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Bugatti Tourbillon
北米のカスタマーにトゥールビヨンを初披露
2024年の「ザ・クエイル モータースポーツ・ギャザリング」において、ブガッティの最新ハイパースポーツ「トゥールビヨン」が米国デビューを果たした。「Pour L’éternité(永遠のために)」というデザインテーマが掲げられたトゥールビヨンは、100年後のペブルビーチ・コンクール・デレガンスに参加できるような、色褪せない勝ちを持った1台として開発されている。
トゥールビヨンは、8.3リッターV型16気筒自然吸気エンジンに3基の高効率電気モーターを備えたプラグイン・ハイブリッドシステムを搭載し、最高システム出力1800PSを発揮。スイスの時計職人の協力を得て製作された完全機械式計器盤や、時代を超越したエアロダイナミクスを纏ったエクステリアデザインなどが導入されている。
今回、トゥールビヨンと共に、カーボン製モノコックとシャシーも展示。世界有数の自動車コレクターやエンスージアストを前に、マテ・リマックCEOとデザインディレクターのフランク・ハイルが、トゥールビヨンのコンセプトを語った。モントレー・カーウィークを終えたクリストフ・ピオション社長は、次のように振り返っている。
「モントレー・カーウィークは、ブガッティの輝かしい伝統とエキサイティングな現在、そして輝かしい未来が融合した、特別なイベントです。今年はタイプ 35のデビュー100周年を祝うと同時に、トゥールビヨンによる新たな時代の幕開けと、私たちにとっていつも以上に特別な祭典となりました」
「エットーレ・ブガッティの先見的なエンジニアリング、ジャン・ブガッティのエレガントなデザイン、そしてロマーノ・アルティオーリの大胆な野心……。100年後も美しさをたたえたタイプ 35をはじめ、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスにおいて、ブガッティの貴重なモデル達が愛されていることも目の当たりにすることができました。これらは、未来のブガッティを創造するための指針にもなっています」
タイプ 35誕生100周年を記念したボリード
モントレー・カーウィークの期間中、ブガッティのカスタマーは、ペブルビーチのザ・ロッジ内に建てられた特設ブース「ル・ドメーヌ・ブガッティ(Le Domaine Bugatt)」を訪れ、トゥールビヨンを心ゆくまで堪能することができた。
会場には、タイプ 35のデビュー100周年を記念し、ラグナセカ・サーキットで発表された「ボリード 100th アニバーサリー エディション(Bolide 100th anniversary-edition )」と、シロンの最終モデル「ル・ウルティム(L’Ultime)」も展示。シロン ル・ウルティムのボディワークには、これまでシロンが歩んできた様々な記録が手書きで書き込まれている。
ル・ドメーヌ・ブガッティには、ブガッティ・ライフスタイルの豊富なラインナップも展開。今回、目玉となったのが、シャンパーニュ・カーボンが手がけた、トゥールビヨンをイメージしたシャンパン「トゥールビヨン 15リットル・ボトル(Tourbillon 15-liter bottle)」だろう。
また、最新ミニ電動カー「ベイビー ブガッティII」が初公開され、ジェイコブ(Jacob & Co.)は発表されたばかりのトゥールビヨン・ウォッチを含む、ブガッティ・タイムピースを展示。トゥールビヨン・ウォッチは、V型16気筒エンジンを再現したメカニズムを搭載し、トゥールビヨンのダッシュボードやメーターをイメージしたデザインのサブダイヤルを備えている。
タイプ 59が「ベスト・オブ・ショー」を獲得
8月18日、カリフォルニアの日差しのもとで開催された「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」には、ブガッティの元デザインディレクターのアキム・アンシャイトが審査員として参加。車両のヒストリー、オリジナリティ、保存や修復の正確さ、スタイルに焦点を当てて審査が実施された。
今回、珠玉の名車が数多く参加するなか、「ブガッティ タイプ 59 スポーツ(Bugatti Type 59 Sports)」が、見事ベスト・オブ・ショーを獲得。1934年に製造された美しい2シーターは、ルネ・ドレフュスがステアリングを握り、ベルギーGPで優勝、その年のモナコGPでは3位表彰台獲得というヒストリーを持つ。
エットーレ・ブガッティは、ファクトリーで所有していた4台のタイプ 59を売却したが、この種のレーシングカーとしては極めて珍しく、この特別な1台を手元に残すことになった。エットーレはスーパーチャージャーを取り外し、リヤフェンダーとサイドドアを備えた公道走行可能なスポーツカーに改造。その後、ベルギー国王レオポルド1世が手に入れ、現在の姿であるブラックにベルギーイエローのストライプに塗り替えられている。