フォルクスワーゲン・チーム・スイスが「ID.7 プロ S」の航続距離テストを実施

最新EVサルーン「フォルクスワーゲン ID.7 プロ S」がスイスの一般道でカタログ値を超える794kmを走行

フォルクスワーゲンの最新フル電動サルーン「ID.7 プロ S」が、スイスにおいて長距離テストを実施。1回の充電で794kmの航続距離を達成した。
フォルクスワーゲンの最新フル電動サルーン「ID.7 プロ S」が、スイスにおいて長距離テストを実施。1回の充電で794kmの航続距離を達成した。
フォルクスワーゲン・チーム・スイスは、電気自動車での長距離走行スペシャリスト、フェリックス・エゴルフ(Felix Egolf)をプロジェクトリーダーに、新型のフル電動モデル「ID.7 プロ S」の航続距離テストを実施。1回の充電で794kmを走行し、WLTP複合モードによるカタログスペック、最大航続距離709kmを大幅に上まわる結果を残した。今回のテストでは、一般道を通常の交通の流れに乗って走行したという。

Volkswagen ID.7 Pro S

一般公道を舞台に794kmを走破

今回の航続距離チャレンジは、チューリッヒ近郊の街、ツークの周回コースを舞台に実施された。様々な交通環境が含まれるルートにおいて、ID.7 プロ Sはカタログ値を大きく上まわる794kmを記録した。
今回の航続距離チャレンジは、チューリッヒ近郊の街、ツークの周回コースを舞台に実施。様々な交通環境が含まれるルートにおいて、ID.7 プロ Sはカタログ値を大きく上まわる794kmを記録した。

フォルクスワーゲン・チーム・スイスによる「ID.7 プロ S」での航続距離チャレンジは、チューリッヒの南、ツークに設定された81kmの公道周回コースを舞台に実施。 ルートは日常的な運転環境を想定しており、主要幹線道路、高速道路、丘陵地帯の田舎道が含まれている。

8名の異なるドライバーが、1回の充電で2日間にわたって合計794kmを走行。平均電力消費量は100kmあたり10.3kWhという非常に低い数値を記録しており、ID.7 プロ Sのカタログデーターである13.6kWhを大幅に下まわった。この値をディーゼルエンジンに換算すると、平均燃料消費量は100kmあたりわずか約1.1リットルに相当すると謳う。

今回のテストにおける、平均速度は51km/h。794kmを超えた段階で、表示された残りの航続可能距離は2kmであった。今回、興味深い点としては、テスト走行に使用されたモデルが、ID.7 プロ Sの航続距離に特化した仕様ではなかったことが挙げられるだろう。使用車両は「コンフォート・パッケージ」「IQ.DRIVEアシストシステム・パッケージ」「プラスエクステリア・パッケージ」「ヒートポンプ」などのオプションを装備しており、その最大航続距離は700kmとなっている。

「ハイパーマイラー」による新たな航続距離記録

フォルクスワーゲンの最新フル電動サルーン「ID.7 プロ S」が、スイスにおいて長距離テストを実施。1回の充電で794kmの航続距離を達成した。
カタログ値の709kmを大きく超える794kmという航続距離は、これまでフォルクスワーゲンのEVでロングドライブ記録を打ち立ててきた、フェリックス・エゴルフによる効率的なドライブによって達成された。

航続距離チャレンジを指揮したフェリックス・エゴルフは、EVでの長距離ドライブのスペシャリストであり、そのエネルギー効率の極めて高い運転技術から、「ハイパーマイラー(hypermiler)」の異名を取っている。

2020年と2021年、エゴルフはフォルクスワーゲン ID.3をドライブし、2つの航続距離世界記録を樹立した。1回目は、ドイツのザクセン州ツヴィッカウからスイスのシャフハウゼンまで、ID.3のスペック上の航続距離を大幅に上まわる531kmを走行。2回目の記録挑戦では、より大容量バッテリーを搭載したID.3 プロ Sをドライブし、1回の充電で602kmを走行した。この時はアルプス山脈の15の峠を越え、標高1万3000m地点を走破している。

従来モデル(NWB=ノーマルホイールベース)のホイールベースを250mm延長して3239mmとした「ID. Buzz LWB」。

名車「フォルクスワーゲン タイプ2」を彷彿させるフル電動ミニバン「ID.Buzz」LWB版をドイツで試乗

フォルクスワーゲンの往年の名車「タイプ2」を現代的にフル電動化した「ID.Buzz」。バスの愛称でビートルと並びイメージリーダーとなったタイプ2をオマージュして、2022年に登場したフル電動ミニバンである。今回、新たにラインナップに加わったLWBモデルにドイツで試乗した。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…