「アウディ RS e-tron GT パフォーマンス」が欧州で販売開始

アウディ史上最強モデルとなるEVサルーン「RS e-tron GT パフォーマンス」は驚愕の925PSを発揮【動画】

アウディ最強EV「アウディ RS e-tron GT パフォーマンス」の走行シーン。
最高システム925PS、アウディ史上最上のフル電動モデル「アウディ RS e-tron GT パフォーマンス」の販売がスタートした。
アウディは、フル電動パフォーマンスモデル「RS e-tron GT」改良新型から、アウディ史上最強となる最高システム出力925PSを発揮する最強仕様の「パフォーマンス」を追加した。「RS e-tron GT パフォーマンス」の価格は16万500ユーロから、欧州市場における販売が開始されている。

Audi RS e-tron GT performance

リヤアクスルにPPEの最新モーターを搭載

アウディ最強EV「アウディ RS e-tron GT パフォーマンス」の電動パワートレイン。
「RS e-tron GT」改良新型から、リヤアクスルにプレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)に採用されたモーターを搭載。RS e-tron GT パフォーマンスではローンチコントロール使用時に、最高出力925PSを発揮する。

「アウディ RS e-tron GT パフォーマンス」は、アウディ初のフル電動RS パフォーマンスモデルとして開発され、2024年6月に発表された「RS e-tron GT」改良新型から追加された。セダン、ステーションワゴン、クロスオーバー、SUVと、EVのラインナップを拡充するアウディにおいて、ラインナップの頂点に位置するフラッグシップモデルとなる。

強化されたドライブシャフトを備えたフロントアクスルの永久磁石同期モーター(PSM)は、最高出力252 kW(342PS)を発揮。リヤアクスルの永久磁石同期モーター(PSM)はポルシェとアウディが共同開発した「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」に採用されたモーターが導入され、最高出力415kW(564PS)を実現した。

電気モーターの特殊ヘアピン巻線の銅密度を高めることで、電流伝導が向上。リヤの電気モーターはローターが軽量化され、リヤアクスルのモーターユニット重量は10kgも削減された。前後モーターにはサーキットなどダイナミックな走行時用にパワーリザーブが導入され、ローンチコントロール使用時に、最高出力680kW(925PS)が解き放たれる。

最大10秒間パワーアップする「プッシュ・トゥ・パス」

アウディ最強EV「アウディ RS e-tron GT パフォーマンス」の走行シーン。
RS e-tron GT パフォーマンスに、最大10秒間70kWの出力増加をもたらす「プッシュ・トゥ・パス」機能が追加された。

RS e-tron GT パフォーマンスは、あらゆる走行環境において高い効率性を実現し、繰り返し出力を発揮することが開発目標に掲げられた。様々な専用開発により、特にサーキットにおいて高い再現性と優れたパフォーマンスの実現が可能になったという。

RS e-tron GT パフォーマンスには、新たに「プッシュ・トゥ・パス」機能を追加。この新機能は30km/h以上の速度において最大10秒間、出力が70kW増加する。ドライバーがプッシュ・トゥ・パスを起動すると、バッテリーはローンチコントロール使用時と同じ出力マップに切り替わる。同時に駆動コンポーネントは自動的に「アウディ・ドライブ・セレクト」が「ダイナミックモード」に変更される。

出力増加時間はバーチャルコクピットにタイマーが表示。最低10秒間のブレーキ回生後、再びプッシュ・トゥ・パスを起動することが可能となっている。

アウディ・ドライブ・セレクトには、専用の「RS パフォーマンス」モードを導入。このドライブモードは、難易度の高いサーキットやワインディングロードにおいて、最適なセットアップへと切り替わる。RS パフォーマンスモードでは、アンチスリップ制御、トルクベクタリング、サスペンションチューニング、空力特性、クーリング特性が専用セッティングに変更される。

専用のサーマルマネージメント・システム

アウディ最強EV「アウディ RS e-tron GT パフォーマンス」の充電シーン。
大幅な出力アップに対応すべく、RS e-tron GT パフォーマンスには専用のサーマルマネージメント(熱管理)システムが導入された。これにより、バッテリーの充電能力も向上している。

