【WEC】第7戦富士6時間レースに「フェラーリ 499P」が3台登場

WEC唯一の日本ラウンドで勝利を狙う「フェラーリ499P」が1970年富士200マイルでの日本初勝利の再現を誓う

バンクが存在したかつての富士スピードウェイで開催された「富士200マイル」において、フェラーリ 512 Sが日本のレース初勝利を達成した。
バンクが存在したかつての富士スピードウェイで開催された「富士200マイル」において、フェラーリ 512 Sが日本のレース初勝利を達成した。
白熱するタイトル争い、いよいよ佳境となる2024年シーズンのFIA 世界耐久選手権(WEC)。9月13〜15日に日本の富士スピードウェイを舞台に第7戦「富士6時間レース」が開催される。唯一の日本ラウンドに、フェラーリは3台の499Pを投入し、シーズン3勝目を狙う。

Ferrari 512 S

トヨタのホームコースで狙うシーズン3勝目

2024年シーズンのWECハイパークラスにおいて、フェラーリは現在2勝を挙げており、逆転タイトルを狙う上でも「富士6時間レース」は非常に重要な一戦となる。
2024年シーズンのWECハイパークラスにおいて、フェラーリは現在2勝を挙げており、逆転タイトルを狙う上でも「富士6時間レース」は非常に重要な一戦となる。

日本を象徴する霊峰として讃えられてきた富士山を望む、静岡県・御殿場の富士スピードウェイは、特に耐久レースにおいて多くの象徴的なシーンの舞台となってきた。1965年に開設され、全長は4.563km、16のコーナーを持つこの高速サーキットでは、2012年のWEC立ち上げ以来、新型コロナウイルス禍に見舞われた2021年を除いて、カレンダーに入り続けている。

フェラーリは、富士スピードウェイにおいて、歴代GTマシンが6回のクラス優勝を果たしており、直近では2023年の富士6時間レースにおいて、「フェラーリ 488GTE」54号車が勝利。499Pの日本デビューとなった2023年は、フェラーリAFコルセ 50号車(アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン)が4位、51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)が5位に入った。

2024年、タイトルを争うトヨタ・ガズーレーシングのホームコースとなる富士スピードウェイに、フェラーリは2台のワークスカーに、前戦ローンスター・ル・マンで勝利を飾ったAFコルセ 83号車(ロバート・クビサ、ロバート・シュワルツマン、イーフェイ・イエ)を加えた3台体制で挑み、勝利を狙う。

富士に歴史を刻んだフェラーリ 512 S

1970年のデイトナ24時間レースでデビューを飾ったフェラーリ 512 S。この年は、セブリング12時間レースで勝利、富士スピードウェイで開催された「富士200マイル」も制した。シーズン末には、後継の512 Mが投入されている。
1970年のデイトナ24時間レースでデビューを飾ったフェラーリ 512 S。この年は、セブリング12時間レースで勝利、富士スピードウェイで開催された「富士200マイル」も制した。シーズン末には、後継の512 Mが投入されている。

1960年代初頭、富士スピードウェイは、2本のストレートをバンクカーブで結ぶ、アメリカンスタイルのオーバルコース「スーパースピードウェイ 」として設計されている。その後、計画が変更され、バンクカーブを持つ富士スピードウェイが1965年にオープン。以来、このサーキットではツーリングカーやプロトタイプによる、多くの重要なレースが開催されてきた。

1970年、当時シーズン終盤に開催されていた招待客限定の「富士200マイル」において、ジャンピエロ・モレッティとコラード・マンフレディーニが、スクーデリア・ピッキオ・ロッソにペイントされた「512 S」をドライブ。日本メーカーやポルシェなど、多くのライバルを抑えてトップフィニッシュを果たした。

512 Sは1969年後半に設計され、最高出力550PSを発揮する5.0リッターV型12気筒自然吸気エンジンをリヤミッドに搭載するグループ5プロトタイプ。1970年シーズンは、デイトナ24時間とモンツァ1000kmで3位表彰台、イグナシオ・ジュンティ、ニーノ・バカレッラ、マリオ・アンドレッティのトリオが、セブリング12時間レースを制している。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…