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Joby Aviation eVTOL
2020年の3.94億ドルに続く追加出資
電動パワートレイン搭載の垂直離着陸機「eVTOL」は短距離・多頻度運航用に特化した形で設計された次世代モビリティだ。ヘリコプター、ドローン、小型飛行機の要素を持っており、信頼性や環境性(ゼロエミッション)、静粛性などに優れている。また、従来のヘリコプターや航空機と比較すると、運用コストやメンテナンスコストを低く抑えることが可能で、強化された安全機能も備えている。都市圏における通勤者や出張者、旅行者によるオンデマンド利用が見込まれ、「空飛ぶタクシー」市場のニーズに適しているとされる。
今回、ジョビー・アビエーションへの5億ドルの追加出資が決まったことで、2020年1月に出資した3.94億ドルと合わせ、トヨタの累計投資額は8.94億ドルに達した。トヨタの担当執行役員の小川哲男は、今回の追加出資について次のように説明する。
「今回の追加出資により、引き続きジョビー・アビエーションとともに、eVTOLの研究開発段階から実用化に向けて取り組んでまいります。空のモビリティは、様々な交通課題の解決に寄与する可能性を秘めており、トヨタはジョビー・アビエーションとともに、その実現に向けて一層取り組んでいくことになります」
トヨタの知見を投入したeVTOLの開発
2019年の協業開始以降、トヨタはジョビー・アビエーションに対し、自動車生産技術に関する豊富な経験をもとに、生産しやすい工程の設計、治具・補助ツールの開発などの知見を共有。また、2023年にはジョビー・アビエーションに対して、電動化関連パーツの供給をスタートしている。
ジョビー・アビエーションは、カリフォルニア州マリーナの生産ラインで3機目の試作機を完成させたほか、生産用地の拡張にも着手。2024年8月の段階で、航空機の型式認証プロセス5段階のうち、4段階目まで進んでいるという。ジョビー・アビエーションの創業者兼CEOジョーベン・ビバートは、トヨタとの協業について次のようにコメントした。
「今回の出資は、両社の7年近くにわたる協力関係を基盤としています。トヨタのモノづくりで培ったノウハウや支援は、当社の取り組みの前進に大きく貢献してきました。より身近な空のモビリティの実現という共通の目標に向け、今後も連携していきます」