プロドライバーは「オニツカタイガー」初のドライビングシューズをどう評価する?

「オニツカタイガー」初のドライビングシューズの実力をレーシングドライバー田中哲也がチェック【動画】

2回に渡ってオニツカタイガー初のドライビングシューズを取り上げてきたが今回は実際にレーシングドライバー、田中哲也氏がメキシコ 66 ドライビングを履き、そのフィールを確かめた。プロフェッショナルが感じたオニツカの魅力に迫ろう。
2回に渡ってオニツカタイガー初のドライビングシューズを取り上げてきたが今回は実際にレーシングドライバー、田中哲也氏がメキシコ 66 ドライビングを履き、そのフィールを確かめた。プロフェッショナルが感じたオニツカの魅力に迫ろう。
2回に渡ってオニツカタイガー初のドライビングシューズを取り上げてきたが今回は実際にレーシングドライバー、田中哲也氏がメキシコ 66 ドライビングを履き、そのフィールを確かめた。プロフェッショナルが感じたオニツカの魅力に迫ろう。(GENROQ 2024年12月号より転載・再構成)

The story of Onitsuka Tiger Vol.3

実は歩くことの方が大事

ドライビングシューズというものに明確な定義があるわけではないと前号で述べたが、プロのレーシングドライバーはどのように考えているのか。オニツタイガー初のドライビングシューズ「メキシコ 66 ドライビング」を履いて早朝の丸の内を歩く田中哲也氏に尋ねてみた。

「これまでに色々なドライビングシューズを履いてきました。運転のしやすさはもちろん重要なんですが、歩くことの方がもっと大切。ドライビングシューズであっても日常生活の中ではこうして歩いている時間の方が長いと思うんです」

田中氏自身、試してみるも結局履かなくなってしまったシューズがいくつもあるという。

「これはおそらく多くの方が経験していると思いますが、歩くときに足がちょっと痛いな、クッションが足りないなと。やはりそうなると使わなくなってしまいますよね」

では「メキシコ 66 ドライビング」には、どんな印象を抱いたのか。

「ソールはもちろん薄いのですが、その薄さを感じさせないことに驚きました。ショックを吸収してくれている感覚がしっかりあって、柔らかさを感じる。歩きやすいんですよね」

このシューズのミッドソールには反発性に優れた素材を、さらに中敷にはクッション性に優れた素材を採用することで快適な履き心地を追求しているが、それがしっかりと効果を発揮しているようだ。また、かかと側を数ミリ高くすることで人は自然に前傾姿勢をとるようになり、立ちやすく、歩きやすくなる。薄底でスタイリッシュなシューズを作り続けてきたオニツカタイガーならではのノウハウが凝縮されている。

タイトすぎない絶妙なバランス

踵の安定感と親指の付け根あたりのフィールがドライビングシューズでは特に需要。適度なタイトさも必要だ。
踵の安定感と親指の付け根あたりのフィールがドライビングシューズでは特に需要。適度なタイトさも必要だ。

ではドライブするという点において、田中氏が重要視するのはどういったポイントなのか。

「やはりかかとがペダル操作の支点になります。しっかりと安定感があること。かつペダルを踏み変えたときにすっとスムーズに動かせること。特に今回の試乗車であるレヴエルトのようなレスポンスのいいクルマのアクセル操作をする場合は繊細なコントロールが求められるので、親指の付け根あたりのタッチやフィーリングも大きな要素のひとつです」

先日、弊誌の企画撮影で田中氏にあるスポーツカーを運転してもらったのだが、実はペダルの踏み間違いを起こしていたという。

「その日はたまたま底の分厚いシューズを履いていて、ペダルの間隔が狭い足元のタイトなスポーツカーでブレーキを踏んだら、アクセルペダルにシューズが当たってエンジンが吹け上がってしまった。そのときにあらためてドライビングシューズの大切さを実感しましたね」

プロドライバーですら、そうした踏み間違いを起こすことがあるのだ。

「ドライビングシューズは幅の狭さというのも大切な要素だと思います。ただし、あまりにも窮屈だと当然足が疲れやすくなる。ですから細身だけど、タイトすぎないそのバランスが重要な気がします。このドライビングシューズはそのあたりが絶妙で、タイトすぎずにでも足を包み込んでくれるような印象です。時間がたつにつれて、どんどん足に馴染んできた感覚がありますね」

シューズはヒトとクルマの接点

「ボクも靴のせいでペダルミスをしたことがあります。運転をするときの靴はとても重要なんです」と語る田中氏。足元がタイトなスポーツカーではなおさらだという。
「ボクも靴のせいでペダルミスをしたことがあります。運転をするときの靴はとても重要なんです」と語る田中氏。足元がタイトなスポーツカーではなおさらだという。

アッパーには上質なレザーを採用することで、ソフトでありながらホールド感を実現。お馴染みのオニツカタイガーストライプは、直接縫い付けるのではなく、刺繍したものを貼り付けることで革が収縮することを防ぎ、足に縫い目などの違和感を感じさせないよう細心の注意が払われている。田中氏は続ける。

「縫い目はすごく大事な要素です。シューズもそうですし、レーシンググローブでも表縫いとか裏縫いとか色んなタイプがあります。ドライバーによって好みは異なりますが、われわれはすごく気にしますね。グローブとシューズはヒトとクルマがリンクする接点ですから、一般のドライバーにとっても、最も重要であることは言うまでもありません」

そして田中氏はプロドライバー35年を超える経験のなかで、数えきれないほど履いてきたレーシングシューズと「メキシコ 66 ドライビング」との共通点についてこう話す。

「レーシングスシューズはサーキットを走ることに特化していますからソールにクッションもないし、1日履いていると足が痛くなって、脱ぎたくなってしまうものが多いんです。でも、中には柔らかいけどホールド感があって足が痛くならない、そういうシューズがあるんですね。今日1日これを履いていて、そんな共通点を思い出しました。」

シューズを極めたブランドの魅力

最後にこんな話をしてくれた。

「ドライビングシューズにどこまで繊細なペダル操作を求めるのかという議論はあるかと思いますが、少なくともこのシューズはレースでも使える、それくらいのフィーリングの良さがある。でもやっぱり、レーシングシューズではないので歩くことが大事だと思うんです。これまでレーシングギアブランドが作るドライビングシューズを多く履いてきましたけど、カタチだけのものが多い気がします。一方これはシューズを良く知るブランドが作ったドライビングシューズですから、歩いてみるとさすがだなって思わされましたね」

REPORT/藤野太一(Taichi FUJINO)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

「メキシコ 66 ドライビング」を動画でチェック!

Onitsuka Tiger MEXICO 66 DRIVING

Color:White/Black
Size:22.5〜29.0/30.0/31.0cm
Price:3万3000円(税込)

公式オンラインストア
https://www.onitsukatiger.com/jp/ja-jp/

オニツカタイガーがドライビングシューズを発売するのは初めてとなる。

「オニツカタイガー」が初のドライビングシューズに込めたこだわりと技術、そしてその背景にあるストーリー

すでに国内外において高い評価を受けているオニツカタイガー。だが、意外にも同ブランドがドライビングシューズを発売するのは初めてのことだという。そこに込められたのは、オニツカタイガーならではの美と機能へのこだわりだ。(GENROQ 2024年10月号より転載・再構成)

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