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BMW Skytop
発表後の大反響を受けて生産を決定
BMW M社の創立50周年を記念し、2022年に発表された「BMW 3.0 CSL」に続き「BMW スカイトップ」の生産が決定した。流麗な2シータークーペとして開発されたBMW スカイトップは、BMWが掲げる「駆けぬける歓び」を表現し、クラフトマンシップによって時代を超えたエレガンスを体現している。
2024年、イタリア・コモ湖で開催されたヒストリックカー&モーターサイクルイベント「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」において、デザインスタディ「BMW コンセプト スカイトップ」としてワールドプレミア。その後、集まったメディアや自動車愛好家たちに興奮の波を巻き起こしたことを受けて、BMWは50台の限定生産を決定したかたちだ。
パワーユニットは、BMWのラインナップの中でも最もパワフルなV8エンジンを搭載。4.4リッターV型8気筒ガソリンターボは最高出力633PS(460kW)を発揮し、8速ステップトロニック・スポーツトランスミッションと「BMW xDrive」システムを介して4輪を駆動する。0-100km/h加速は、約3.3秒というスペックが与えられた。
このビッグニュースは、BMW本社が主催するイタリア・ミラノでのアートイベントにおいて、BMWグループのデザイントップを務めるアドリアン・ファン・ホーイドンクによって発表。会場にはBMW コンセプト スカイトップが展示され、改めて多くの注目を集めることになった。ファン・ホーイドンクは、スカイトップの生産決定を受けて次のように喜びを語っている。
「BMW スカイトップはエキゾチックなデザインに、最高のレベルの走行性能とエレガンスを融合した存在です。このクルマの生産発表は、私たちにとっても夢が叶ったようなものだと言えるでしょう。コンセプトカーの発表後、世界中で本当に多くのポジティブな反応を頂きました。あらためて、プロジェクトに取り組んだ熱意あるチームに感謝します」
BMW Z8をオマージュしたエクステリア
先に限定生産されたBMW 3.0 CSLに続き、BMW スカイトップも50台のみを限定製造。内外装に「BMW Z8」や「BMW 503」をオマージュしたデザインが採用され、温かみのあるモノトーンカラーをベースに、高級素材と伝統的なクラフトマンシップがシームレスに融合している。
エクステリアのハイライトは、ボンネットからトランクリッドのアルミニウムバーまで伸びたスプラインだろう。彫刻のように張りのあるボディワークは、繊細な数本のラインによって構成され、フロントからリヤセクションへと躍動感持ったサーフェイスがシームレスに続く。従来のドアハンドルの代わりに、ドアショルダーにウィングレットを配置し、足元にはラメ加工が施された専用の軽量アロイホイールが奢られた。
また、ライトアップされたキドニーグリルとヘッドライトが、特別なモデルであることをアピール。LEDライトユニットはアルミニウム製キャリア上に配置され、現在市販されている自動車用ヘッドライトとして、最も薄い形状を実現した。アロー形状のボンネット、シャークノーズを思わせるフロントセクション、絞り込まれたテールライトなどは、すべてBMW Z8をオマージュしているという。
赤褐色でまとめられたインテリア
インテリアは、BMWグループのディンゴルフィング工場において、伝統的なレザー工具を使ってハンドメイドで製造。レザーシートにはブローギングスタイルのアクセントが施され、レディッシュブラウン(赤褐色)のトリムが、インテリア全体に施された。
フロントシート後方にレザー仕上げのロールオーバーバーを配置し、Bピラーのサイドフィンと完全開閉式リヤウィンドウと組み合わされた。取り外し可能なレザー製ルーフパーツは、ラゲッジスペースの専用コンパートメントへと収納することができる。