【WEC】富士6時間レース「フェラーリ 499P」の最上位は9位に終わる

波乱のWEC第7戦「富士6時間レース」で「フェラーリ 499P」痛恨のトラブル「序盤のクラッシュが響く」

レース序盤「トヨタ GR010 ハイブリッド」7号車と接戦を演じる「フェラーリ 499P」50号車。
レース序盤「トヨタ GR010 ハイブリッド」7号車と接戦を演じる「フェラーリ 499P」50号車。
9月15日、2024年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)第7戦「富士6時間レース」の決勝が富士スピードウェイで行われた。シーズン3勝目を狙うフェラーリは、7番グリッドからスタートしたフェラーリAFコルセの「499P」50号車が9位、51号車はハイブリッドシステムのトラブルでリタイヤに終わった。

Ferrari 499P

序盤の混乱で2台が大きく後退

100Rで「トヨタ GR010 ハイブリッド」7号車との鍔迫り合いを演じる「フェラーリ 499P」51号車。
100Rで「トヨタ GR010 ハイブリッド」7号車との鍔迫り合いを演じる「フェラーリ 499P」51号車。

9月15日、WEC第7戦にフェラーリは3台の「499P」をエントリーさせた。ワークスチームのフェラーリAFコルセからは50号車(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)と51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョヴィナッツィ)の2台、サテライトチームとなるAFコルセから83号車(ロバート・クビサ/ロバート・シュワルツマン/イーフェイ・イエ)の合計3台がシリーズランキングの勝利を求めて「富士6時間レース」に臨んだ。

しかし予選から歯車は噛み合わず、予選トップ10で行われるハイパーポールに進出したのはフェラーリAFコルセの50号車のみで7番手。以下51号車が12番手、83号車が13番手で決勝をスタートした。

レースは序盤から荒れ模様で、ロバート・クビサのドライブする83号車が2周目の1コーナーでフレデリック・マコヴィッキィの「ポルシェ 963」5号車と接触、そのままアントニオ・ジョヴィナッツィの51号車も巻き込んで、上位陣の多くが大幅に出遅れてしまう。

ポルシェ 963の6号車が安定した走りを披露

ポールポジションからスタートした「キャデラックVシリーズ.R」2号車は順調にリードを広げていくが、レース中盤の98周目にで右フロントタイヤがバーストして順位を落とす。

その後トップに立ったのはポルシェ 963の6号車。その後方からル・マン24時間でもハイパーポールを制するなど速さには定評がある「BMW M ハイブリッド V8」15号車が今回こそと初優勝に向けて快走するが、自力に勝る6号車ポルシェ 963がリードを広げ、そのまま16秒の差をつけて優勝。213周のレースを制した。2位に15号車BMW M ハイブリッド V8が入り、初表彰台を獲得。42秒差の3位に「アルピーヌ A424」36号車が入ってみせた。

フェラーリAFコルセの「フェラーリ 499P」51号車は残り90分の168周目にハイブリッドシステムのトラブルによりリタイヤし、50号車は57秒差の9位。AFコルセの83号車は1周遅れの12位に終わった。

マニュファクチャラーズタイトル獲得は消滅

これでマニュファクチャラーズランキングではトップのポルシェの161ポイントに対して、2位トヨタが151ポイントで最終戦に望みをつなげたが、フェラーリは134ポイントの3位となりチャンピオン獲得の可能性は消滅した。

ドライバーズランキングにおいてもこのレース前2番手につけていた50号車(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)だが、6号車ポルシェが優勝したことでこちらも逆転は難しくなった。

ピット裏のグッドイヤーの作業テントでは大量のレース用タイヤの組み替え作業が行われていた。

WECのLMGT3クラスにタイヤを供給するグッドイヤー「市販車にも生かされる技術とは?」

今シーズンからプロトタイプレーシングカーとプロダクションカーをベースとするGT3マシンの2カテゴリーが走るFIA世界耐久選手権(WEC)。その第7戦「富士6時間レース」の行われる富士スピードウェイで、LMGT3クラスにタイヤを供給するグッドイヤーの耐久レース部門のテスティングマネージャーにレーシングタイヤの話を聞いた。

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