Lancia Ypsilon Rally4 HF

WRC王者ビアジオンが開発に参加

「ランチア イプシロン ラリー4 HF」の開発において、中心的な役割を果たしたミキ・ビアジオン。
プライベーター用ラリーカー「ランチア イプシロン ラリー4 HF」は、ランチアでWRC2度のチャンピオン経験を持つミキ・ビアジオンが開発で中心的な役割を果たした。

ランチアは、復活第1弾モデル「イプシロン」をベースに、プライベーター向けラリーカー「イプシロン ラリー4 HF」を開発。イプシロン ラリー4 HFは、最高出力214PSを発揮する1.2リッター直列3気筒ターボエンジンを搭載し、サデフ製5速MTと機械式LSDを介して、前輪を駆動する。

イプシロン ラリー4 HFの開発には「ランチア デルタ」を駆って2度の世界ラリー選手権(WRC)ドライバーズ選手権王座獲得経験を持つミキ・ビアジオンが中心的な役割を果たした。ビアジオンはラリーカーの開発だけでなく、ハイパフォーマンス仕様「イプシロン HF」の開発も担当している。

今回、ランチアは2025年シーズンに向けて、スパルコとのコラボレーションを発表。イタリア・ラリー選手権に導入されるワンメイクラリーシリーズ「トロフェオ・ランチア」に、イプシロン ラリー4 HF用安全装備に加えて、参加クルーにプロフェッショナルギア(スーツ、アンダースーツ、グローブ、シューズなど)を提供する。

ランチア・ブランドのルカ・ナポリターノCEOは、スパルコとのコラボレーションについて次のようにコメントした。

「ラリーへの復帰にあたり、スパルコと提携できることをたいへん嬉しく思います。スパルコが長年にわたり示してきたモータースポーツへの情熱と専門知識は、ランチアが掲げるビジョンと完璧に一致しています。私たちはイプシロン ラリー4 HFにより、ランチアが持つモータースポーツの伝統をリスペクトしながら、革新的で持続可能なアプローチで歩んでいくことを目指しています」

トロフェオ・ランチア王者にERC参戦権

2025年の実戦デビューに向けて、開発テストが続けられる「ランチア イプシロン ラリー4 HF」。
2025年からイタリア選手権で開催される「トロフェオ・ランチア」。シリーズチャンピオンには、2026年のERCにイプシロン ラリー4 HFで参戦する権利が与えられる。

ランチアのラリーへの公式復帰、そしてイプシロン ラリー4 HFのデビューは、2025年シーズンのイタリア・ラリー選手権内で実施される「トロフェオ・ランチア」開幕戦を予定。トロフェオ・ランチアは、2025年4月に開幕するイタリア・ラリー選手権の6戦において開催される予定だ。

トロフェオ・ランチアに参加するドライバーは、イプシロン ラリー4 HFをドライブし、テクニカルウェア、ホスピタリティ、技術サポート、ラリー中のパーツ供給、メディア展開などのサポートを受けることができる。また、総額30万ユーロの賞金が用意されており、各ラウンド優勝者やシリーズチャンピオンに資金的なサポートも行われる。

スパルコは、イプシロン ラリー4 HFのシートベルト、ステアリングホイール、ペダル、最新のグラスファイバー製マトリックス・レーシングシートを供給。また、トロフェオ・ランチアのドライバーとコドライバーに、レーシングスーツ、アンダースーツ、グローブ、シューズを含む完全なレーシングウェアキットが提供される。このウェアキットは、安全性、快適性、パフォーマンスの最高水準を満たすように開発された。

トロフェオ・ランチアのシリーズチャンピオンに輝いたドライバーは、チーム・ランチア・コルセ HFに加入。ランチアとスパルコのサポートを受けて、イプシロン ラリー4 HFをドライブし、2026年シーズンのヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)に出場するチャンスが与えられる。

ランチア イプシロン ラリー4 HFを動画でチェック!

ランチア イプシロン ラリー4 HFのグラベルテストに参加したミキ・ビアジオン(左)と、ランチア・ブランドのルカ・ナポリターノCEO。

WRCに帰ってくるランチア「イプシロン ラリー4 HF」を元王者ビアジオンがグラベルテスト【動画】

ステランティス・グループのランチアは、現在開発を続ける新型ラリーカー「イプシロン ラリー4 HF」を2025年にイタリアで開催されるラリーに投入すると発表した。今回、元WRCチャンピオンのミキ・ビアジオンがイプシロン ラリー4 HFのテストを実施。その様子を公式YouTubeチャンネルに公開している。