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Volkswagen ID.7 Pro S
一般公道を舞台に794kmを走破
フォルクスワーゲン・チーム・スイスによる「ID.7 プロ S」での航続距離チャレンジは、チューリッヒの南、ツークに設定された81kmの公道周回コースを舞台に実施。 ルートは日常的な運転環境を想定しており、主要幹線道路、高速道路、丘陵地帯の田舎道が含まれている。
8名の異なるドライバーが、1回の充電で2日間にわたって合計794kmを走行。平均電力消費量は100kmあたり10.3kWhという非常に低い数値を記録しており、ID.7 プロ Sのカタログデーターである13.6kWhを大幅に下まわった。この値をディーゼルエンジンに換算すると、平均燃料消費量は100kmあたりわずか約1.1リットルに相当すると謳う。
今回のテストにおける、平均速度は51km/h。794kmを超えた段階で、表示された残りの航続可能距離は2kmであった。今回、興味深い点としては、テスト走行に使用されたモデルが、ID.7 プロ Sの航続距離に特化した仕様ではなかったことが挙げられるだろう。使用車両は「コンフォート・パッケージ」「IQ.DRIVEアシストシステム・パッケージ」「プラスエクステリア・パッケージ」「ヒートポンプ」などのオプションを装備しており、その最大航続距離は700kmとなっている。
「ハイパーマイラー」による新たな航続距離記録
航続距離チャレンジを指揮したフェリックス・エゴルフは、EVでの長距離ドライブのスペシャリストであり、そのエネルギー効率の極めて高い運転技術から、「ハイパーマイラー(hypermiler)」の異名を取っている。
2020年と2021年、エゴルフはフォルクスワーゲン ID.3をドライブし、2つの航続距離世界記録を樹立した。1回目は、ドイツのザクセン州ツヴィッカウからスイスのシャフハウゼンまで、ID.3のスペック上の航続距離を大幅に上まわる531kmを走行。2回目の記録挑戦では、より大容量バッテリーを搭載したID.3 プロ Sをドライブし、1回の充電で602kmを走行した。この時はアルプス山脈の15の峠を越え、標高1万3000m地点を走破している。