ポルシェの「カレラ・パナメリカーナ」表彰祭獲得70周年記念モデルが登場

伝説の1954年製“ポルシェ 550 スパイダー”をオマージュした世界に1台の「718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」

ポルシェ 550 スパイダーと、718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル。
1954年製「ポルシェ 550 スパイダー」をオマージュした、「718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」が製作された。
ポルシェは、1954年にメキシコで開催された「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ(Carrera Panamericana Mexico)」におけるクラス優勝70周年を記念し、「718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」を発表した。同車は、カレラ・パナメリカーナをオマージュした、ポルシェ・ラテンアメリカによる3台目のワンオフモデルとなる。

Porsche 718 Spyder RS Panamericana Special
Porsche 550 Spyder

メキシコを舞台にした公道レース

ポルシェ 550 スパイダーと、718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル。
1950年から1954年にかけてメキシコを舞台に開催され、多くの自動車メーカーが参戦した公道レース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」。黎明期のポルシェは、このイベントで名声を獲得することになった。

メキシコを舞台とする公道レース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」は、メキシコのパン・アメリカン・ハイウェイの完成を記念し、1950年に初開催された。1950年から1954年までは、ポルシェをはじめとするワークスチームや有名ドライバーが多数参戦。その後、1987年に復活を果たし、現在まで開催を続けている。

ポルシェとカレラ・パナメリカーナの関係は深く、356のモデルネームに初めて採用された「カレラ」は、このイベントからインスピレーションを得ている。今回、ポルシェ・ラテンアメリカにより、メキシコを舞台とする象徴的なレースをオマージュした3部作の最終作として、1954年製「550 スパイダー」からインスピレーションを得た「718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」が製作されることになった。

「718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」は、2025年にチャリティオークションへの出品を予定。また、タグ・ホイヤー(TAG Heuer)は、このスペシャルモデルをイメージした限定クロノグラフ「カレラ クロノグラフ トゥールビヨン x ポルシェ パナメリカーナ(Carrera Chronograph Tourbillon x Porsche Panamericana)」 を発表している。

1954年の「550 スパイダー」をオマージュ

「ポルシェ 718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」の製作シーン。
ポルシェ・ラテンアメリカによる、カレラ・パナメリカーナをテーマにした3台目のスペシャルモデル「718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」は、1954年の550 スパイダーをモチーフにソンダーバーシュの協力を得て製作された。

ポルシェ・ラテンアメリカは、1954年のカレラ・パナメリカーナ・メヒコにおけるポルシェ 550 スパイダーの輝かしい成功を記念したスペシャルモデル「718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」を製作した。

1954年、550 スパイダーを駆ったハンス・ヘルマンは、総合3位という素晴らしい成績を収め、1500cc以下のスポーツカー部門においてクラス優勝を果たした。この驚くべきリザルトは、世界的なモータースポーツシーンにおけるポルシェの地位を大きく向上させただけでなく、象徴的な「カレラ」という現代にも続くモデルネームのインスピレーションにもなっている。

今回、ポルシェ・ラテンアメリカは、718 スパイダー RSをベースに、550 スパイダーのスピリットを再現することを目標に掲げ、ポルシェ・エクスルーシブ・マニュファクチャーのカスタマイズプログラム「ソンダーバーシュ(Sonderwunsch:スペシャルリクエスト)」と協力。3台目のスペシャルモデル「718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」が完成した。

ポルシェの成功の礎となったカレラ・パナメリカーナ

メキシコシティで開催された祝賀イベントにおいて発表された「ポルシェ 718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」。
カレラ・パナメリカーナ・メヒコは、モータースポーツにおいてポルシェが世界的な成功を収める第一歩となった。写真はメキシコシティでの発表会に参加したポルシェ・ラテンアメリカのトビアス・エニンガーCEO(左)と、ポルシェ・メキシコのディレクター、カミロ・サンマルティン(右)。

ポルシェ・ラテンアメリカのCEO兼社長を務めるトビアス・エニンガーは、718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャルの完成を受けて、次のようにコメントした。

「黎明期から現代に至るまで、カレラ・パナメリカーナ・メヒコは、ポルシェにとって単なるレース以上の存在です。911 カレラやパナメーラを見れば、そのことがよく分かるでしょう。70年前にメキシコで繰り広げられたイベントに敬意を表して、どちらのモデルも名付けられたのです」

「ポルシェにおけるスペシャルモデル製作は非常に特別なプロジェクトであり、メキシコは3年連続でその任を与えられました。1台目の911 カレラ パナメリカーナ スペシャル、2台目の718 ケイマン GT4 RS カレラ パナメリカーナ スペシャル、そして今年の718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャルです」

「それぞれのスペシャルモデルが、長年にわたって人々の心に響く成功を収めた瞬間を記念しています。今回、完成した718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャルはハンス・ヘルマンが素晴らしい功績を残した、伝説の550 スパイダーをオマージュしました。これらの輝かしい成功があったからこそ、現代のポルシェがあると私たちは考えています」

センテナール・シルバーで統一されたエクステリア

ポルシェ 550 スパイダーと、718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル。
エクステリアはカーボンファイバー製コンポーネントを除き、センテナール・シルバーで統一。カーマインレッドのストライプと、イエローのレーシングナンバーが鮮やかなコントラストを生み出している。

「718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」は、エクステリアカラーに専用の「センテナール・シルバー(Centenaire silver)」をチョイス。この550 スパイダーをイメージしたシルバーは、ヴァイザッハ・パッケージのカーボンファイバー製コンポーネントを除き、フロントのNACAダクト、ロワエアインテーク、リヤスポイラーなど、ほぼすべての空力パーツに採り入れられた。

シルバーのマグネシウムホイールには、ハイグロスブラックのセラミック複合材ブレーキキャリパーが組み合わせられ、現代的なエッセンスを加えている。ボンネットには「TAG Heuer」のロゴが配置、リヤフェンダーのカーマインレッドのストライプ、ドアとリヤエンジンカバーに入れられたイエローの「55」のレーシングナンバーは、1954年に総合3位・クラス優勝を達成したハンス・ヘルマンの550 スパイダーをオマージュしている。

タグ・ホイヤーが完璧に収まるウォッチマウント

「ポルシェ 718 スパイダー RS パナメリカーナ スペシャル」のインテリア。
コクピットのセンターコンソールには、タグ・ホイヤーが開発した「カレラ クロノグラフ トゥールビヨン x ポルシェ パナメリカーナ」が収まる専用ウォッチマウントが配置された。

インテリアはブラックを基調に、ステアリングホイール、ドアパネル、ベンチレーション・グリル、インストルメントパネルなど接触頻度の高いコンポーネントにリアルレザーをチョイス。パッセンジャーシート側のモールディングには「Spyder RS Panamericana Special」の専用プリントが加えられた。

深紅のレザーを使用したフルバケットシートのヘッドレストは、「Carrera Panamericana」の刺繍入り。イルミネーション付きのドアシルプロテクターには、ドライバーズシート側に「Sonderwunsch」のロゴとメキシコ国旗、パッセンジャーシート側には550 スパイダーのシルエットがデザインされた。

センターのアームレストには、専用デザインされたウォッチマウントを配置。タグ・ホイヤーが開発した「カレラ クロノグラフ トゥールビヨン x ポルシェ パナメリカーナ」専用に設計されており、この美しいクロノグラフをぴったりと収めることができる。このクロノグラフは、255個が限定生産される予定だ。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…