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Renault Arkana
より上質感が増したエクステリア
輸入クーペSUVとして唯一のフルハイブリッドモデルである「ルノー・アルカナ」。メインモーターとHSGの2モーター方式を採用し、クラッチ板を使わないドッグクラッチを使用した画期的なE-TECHフルハイブリッドテクノロジーにより、インポートSUVナンバー1となる22.8km/Lという低燃費を誇る。
ルノー・ジャポンによると2020年10月の発表から世界で約29万台、日本では2022年5月に発売以降、既に約2000台の販売台数を売り上げたプチヒット商品だ。先述したフルハイブリッドならではの圧倒的な燃費性能と、スタイリッシュなクーペスタイルの輸入車としてはアフォーダブルな価格設定が日本の目の肥えたユーザーにも刺さったのだろう。現に日本では他メーカーからの乗り換え組も多いそうだ。
アルピーヌロゴが配されたシートは極上の座り心地
いまや、ルノー・ジャポンを代表するモデルとなったアルカナが10月9日にマイナーチェンジを受けた。個人的に少し残念なのが車両価格がやや上昇したことだ。E-TECHフルハイブリッドが499万円、マイルドハイブリッドが459万円と若干価格が上がっている。人件費や材料費の上昇の煽りを受けるのは仕方ないにしろ、ほぼ500万円の価格設定によってアルカナの魅力のひとつであったアフォーダブル感は薄まったと感じざるを得ない。
閑話休題。マイナーチェンジの概要に入ろう。まず第一のトピックはグレードがモノグレードの「エスプリ アルピーヌ」に集約されたことだ。「エスプリ アルピーヌ」というグレードは既に本国で多数展開されており、その名の通りアルピーヌブランドの持つスポーティな雰囲気やプレミアム感を落とし込んだ室内外のデザインを特徴としている。
新型アルカナはフルハイブリッドとマイルドハイブリッドともに「エスプリ アルピーヌ」のみのグレード展開となる。アルピーヌらしさという点では、まるで彫刻のような専用19インチホイールやアルピーヌロゴが施された合成皮革とスエード生地のスポーティなシートが挙げられる。
シームレスな独特の走り味は健在
外観では2次元のルノーロゴが無数に配された立体的なフロントグリルやモダンな新クリアテールライトが質感を高めている。また全車にブラックルーフを採用したのもスポーティな装いに一役買っている。
インテリアでは中央のタッチスクリーンが従来の7インチから9.3インチへとサイズアップしたのが大きなトピックだ。新たにサイドビュー機能も採用されたので快適性も向上している。
約2時間程度、首都高速や横浜の一般道をメインに試乗してみたが、走りだけに焦点を当てれば従来のアルカナと何ら変わりはない。あいも変わらず、モーターとエンジンがシームレスに切り替わる、極めてスムーズなパワートレインに感心するばかりだ。実際、少しラフに運転したのだが、フルハイブリッドモデルは22km/Lオーバーの低燃費であった。
価格の上昇がやや気になるが、上質な内外装と質感の高い走りで、きっとこれからも目の肥えたユーザーからの支持を失うことはないだろう。
REPORT/石川亮平(Ryohei ISHIKAWA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2024年12月号
SPECIFICATIONS
ルノー・アルカナ・エスプリ アルピーヌE-TECHフルハイブリッド
ボディサイズ:全長4570 全幅1820 全高1580mm
ホイールベース:2720mm
エンジン:直列4気筒DOHC
総排気量:1597cc
エンジン最高出力:64kW(94PS)/5600rpm
エンジン最大トルク:148Nm(15.1kgm)/3600rpm
メインモーター最高出力:36kW(49PS)/1677-6000rpm
メインモーター最大トルク:205Nm(20.9kgm)/200-1677rpm
サブモーター最高出力:15kW(20PS)/2865-10000rpm
サブモーター最大トルク:50Nm(5.1kgm)/200-2865rpm
トランスミッション:電子制御ドッグクラッチマルチモードAT
駆動方式:FWD
サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後トーションビーム
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ディスク
燃料消費率:22.8km/L(WLTC)
車両本体価格:499万円
【問い合わせ】
ルノーコール
TEL 0120-676-365
https://www.renault.jp