオーストリアとの国境を越える前に、伝統的な温泉の街クロイトを通過した。

このルートにおける最初のハイライトは、アッヘン湖に沿った全長約10kmの湖岸道だ。M440i xDrive クーペとM440i xDrive コンバーチブルが搭載する3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンは8速AT(ステップトロニック・スポーツトランスミッション)が組み合わせられ、最高出力379PSを発揮。一方、最高出力344PSのZ4 M40iには、6速MTが組み合わせられ、ダイレクトなドライビングを楽しむことができる。

マウラッハで右折すると、すぐにイェンバッハに到着。ここからインスブルックへと向かうインバレー・モーターウェイへと直接アクセスできる。しかし、雲の切れ間から日差しが見え始めたため、並行する田舎道にルートを変更した。イェンバッハー・ミュージアムを過ぎた辺りでランナバウトをまわり、M440i xDrive コンバーチブルとZ4 M40iのソフトトップを収納。爽やかなオープンエアを楽しむことにしよう。

スキーのメッカ、インスブルックへ

バイエルンアルプスのドライブツアーに参加した「Z4 M40i」のエクステリア。
バイエルンアルプスを望むオーストリア側の拠点が、1964年に冬季オリンピックが開催されたインスブルック。現在でもスキーノジャンプのビッグイベントが行われるなど、スキーのメッカとして知られている。

オーストリアに入り、チロル州の州都インスブルックに到着。ここではアップデートされたクーペ、コンバーチブル、ロードスターのエクステリアを堪能することにしよう。4シーターの2モデルには、特別仕様車「M4 CSL」のスタイルを採り入れたヘッドライトとテールライト、そして新しいエクステリアカラーが導入された。

Z4 M40iは、特別仕様車の「ピュア・インパルス・エディション(Pure Impulse Edition)」がチョイスされており、専用のフローズン・ディープグリーン・メタリック(写真)に加え、7種類のペイント仕上げが用意されている。3台ともハイグロス・ブラックのエクステリアミラー・キャップに加えて、足元にはダークカラーのM軽量アロイホイールが装着された。

インスブルックの市街地を走行していると、郊外にあるベルギーゼル・スキージャンプアリーナが何度も目に飛び込んでくるだろう。このジャンプ台は、毎年開催される伝統のスキージャンプのビッグイベント「4ヒルズ・トーナメント」の舞台として知られており、2002年から2003年にかけて全面的に改修された。設計はイラク出身の建築家、ザハ・ハディッド。日本では新国立競技場のコンペ参加で注目を集めた彼女は、ライプツィヒにあるBMWグループのセントラルビルの設計も担当している。

インスブルックから向かったブレンナー峠の旧道は、時折短いストレートを挟みながらワインディングロードが続き、のんびりとクルージング楽しむには最高のロケーション。オーストリアとイタリアの国境、標高1400m近いブレンナー峠までは約35km、1971年にブレンナー・モーターウェイが全線開通するまで、この旧道がオーストリアとイタリアを結ぶ南北の主要連絡路だった。

この歴史的なルートを辿れば、その途中にあるヨーロッパ橋も眺めることができる。地上190mに位置するオーストリアで最も高い位置に架けられた高速道路橋は、パッチュとシェーンベルク間のヴィップ渓谷に架けられている。

イタリア風情が華やかな南チロルへ

バイエルンアルプスのドライブツアーに参加した「M440i xDrive コンバーチブル」のエクステリア。
ヤウフェン峠を越え、オーストリアからイタリアへ。イタリア側の南チロル地方に入ると、街の雰囲気にイタリアらしさが現れ始めた。

ブレンナー峠を越えるルートは、3ヵ国にわたる今回のドライビングツアーで最もチャレンジングな行程だ。シュテルツィングからメラーノへの最短ルートは、標高2100mのヤウフェン峠も越えなければならない。蛇行するカーブが続く約50kmは、3台の異なるドライビングコンセプトを比較するのにぴったりの舞台となった。

M440i xDrive クーペとM440i xDrive コンバーチブルが搭載する、8速ATは、タイトコーナー手前で急ブレーキをかけた後でも常に適切なギヤに変速し、コーナーの出口からダイナミックに加速。一方、Z4 M40iは理想的なエンジン回転数を得るためにも、ドライバー自身が6速MTを操作し、適切なギヤを選択しなければならない。まさにドライバーの腕の見せ所だ。

ザンクト・レオンハルト・イム・ピッツタールを越えると、いよいよこのツアーの終着点が見えてきた。ヤウフェン街道は、大きくカーブしながらパッセイエ渓谷へと下っていく。国境を超えるとイタリア屈指の人気温泉地、メラーノに到着する。この辺りに入ると、オーストリアからイタリアに入ったと、誰もが感じられるようになる。この地域はサイクリング、ハイキング、登山が盛んであり、地中海文化の影響が街の景観にも現れるようになった。

一行はメラノとボルツァーノを結ぶ幹線道路38号線「MeBo」を進む。このルートはラナ、テルラン、エパンを通過し、エッチタール渓谷を抜けて、南チロルのドロミテへと続く。さて、ここから北へ戻るか、それとも太陽に向かって南下するか……。ソフトトップが開いている限り、その選択に迷うことはないはずだ。

内外装をアップデートした、新型「BMW 4シリーズ」の日本における販売がスタートした。

新型「BMW 4シリーズ クーペ」「4シリーズ カブリオレ」日本導入開始「2.0リッター直4と3.0リッター直6のラインナップ」

ビー・エム・ダブリューは「BMW 4シリーズ クーペ」と「BMW 4シリーズ カブリオレ」改良新型を発表した。すでに全国のBMW正規ディーラーにおいて受注を開始しており、デリバリーは2024年6月下旬からを予定している。

「BMW Z4 M40i ピュア インパルス エディション」の走行シーン。

待望の6速MT搭載の3.0リッター直6ツインターボ「BMW Z4 M40i ピュア インパルス エディション」登場

BMWは、2024年モデルのZ4に、6速MTを搭載した最上位モデル「Z4 M40i ピュア インパルス エディション」を設定した。Z4 M40i ピュア インパルス エディションは、ドイツを含むヨーロッパと米国市場に2024年3月から投入。現時点で日本市場への導入は未定となっている。

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ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…