改良新型から、4つの冷却回路による適応型サーマルマネージメント(熱管理)とインテリジェントな相互接続が新たに導入。また、専用の「RSパフォーマンス」モードにおいて出力が増加すると、サーマルマネージメントシステムがAC回路を機能させ、車内を快適な温度に保ちながら、同時にHVバッテリーと2基の電気モーターの温度を引き下げる。

さらに電気モーター、車内の空調、HVバッテリーの冷却が、それぞれほぼ独立して制御できるようになった。アウディはサーマルマネジメントシステムの性能を最適化するために、ポンプとバルブにも大幅な変更を加えている。

新開発のバッテリーセルも、RS e-tron GT パフォーマンスの出力向上にひと役買っており、ニッケル、コバルト、マンガンを調整した新たな混合比率が導入され、総蓄電容量105kWh(正味97kWh)を実現。先代モデルと比較してエネルギー容量が大幅に増加し、充電・駆動電流も増加した。最大充電電力は50kW増の320kW。理想的な条件下の高出力充電(HPC)ステーションにおいて、搭載するHVバッテリーを10%から80%まで、わずか18分で充電することが可能だ。

カーボンルーフなど専用エクステリアを採用

アウディ最強EV「アウディ RS e-tron GT パフォーマンス」のエクステリア。
マット仕上げの「ダークカーボンルーフ」を、RS e-tron GT パフォーマンス専用オプションとして用意。オプションのカーボン・カモフラージュ・コンポーネントと組み合わせることができる。

エクステリアは、RS e-tron GT パフォーマンス専用オプションとして、マット仕上げの「ダークカーボンルーフ」を採用。このレーシーなカーボンルーフは、オプションのカーボン・カモフラージュ・コンポーネント(バンパー、ロッカーパネル、ディフューザー、サイドミラーインレイ)と組み合わせることができる。また、RS e-tron GT パフォーマンス専用ボディカラーとして「ベッドフォード・グリーン(Bedford Green)」が追加された。

アウディのカラー&トリム担当デザイナーのクリストファー・クローナーは、RS e-tron GT パフォーマンスのエクステリアについて次のように説明を加えた。

「RS e-tron GT パフォーマンスは、ボディカラーやカーボンルーフをはじめとするエクステリアから、インテリアのシートベルトまで、完璧にコーディネートされています。すべてのディテールが、RS e-tron GT パフォーマンスであることを主張しているのです」

「カーボンファイバー製コンポーネントは、どの角度から見ても異なる表情を見せています。私たちのグランツーリスモは、彫刻作品に例えることができるでしょう。照明の具合によって、俊敏に見えることもあれば、控えめで落ち着いた印象を与えることもあります。一見矛盾しているようですが、スポーティとエレガンスの完璧なバランスが保たれているのです」

新ボディカラーに合わせた専用ステッチ

アウディ最強EV「アウディ RS e-tron GT パフォーマンス」のインテリア。
コクピットには、新ボディカラーの「ベッドフォード・グリーン」にマッチする、サーペントグリーン・ステッチをコーディネートすることも可能。

コクピットは、改良新型からシート、ステアリングホイール、エントリーシル、デジタルコンテンツのデザインを変更。RS e-tron GT パフォーマンスには、新ボディカラー「ベッドフォード・グリーン」に合わせたサーペントグリーン・ステッチと、18ウェイ調整式シートを備えた専用のデザインパッケージを導入。エクステリアに合わせてマットカーボン・カモフラージュ仕上げを選ぶこともできる。

照明によって異なるカラーに変化する、アンスラサイトエフェクト仕上げのバナジウムのアプリケーションを新たに採用。1994年の「アウディ RS 2」へのオマージュとして、RS e-tron GT パフォーマンス専用機能の「ホワイト・アナログメーター」を採用。こちらはコクピットディスプレイに、ホワイトのパワーメーターとスピードメーターを表示させることができる。

アウディ RS e-tron GT パフォーマンスを動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…